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2026年5月9日土曜日

9年ぶりに完成しました・・・ANRITSU製 ATT

  左写真は、ANRITSU製の、おそらくStandard Signal Generator:標準信号発生器から取り外されたと思はれる、ATT(信号減衰器)です。

 手持ち部品を整理していたらこれが出てきたのです。  思い返すと、 このブログの2017年1月23日に

 (クリックでこのページへジャンプ)

として掲載していたものです。
 この部品の詳細や解析結果、実際の駆動方法などが書かれていますが、装置として使うための実装がされていませんでした。

 私のように、解析や実験により興味を持つ者にとって、ケースをつくり、実装して実用装置の形まで作業を進めることはかなりハードルが高いようですが、この機会に完成形まで、、、、と一念発起しました。

 私は実験結果をノートに努めて残すようにしていますので、上記ブログの日付(2017年1月23日)からノートを遡ってみました。

 ありました! 数ページにわたって詳細に記録されており、この時の arduino のスケッチもパソコンの中から探し当てられました。

 コンピュータのプログラムのようなものは別として、実験ノートのようなものは、いわゆる大学ノートに日付順に書き込んでいくだけのほうが使いやすいと私は思っています。(化石人間???
) 
 そんなわけでこの実験ノートも一年で約1冊のペースで、今では33冊目となっていますが、どの記事がどこにあるかの、いはゆる検索が苦手ですので、出来上がったものにはその日付を必ず入れておくようにしています。







 








 上写真が、今回作成したケースで、1mmのアルミニウム板を切断・曲げ加工したものです。
 左側が、ベース側(下側)で表示、ATTコントロールなどの機能部分が搭載されています。右側はATT本体を固定してあり、上からかぶせるようにして一体化します。
 これらはできる限り小型にしたかったため、各所の寸法がギリギリで、組み立てにはかなり苦労しました。

 7セグメントの4桁表示器(使っているのは3桁)とATTの制御基板をそれぞれ駆動するための回路で、ATMega 88 を使っています。(左図)

 表示器は上下逆さにして、ドットを10の位の表示に使いますので、左下図のように、黒字の A B C ・・・を赤字の A B C ・・・に接続を変える必要があります。













 右写真はその実態写真でかなりゴタゴタしており、お恥ずかしい限りです。



 左写真は正面からのもので、左右の金色 SMC コネクタは ATT に直付けされたものそのままで、スペースと性能低下に配慮したものです。

 ツマミを回すと中央の3桁7セグ LED の数字が変化して ATT の減衰量 ーdB を表示しますが、右回転で数字を小さくし、 減衰量が少なくなるようにしてあります。

 写真では ー123dB が表示されています。また今回使用した、ロータリーエンコーダにはプッシュスイッチがついていますので、ツマミを押すと10の位のドットが点灯し、10の位を変化させることができるようになり、再度押すとこのモードは解消されます。

 ということで、9年の月日を経てようやく実用できるようになりました。
 電源の15Vを必要としますが、比較的小型でツマミも軽く、かつ節度も良く、カチカチと気持ちよく作動してくれます。

 念のため製作日時も書きこみました、これで故障時の対応も万全です!!!

2026年1月13日火曜日

キャラクターLCDチェッカー を作りました

 新年最初の電子工作です。
 電子工作を趣味としていると左写真のような、キャラクターLCDが沢山手元にたまってきます。

 これらキャラクターLCDは電子回路で得た結果をわかりやすく文字で表示するもので(左写真左下)、こんな便利なものはありません。
 
 ありがたいことに、この部品は早い時期に規格が定まり、基本的に古いものから現行品に至るまで同じ様な結線で作動させることができるようです。

 右図はその一例をネットから転載したものですが、この例では制御線は16本あります。

 ただ私の場合 Arduino で使うことがほとんどですので、1~6,11~14の計10本で制御できます。1~3は電源、5のRWはGNDに落としますので、実質、制御線としてはRS E D4 D5 D6 D7 の6本となります。

 でも冒頭の写真の中から1個の LCD を選んだ時、果たして動くかどうかは実際に結線してみないとわかりません、ということで簡単に動作をチェックできるものを考えました、要点は以下のとうりです。
  ・簡単に文字の表示ご確認できること
  ・3.3V、5V の両方がチェックできること
  ・これに伴ってコントラスト用の電圧を測定・読み出しができること
  ・最近多くなってきた、I2C で使うLCD もアドレスの取得、表示の確認ができること
以下に回路図を挙げておきます。


 基本は、ATMega 8 なるAVRマイコンを使い、プログラムは Arduino IDE によりました。
この ATMega 8 はArduino UNO に使われている上位の ATMega 328 とピン互換で、値段も秋月で極めて廉価ということでたいへん気に入っています。

 LCD とのコネクタには、TTL用の丸ピンソケットを使いました、場所を取らず、抜き差しの確実さ・耐久性は抜群で重宝しています。

 ATMega 8 のピン番号14~19は I2C アドレスを赤色LEDでビット表示するためのもので、0x00 ~ 0x3F が表示できます。

 電源部は、9V_DC を Input して、LM317 を使用し、抵抗を切り替えることで5Vと3.3Vを得ています。また3.3V の時 LCD のコントラスト調整用にマイナス電源が必要となりますが、たまにしか使わないのでリレーと単4の乾電池1個でごまかして?います。

 写真は今回作成したチェッカーの基板両面の様子です。かなり細かい作業で老眼にムチ打ちました。

 ケースは以前何かに使ったものの流用です。
 右写真はケースに収めたところ、下写真は完成品の様子です。










 
 上側の赤い LED は前述の I2C アドレス表示用で、2ビット+4ビットで 0x00 ~ 0x3F を表現できます。
 その下の四角い穴の中に見えているのが LCD とのコネクタで、TTL用の丸ピンソケットを切り取って使っています。トグル・スイッチは左が電源の ON ⇔ OFF 、右が 5V ⇔ 3.3V 切り替え用、右側のツマミはコントラスト調整用です。

 、、、、ということで早速使ってみますが、LCD の接続で最も注意せねばならないのが、ピン1とピン2です。冒頭の図ではピン1:VSS(GND)  、ピン2:VDD(+5V) のように表示してありますが、モノによっては(おそらく古いもの)ピン1とピン2が逆になっているものがあり、間違って接続すれば必ず壊れますので要注意です!!

 左写真は LCD をチェック中のもので、左が 5V 駆動、右が3.3V 駆動です。

 このときコントラスト調整用電圧(上記回路図中の Vc は本体右側にある10kΩの可変抵抗で調節する)は 5V 駆動のとき +0.77V 、3.3V 駆動のとき ー0.84Vでした。
 ありがたいことにキャラクターLCDはコントラスト調整用電圧を適正に与えれば、 5V 駆動、3.3V 駆動のどちらでも使えるようです。

 右写真は、I2C 接続の LCD をチェックしているところです。
 赤い LED は I2C アドレス 0x27 を表示しています。表示画面にもテストパターンが無事表示されています、大成功!!

 ちなみにこの I2C キャラクターLCD は過日このブログで取り上げた「16x1 液晶キャラクターディスプレイモジュールを使う」で作り上げたものです。

 新年早々、ものつくりの意欲が湧いてきました、そういえば今年は午年で私の当たり年です、元気にこの一年を過ごせますように、、、、

2025年9月6日土曜日

SDR を動かしてみました

  ひさしぶりに SDR を動かしてみました。
 SDR は Software Defined Radio (ソフトウェア定義ラジオ)の略で、ラジオの主な機能をハードウェアではなく、ソフトウェアによってコンピュータから制御することができるものです。

 ひさしぶり、というのはかなり昔に左写真にあるような DVT-T+DAB+FM を使ったことがあるからです。これらはもともとコンピュータのUSB端子に挿し、アンテナをつなぎ簡易にTVやFMを楽しむために欧米で開発されたものです。
 ところがチューナーICの R820T の受信範囲が24~1766MHzもの広範囲にわたることから、一般のラジオ放送も聞けるような制御ソフトを開発した賢者がいたのです。
 ただ周波数下限が24MHzなので写真左上にあるようなアップコンバータを用いることもありました。

 今回使用したものは、左写真にあるような、最初からラジオ受信機として設計されたもので、かなり以前に興味を持って、詳細を確認しないまま、Aliのバーゲン時に入手しておいたものです。

 ネットで色々調べた結果、これは SDRplay 社のRSP1というモデル(10年以上前に発売、今では販売終了)に近いものと分かりました。
 ただしLNA(低雑音高周波アンプ)や周波数帯を切り替える回路が省略されています。
 でも一方、ありがたいことには受信周波数範囲が、10kHz~1000MHzと広く、使用しているADCが DVT が 8bit であったのに対し、本機は 12bit である点で技術の進歩を感じます。(最新モデルは 14bit ! )
 さらには 24MHz の発振器には 0.5ppm の TCXO が搭載されており、測定器のように使えるかも、、、、

  また使用しているICチップセットは汎用のMSi2500、MSi001なので、公開使用例を使っていればクローンとは言えないかもしれませんが、ソフトはフリーで頒布されているものが使えます。

 右図は今回の SDR の構成図です。

 アンテナ端子は、5個の SMA 端子があり、それぞれに受信バンド別にアンテナを接続するようになっています。

ANT_1 :
   0~30MHz
ANT_2 :
  30~60MHz
ANT_3
 50~120MHz
ANT_4 :
 120~150MHz   ANT_5 :   400~1000MHz

 アルミニウム板でケースを自作しようかと思ったのですが、詳細が判明するまでの間、左写真のようにプリント生基板でサンドイッチすることにしました。

 さて、SDR というからにはソフトなければタダの、、、
ということで先ずは RSP1 が推奨している SDRuno をインストールします。(ネットで探せばすぐわかります)
 インストール時には本体をコンピュータから切り離しておかなくてはなりません。


 SDRuno のマニュアルもネットにありますので、スタート前に読み込んで理解しておきます。 アンテナを、しかるべきアンテナ端子に接続し、本体をコンピュータのUSB端子につなぎ、 SDRuno を始動させれば上写真のようなそれこそ別世界がスクリーンいっぱいに広がります。
 SDR の世界では定番の HDSDR も少し複雑ですが、冷静にネットの記事を参考にすれば無事インストールできました。

 現在色々な受信機を製作していますが、IF 以降をこのSDR に受け持たせれば、かなりいろいろな手間が省けそうです。
 例えば IF 455kHz であれば直接この SDR で受信できますし、受信モードも AM,FM,CW,LSB,
USB 尚且つ帯域幅もそれぞれに応じ、高価なフィルターを購入することなく実験ができそうです。

 またこの SDR のソフトを入れ替えるだけでスペクトラムアナライザーに変身できるという記事を見つけました。追ってアップしたいと思います。

2024年7月12日金曜日

低周波用ステップアッテネータを作りました

 最近は高周波関連が多く、低周波の実験は少なくなっていますが、それでも時折必要となるのが低周波発振器です。
 かつてはいろいろな回路で自作しましたが、最近ではパソコンのソフトからも信号が得られるようです。

 左写真は Hewlett-Packard 社の低周波発振器、HP-209A のマニュアルの表紙です。もともと HP  好きな私にとってこの低周波発振器はお気に入りで、もう発売後50年以上にもなろうというモデルですが、今でも元気に働いています。

 もっとも、より正確な波形を求めるならばファンクション・ジェネレータというオプションも有していますが、手軽にさっとデータを取るには小型軽量の HP-209A に手が伸びてしまいます。
 正弦波出力は 4Hz~2MHz と広範囲で、600Ω負荷に対して 5 V RMS あり、矩形波出力も別端子で持っています。

 しかしながら実際に使用した時、出力を 0~5V のツマミ一つで調整するにはかなり無理があり、低周波用ステップアッテネータを作ることにしました。回路図を右に示します。

 パイ型のアッテネータ(それぞれ -10dB 、-20dB 、-40dB )を3段直列にし、出力に 600Ω の負荷をかけることが出来るようにしました。
 カナメは R10 ~ R42 までの9本の正確な抵抗を用意することです。私は手持ちの100本入り(日常の使用で多少数は少ないですが)抵抗セットの中からマルチメータで測定し、選別しました。

 回路図中、緑の線で囲った目的とする抵抗値は、1本では得られませんので、抵抗を直列(+で表示)、または並列(//で表示)に接続して目的の抵抗値とし、数値は3桁まで合わせ込みました。

 右写真は、ステップアッテネータ本体のケースです。1.5 mm 厚のガラスエポキシ両面プリント基板を切り出し、半田付けで作りました。上面の丸穴はスナップスイッチを取り付け、側面の丸穴は INPUT ( BNC-P )、OUTPUT ( BNC-J ) のコネクタがそれぞれ取り付けてあります。






 蛇足になりますが、左写真は秋葉原の〇月電子で見つけた変換コネクタの特価品です。左が BNC-J TNC-J 右が BNC-P ↔ RCA-P で、どちらも一袋10個入がなんと¥100!!!でした。
 この材質は半田付けが出来ましたし、切断しても使えますのでアマチュア的用途には大福音です。




 必要な部品を取り付けた様子を右写真に示します。







 左はステップアッテネータの内部を示します。ケースの半田付け、抵抗の取り付け、入出力端子の固定方法など参考にしてください。





















 上左写真は今回作った低周波用ステップアッテネータと BNC-J ↔ バナナ端子 変換コネクタです。この変換コネクタは上右写真のように、実際に使う場合スマートに接続が出来、自画自賛モノです。
 通常は出力の 600Ω 負荷スイッチをON にし、必要なアッテネータスイッチをON にします。(たとえば -30 dB が必要なら、 -10 dB と -20 dB を ON に、また -60 dB が必要なら、 -20 dB と -40 dB を ON にします)
 当然、最大減衰量は -70 dB です。

 毎日の熱い中好きなことに熱中できるのは何と幸せなことでしょう。

2024年5月18日土曜日

Sweeperino なるものを実験してみました

  2000年の初めごろと言えばもうかなりまえになりますが、FRMS(Frequency Response Measuring System)という自作測定器がアマチュア間で話題になりました。今でいうネットアナで秋月のDDSキットをPICで操作し、その出力をコンポーネントや回路に与え、そのレスポンスをAD8307というログアンプで読み取り、パソコンのスクリーンに図示するというものでした。

 このキットはCYTECさんから発売されており、今でもFRMS2として品揃えの中にあります。左上写真はそこからの引用です。

 ありがたいことに回路図、部品表、基板データさらにはPICに焼きこむファーム・ウエアやパソコンで使用するソフトまでの一揃いを我々アマチュアがフリーで使用できるようになっており、私も何回か製作し実験に使ってきました、感謝です。

 最近になってネットサーフイン中に、少し古いですが気になるサイトを見つけました。(右画面) 著者は Ashhar Farhan さんで VU2ESE のコールサインからインドの方と思われます。


 ここでいう Sweeperino のコンセプトはケースであるキャンディー缶の右上にあるツマミを回し、目的周波数(AD570 による発振)に合わせ、回路からのレスポンス・パワーをやはり AD8307 で読み取る、、、といったもので FRMS によく似ています。
 私が着目したのはもう一つの機能で、マイコンのソフトで、回路の周波数特性を読み取り図示するという FRMS と同様の機能です。

今回作成した部分の回路図を示します。(パソコン専用のため LCD は省略)そのため回路は極めて簡単で、これをベースにいろいろなものが出来そうな予感がしますが、今回は基本的なところの動作確認としました。
 主体となるブロックは、ひとつは右下の Si5351 発振器です。オリジナル回路は Si570 が使ってあり、 Si5351 でも使えるように Arduino のスケッチが作ってありますがいまではより低周波側から使える超安価な中華 Si5351 発振器が入手できますので選択の余地はないと思います。
 もう一つのブロックは上側にある AD8307 を使ったパワー計で、この二つを Arduino_Nano でコントロールするものです。これらの情報はネットの GitHub を探せばより詳しく見つけられます。

 そしてある意味カナメのパソコンソフトは「 specan_ui.exe 」を使います。当初 GitHub に同梱されていたものは、win10 との相性のためか?動いてくれませんでしたが、より新しいものを探したところ無事動きました。

 前述の回路図中の CLK OUT と Signal Input の間に自作の 10MHz バンドパス・フィルタを入れて測定した結果です。

 Si5351 発振器のクリスタルは 25MHz のままででオリジナルの 27MHzには代えてありませんし、電力レベルも校正してありません、取り合えずのマンマです。  
 このきわめてシンプルな GUI はパッと観で操作できますが、このままでは最大中心周波数99.999MHz、最大スパン50MHz の制限がありますが FRMS に比べれば、、、、

 左写真は実験中の写真で、左から Arduino UNO 互換ボード、中華 Si5351 発振器、AD8307 パワーユニットとなっていますが各ユニット間の結線が極めて少ないのが面白いです。

2024年3月12日火曜日

ウクライナからの部品で FLUKE 8842A リペア

 おかげ様で日々大好きな電子工作に明け暮れていますが、その際に使うディジタル・マルチメータ は必須です。
 これらはできれば信頼性の高いものが良いのです、幸い私のところにはこの分野での御三家ともいわれる、(左写真上から)FLUKE 8842A、KEITHLEY 2010、Agilent 34401A が控えていますが、これには訳があります。

 これらの測定器はある程度の精度正確さを求めるならば、自動車の車検のように、一定期間ごとに校正をする必要があります。しかしながら、われわれアマチュアにとって、リース落ちなどで手に入れたこれらの機材に正規の校正はあまりにも高額です。

 むしろこのように3台を所持し、お互いの測定値を比較していれば、そこそこの安心感を保つことが出来るのではないかと考えています。

 ところが、また別の悩みがあります。それはこれらの高級?機材が世に出された時代には、例外なく蛍光表示管が使われており、それらが今となって劣化してきたのです。(右写真)

 機材の精度などは保たれているのですが、表示がどんどん暗くなり、最後には見えなくなってしまうのです。このブログで以前紹介した「HP53181Aカウンター用7seg LEDモニタの製作」もその例・解決策です。

 原因は蛍光表示管に必要な電源回路(ほどほど高圧)の劣化は論外ですが、蛍光を発生させるためのカソード(電子を発生)の劣化が主因とされています。
 残念ながら対策はなく、蛍光表示管を交換するしか手はありませんが、これまた高価で(私が購入した本体より)かつ入手は容易ではありません。

 今回の表示管リペアの考え方を図示しました。(左上図)

の蛍光表示管の交換は断念、の別の表示(前述の HP53181A の例)は今回は不採用、そこでのLED表示パネルへの交換を実施しました。

 以前入手しておいたFLUKE 8842A 用のLED表示モジュールは偶然にも ebey で見つけました、思いのほか安価ですぐにオーダーした結果が右写真です。
 発送元は Kyiv UKRAINE(キーウ ウクライナ)となっていました、また発送日付は 2022.04.23 となっており、なんとロシアが侵攻した 2022.02.24 の2か月後でキーウ周辺での戦闘があったと思われる時期です。
 この小さなパッケージには「 LED DISPLAY MODULE FLUKE 8840A/42A (DIY KIT)」とありました。

 内容物は、静電気防止の黒い袋に入ったお目当てのモジュール(よく見えないので右上に写真添付)、本体に接続するためのコネクター・ピン、配線材料そしてマニュアルです。






 で、さっそく作業開始です。
 右写真は FLUKE 8842A の内部です、この美しいディスクリート部品が搭載された基板が私は好きですが、今では表面実装部品が多くなりそれこそ景色が良くありません、、、、





 左写真上は蛍光表示管が搭載された全面パネルの裏側で、黄色の線で囲まれた左10ピン、右11ピンの接続ピンの半田を除去した様子です。
 下左は蛍光表示管を用心深く取り外している様子、下右は取り外しに成功した蛍光表示管です。






 そして右写真は新しく取り付けるLED表示モジュールに接続ピンを取り付ける様子です。接続ピンを取り付け終わったモジュールはこれも注意深く本体パネルに半田付けします。
 寸法精度は純正品ほどではありませんでしたが、特に問題なく取り付け出来ました。

 これが完成写真です、流石に蛍光表示管の美しさにはかないませんが、実用的には十分満足できるものでしたし、昼間の明るい部屋でも視認できました。
 LED表示モジュールは蛍光表示管に比して、寿命の点でははるかに優位ですが、駆動電圧が低く(2V以下、蛍光表示管は20V程度)今回のようにそのままモジュールを置き換えるということはかなりの技術力が必要ですし、量産品でもない部品に仕上げる工夫も大変な苦労があったものと思います。

 翻ってウクライナがロシアの一部であった頃は最先端技術の地域であったようで、私の趣味の一つであるカメラについても、かつてドイツには世界に冠たるライカとコンタックスという2大カメラメーカがありましたが、第2次大戦が終結するや否や、ライカは米国が押さえ、コンタックスはロシアが人も含めて設備すべてをウクライナへ持ち去った話は有名です。
 そしてそこで生産されたカメラが右写真にある「キエフ」で、ロゴが CONTAX ではなく KIEV になっていました。

 そんなウクライナにはより親しみを感じています、一日も早く平和が来ますように、、、

2023年9月10日日曜日

DBMによるAPB-3の帯域外スペアナ測定

 もう10年以上は昔のことになりますが、トランジスタ技術誌から「おじさん工房」のAPB-3のキットが発売されました。キットと言っても左写真のように部品実装済みの基板で、ケースに入れるのはDIYでした。

 このAPB-3というのはFPGAを使った万能測定器で、APB-1からのユーザである私にとって、スペクトラム・アナライザをはじめ多くの測定機に変身するこのマシンは大変重宝したもので、今でもわが実験室では現役です。

 このスペアナ機能は分解能や低ノイズレベルについては申し分ないのですが、使用できる上限周波数が40MHzまでですのでそれ以上はお手上げです。その後上限周波数を1GHzにまで拡張するアダプターキットが発表されましたが、入手できずにいます。 

 話変わって今、私が手掛けているのは、70MHz付近の高周波回路です。狭帯域でよいのでDouble Balanced Mixer (DBM)を使って実験してみました。

 右図にあるADE-1は Mini-Cirquit社の廉価版DBMで、私はこれをよく使います。
 RF端子にSignal Generetor(SG)から70.03MHz、Lo端子に40MHZのXtal Oscillaterからの出力をそれぞれ加えれば、IF端子に①70.03-40=30.03MHz②70.03+40=110.03MHzの2波が出力されます。
 ここでAPB-3は前述のように上限40MHzですので、①の30.03MHzのみ測定できることになります。したがって40MHZのXtal Oscillaterを使っての測定は上限80MHzまでです。広範囲に考えればもっと複雑な話になりますが、ここでは特定の周波数のみ測定できればよいので、詳細は略します。











 上写真はDBM(Lo入力部にー3dBmのアッテネータつき)、右写真は今回作成した、40MHZのXtal Oscillaterで小さなアルミケースに入れてあり、電源を接続すればほぼ10dBm以上の発振出力が得られ、便利に使いまわせます。ただし波形は方形波のようです。(下写真参照)










 右写真は、実験の様子です。ブルーのパイロット・ランプが点灯しているのがAPB-3で、スペアナモードで測定しています。
 右上からの黒い同軸ケーブルは、SGからのもので、73.03MHz -99.9dBm のシグナルが来ており、RF に接続してあり、また小さなアルミケースは40MHZのXtal Oscillaterで中央部DBMの Lo に接続してあります。
 出力 IF はAPB-3の入力端子(50Ω)に入っています。

 左は測定結果で、33MHz± 50kHzの範囲化表示されていますが、実際には 73MHz(33+40)± 50kHz を測定していることになります。
 
 右下に見えているシグナルの測定結果は、73.03233MHz、-102.4dBmで、周波数のズレはAPB-3の誤差によるものです。また-100dBmのシグナルはきれいに検知されており、その損失はわずかです。

 限られた性能の測定器もアイデア次第でうまく使いこなせることがわかりました。APB-3もまだまだ当分頑張ってくれることでしょう。