トランジスタテスターを作ってみました。
かなり以前(数年以上前)から左写真のようなモノが目に留まるようになりました。
中華系のネットではワンコイン(いまは¥安でそうはいきません)でも入手出来ていました。詳細不明のトランジスタなどをソケットに差し込んで、スイッチを押せばたちどころにその素性(ピン・アサイメントも、、、)がわかるというものです。
実は、手元には右写真に示すような、古いプリント基板から取り外したトランジスタなどの半導体素子が再利用するために沢山保管してありますが、なにせ古いものですので、表面にプリントしてある素子記号などが、かてて加えて老いの弱った目には判別困難な場合が多いのです。
また、素子記号がわかってもネットでデータ・シートを探して仔細を調べる、、、など結構な時間がかかります。
そんな時このツールを使えばいいのではないかと思い立ちました。
ネットの商品詳細を観てみると、キットとして売られているものが多く、構成はAVR(マイクロチップ社のマイコンチップ)と表示用の液晶素子が主体で、肝心なAVRに書き込むファームウエア・ソフトは・・・・かれこれから探して自分で書き込め、、、となっていました。
で、調べてみるとオリジナルは 「Mikrocontroller.net」(https://www.mikrocontroller.net/articles/AVR-Transistortester)にありました。
回路図やファームウエアはここから手に入ります。
いくつか種類がありますが、比較的新しい、ATMega328と1306LCDを使ったタイプを選び、私なりに多少アレンジした回路風(パスコンなど色々落ちているかも、、、)なものを右に示します。電源は9Vの積層乾電池(百均にあります)また電源スイッチは記入してありません。測定すべきサンプルは右側のTest Portにセットします。
構成はいたって簡単なので、ブレッドボードでササッと確認です。
表示を見ると 1-3 57.45pF とあります。Test Portには何もつないでないのですが、写真内の左上にある赤と白の間の校正前の容量を示しているものと思われます。
さっそくケースをえらび、加工・組み立てを行いました。一つだけの作品なので、図面なしの現物合わせです。
右上が完成品です。1306LCD が小さく見にくいですが、いつも使うわけではないので我慢です。
右写真は手持ちの NPNトランジスタである定番の 2SC1815 を測定した結果です。hFE=164となり、参考までに以前自作したhFE計の164.2とよく符合しています。
またピンアサイメントも左から順に E、C、Bと示されており、当然正解です。
上写真は シリコンNチャンネルMOS電界効果トランジスタ(FET)の結果です。
このようにしてたちどころに必要な情報を得ることが出来るこのツールは本当に優れものです。さすがドイツ発、、、です。
まだ詳細にマニュアルを読み込んでいないのですが、効能として
・NPN および PNP トランジスタ、N および P チャネル MOSFET、ダイオード (ダブルダイオードも含む)、サイリスタ、トライアック、および抵抗器とコンデンサの自動検出
・テスト中のコンポーネントのピンの自動決定と表示
・トランジスタと MOSFET の保護ダイオードの検出と表示
・トランジスタの増幅率とベース-エミッタ順電圧の決定
・MOSFETのゲート閾値電圧とゲート容量の測定
・抵抗の測定範囲は約2Ω~20MΩ
・コンデンサは、約 0.2nF から 7000µF まで測定
・インダクタンスの測定
などが出来るようです。
これはもはやトランジスタテスターではなくコンポーネント・テスターです!!!