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2025年9月6日土曜日

SDR を動かしてみました

  ひさしぶりに SDR を動かしてみました。
 SDR は Software Defined Radio (ソフトウェア定義ラジオ)の略で、ラジオの主な機能をハードウェアではなく、ソフトウェアによってコンピュータから制御することができるものです。

 ひさしぶり、というのはかなり昔に左写真にあるような DVT-T+DAB+FM を使ったことがあるからです。これらはもともとコンピュータのUSB端子に挿し、アンテナをつなぎ簡易にTVやFMを楽しむために欧米で開発されたものです。
 ところがチューナーICの R820T の受信範囲が24~1766MHzもの広範囲にわたることから、一般のラジオ放送も聞けるような制御ソフトを開発した賢者がいたのです。
 ただ周波数下限が24MHzなので写真左上にあるようなアップコンバータを用いることもありました。

 今回使用したものは、左写真にあるような、最初からラジオ受信機として設計されたもので、かなり以前に興味を持って、詳細を確認しないまま、Aliのバーゲン時に入手しておいたものです。

 ネットで色々調べた結果、これは SDRplay 社のRSP1というモデル(10年以上前に発売、今では販売終了)に近いものと分かりました。
 ただしLNA(低雑音高周波アンプ)や周波数帯を切り替える回路が省略されています。
 でも一方、ありがたいことには受信周波数範囲が、10kHz~1000MHzと広く、使用しているADCが DVT が 8bit であったのに対し、本機は 12bit である点で技術の進歩を感じます。(最新モデルは 14bit ! )
 さらには 24MHz の発振器には 0.5ppm の TCXO が搭載されており、測定器のように使えるかも、、、、

  また使用しているICチップセットは汎用のMSi2500、MSi001なので、公開使用例を使っていればクローンとは言えないかもしれませんが、ソフトはフリーで頒布されているものが使えます。

 右図は今回の SDR の構成図です。

 アンテナ端子は、5個の SMA 端子があり、それぞれに受信バンド別にアンテナを接続するようになっています。

ANT_1 :
   0~30MHz
ANT_2 :
  30~60MHz
ANT_3
 50~120MHz
ANT_4 :
 120~150MHz   ANT_5 :   400~1000MHz

 アルミニウム板でケースを自作しようかと思ったのですが、詳細が判明するまでの間、左写真のようにプリント生基板でサンドイッチすることにしました。

 さて、SDR というからにはソフトなければタダの、、、
ということで先ずは RSP1 が推奨している SDRuno をインストールします。(ネットで探せばすぐわかります)
 インストール時には本体をコンピュータから切り離しておかなくてはなりません。


 SDRuno のマニュアルもネットにありますので、スタート前に読み込んで理解しておきます。 アンテナを、しかるべきアンテナ端子に接続し、本体をコンピュータのUSB端子につなぎ、 SDRuno を始動させれば上写真のようなそれこそ別世界がスクリーンいっぱいに広がります。
 SDR の世界では定番の HDSDR も少し複雑ですが、冷静にネットの記事を参考にすれば無事インストールできました。

 現在色々な受信機を製作していますが、IF 以降をこのSDR に受け持たせれば、かなりいろいろな手間が省けそうです。
 例えば IF 455kHz であれば直接この SDR で受信できますし、受信モードも AM,FM,CW,LSB,
USB 尚且つ帯域幅もそれぞれに応じ、高価なフィルターを購入することなく実験ができそうです。

 またこの SDR のソフトを入れ替えるだけでスペクトラムアナライザーに変身できるという記事を見つけました。追ってアップしたいと思います。

2025年4月30日水曜日

9R-59D の MOD その3(IF_ProductDET そして完成)

 前回、前々回に引き続き今回は、その3、最終回です。
 今回は上図の IFアンプ部、プロダクト検波部、安定化電源などについて説明していきます。

 今プロジェクトの目玉は、その1で述べたように、中間周波(IF)トランスに松下電産製の
2IF-N1 の採用です。松下電産とは松下電器産業のことで、そののちのパナソニックのことです。海外、特に米国への輸出が増大していく中で、当時採用していたナショナルのブランド名は、すでに現地米国で流通していた有名な他企業のブランドでしたので、トラブルを避けるために急遽変更したものだと思われます。

 思い返せば、この商品が登場した1961には松下電産は周波数直線型のバリコンなども販売しており、それこそ垂涎の的でありました。
 それらの部品を使用した、通信型受信機 CRV-1 の公表されている回路図を転載します。


 IF回路はこの回路図を参考に組み立てましたが、特に発振などのトラブルはありませんでした。ここで総合選択度 2.8kHz (-3dB) の秘密?を見たくなって IFT を分解してみたのが左写真です。

 一見して特段変わったところはありません、多少二つのコイルの間隔が広いようには、、、気のせいかも。

 またそれぞれのコイルにはタップが出してあり、さらに3個あるIFT のうち検波用(再終段)には Q5'er 用の巻線も備えてあります。

 この IFT は元々の 9R-59D のものより大きいので、 9R-59D のシャシー上の IF 基板スペースには収まらず、右写真のように、再終段の検波用 IFT は右方向のプロダクト検波+低周波出力の基板に侵入して設置しました。

 次いでプロダクト検波ですが、「アマチュア無線用ではなく、ジェネラルカバレッジとして MOD するとは言っても折角狭帯域の IFT を採用したわけだし、、、、 で、最小限にとどめる策を考えました。

 オリジナルは、プロダクト検波に 6BE6 を用い、BFO に 1/2 6AQ8 そして余った? 
1/2 6AQ8 で低周波増幅、最後に 6AQ5 低周波出力となっています。

 元回路では 6BE6 を使っていますので、この際、自励発振式で行けないか?とネットで探した結果、ありました!!!  同じようなことを考えている人がいたようで、
「 https://www.valveradio.net/radio/product-ssb-detector-in-9r-59ds.html 」
 まさにほしかった資料で、プリント基板の変更まで写真付きで掲載されていました。

  回路図を掲載しておきます、細部の定数までの検討はしていませんが無事作動しました。BFO コイルもそのまま使用できましたが、極性には要注意です。

 6BE6 の自励発振式は周波数の引き込みがあるとかで、あまり使われていないようですが今回は良しとしましょう。
 
 右上写真は完成したプロダクト検波および低周波出力基板です。

 左から 2IF-N1 の検波段 IFT トランス、次いで 「AM 検波、AGC 検波」部、 6BE6 プロダクト検波部、BFO コイルです。
 いちばん右に低周波出力部ですが、これは半導体 IC のLM386G を用いた定番回路です。
何種類かの増幅度を選択できますので簡易で使用するには便利です。
 この結果、使用真空管は 6BE6 のみになり、6AQ8、6AQ5の2本が節約でき、消費電力も減りました。

 最後に、局部発振の 6BE6 とプロダクト検波 6BE6 とに供給する 115V B+ 電源の定電圧化を図りました。
 左に要所の回路図を示しますが、LM317 はフロート状態にありますので、入出力差が 30V を超えないように注意すればうまく働きますし、定電圧放電管を用いるよりははるかに廉価です。
 ただし高電圧の取り扱いなので安全には十分注意してください。

 S メーターは FET を使った簡易版を仮に取り付けてありますが、S メーターは奥が深くまだまだ検討が必要です。

 以上、何とか当初の目標を達成することが出来ました。今のところ低 HF 帯が活発なのでしばらくは楽しめそうです。
 肝心の IFT (2IF-N1) についてはSWLについては少しすっきりした感じがしますが、7M帯のアマチュア無線では無いよりまし?くらいでしょうか、でも1960年代を思い出しながらのワッチはまた格別なものがあります。

2025年3月11日火曜日

9R-59D の MOD その2(RF、MIX、OSC)

 本プロジェクトの構想が終わってほぼ一か月が経ちました。
 ことのついでに、、、と 9R-59D を完全にパーツレベルに至るまで、分解し、清掃しました。

 そうです、コイルパックも分解してロータリースイッチの接点も清掃しておきました(左写真)。
 こうして改めて観ると、メイン・バリコンとスプレッド・バリコンの配置、コイルパックの配線の冗長さが気になりますが、構想のところで少し述べたように、本機が通信型受信機と言いながら実際には一般のゼネラルカバレッジレベルのものであるとすれば納得がいきます。

でもそれにしてはダイアルの周波数表示目盛りが必要以上に期待をそそるデザインです、、、、

 今回は受信機の頭の部分、言い換えれば高周波・周波数変換・ローカル発振回路(RF、MIX、OSC)を 9R-59D をベースにして製作していきます。

 左がRF部の回路図で 9R-59D そのまんまです。

 ここはオリジナルでは 6BA6 という5極管が使われていますが、6CB6 や 6DK6 などそのまま差し替え可能な多くの球がありますので差し替えてその違いなどを楽しみたいと思っています。 

 次いで周波数変換部ですが、オリジナルの 6BE6 (7極管)から 6EA8 (5極管)に変更してみました。

 これは巷間、変換ノイズが7極管より5極管のほうが小さいといわれていますので一度試してみたかったことによります。

  6EA8 は5極・3極の複合管なので、3極管部は入力されるローカル発振信号のバッファーとして使い、ローカル発振には発振出力も大きく実績のある 6BE6 を3極管結合で使います。

 回路図を右に示します。

 ここで一苦労したのはシャシーの金属加工です、なにせシャシーの材質は鉄ですので、、、

 左写真の右に示しておいたように、オリジナルでは
 ① RF   6BA6 7ピンソケット
  MIX   6BE6 7ピンソケット
    OSC   6AQ8 9ピンソケット
ですが、前述のラインナップでは 
 ① RF   6BA6 7ピンソケット
  MIX   6EA8 9ピンソケット
    OSC   6BE6 7ピンソケット
にそれぞれ変更せねばなりません。
 はシャシー・パンチを使い 穴を大きくし、は小さな7ピンソケット用のアダプターをアルミ板で作り、無事写真の左側のように仕上げました。

 右写真は上写真の裏側を示しています。左側から①②③となっており、今まさに③のOSC回路のみを作動させて様子を見ているところです。

 このようにして次回は中間周波回路となる予定ですが、RF_GainとAGCについての関連性を示しておきます。 

 左図に示すように 9R-59D と同様にしました、細部はまた調整していけばいいでしょう。

 RF_Gain に使う10kΩ Cカーブの大型ボリュームはもう入手は絶望的ですが、幸いジャンクボックスにあったものを使用できました。
 AGCはAM、SSBそれぞれで有無を選択できるようにしました。

2025年2月17日月曜日

9R-59D の MOD その1(構想)

 久方ぶりに今回はラジオのおはなしです。
 9R-59Dというのは今から60年前に当時のトリオ社(今はKENWOOD?)から発売され、大人気であった通信型受信機です。(左写真)
 この、ホコリ、錆び、傷があちこちにあり、見るからにくたびれ果てた受信機が、出てきました。いずれ手を入れて生き返らせようと今まで保管されていたものです。
 簡単にリペアするか?元の姿にこだわってレストアするか?迷うところですが、ネットで海外のブログを読んでいたら「9R-59Dに貴重なお金や時間を費やすべきではない、、、」という主張に出会いました。

 確かに外見はそれらしく見えますが、本機はいわゆるプロ用機材(軍用も含め)ではなく、家庭用の5球スーパーに近い存在なのだと私自身再認識した次第です。、、、ならばということでこの際機材をもう一度見直して私自身の好みに換えてしまおうと思い立ちました、いわゆる MOD(またはMODS、modification の略)です。













  上図は 9R-59D のブロックダイアグラムです、今更ながらですが簡単に説明しておきます。図の左側から
V1. 高周波増幅で一般的なもの 6BA6は他のものに差し替え可能
V2. スーパーヘテロダイン受信機の混合、6BE6も一般的なもの
V3. 受信信号と混合させるための局部発振、6AQ8(双3極管)の半分のみ使用
V4,V5. 中間周波数増幅段、6BA6で2段増幅、455kHzの東光のメカニカル フィルタ
     を使用、また Sメータもここで駆動
D4. AM検波し  V7. 6AQ8(双3極管)の半分で増幅し V8. 6AQ5で
     スピーカを駆動する
V6. 6BE6は V7. 6AQ8(双3極管)の半分のBFOからの信号を得て、この機材
          の売りでもあるプロダクツ検波によってSSB、CW信号を復調 V7.へ、、、、
となります。

 ここで今回の MOD の目玉である部品のご紹介です。右写真にある3本の IFT(中間周波数トランス)松下電産製の 2IF-N1 がそれです。
 これは1961年に発売された、やはり松下電産製の通信型受信機 CRV-1 に搭載されていたものですから相当に古いものです。

 ちなみに CRV-1は 9R-59D より5年も前にデビューし基本的なデザインは 9R-59D とよく似ています(ブログで検索時は Matsushita CRV-1 にて)。
 
 この通信用高選択度2段増幅IFTは、
    中心周波数455kHzで、総合選択度 63dB(±10kHz)
                                                総合選択度 2.8 kHz (-3dB) と極めて優秀なもので、
今ではめったに入手できません。通常このような目的(高選択度)にはメカニカル フィルタ、クリスタルフィルタやセラミックフィルタをつかいます。

で、結論として目的とするところは、いわゆるアマチュア無線用ではなく、ジェネラルカバレッジとして MOD することにします。その際いくつかの変更をしたいと思っている点を以下に示します。

1. 問題が多いDバンドは無視する。
2. 混合(Mixer)にはノイズ低減を期待し、5極管の 6EA8 を採用、3極管部は局発のバッファーとし外部VFOも考慮。 
3. 局部発振には6BE6の3極管結合とする。
4. IFTは経年劣化も言われているセラミックフィルタから前述の 2IF-N1 に変更し、高選択度ながら素直な当時のフィーリングを目指したい。
5. SSB、CWは副次的なものとし、6BE6の自励発振による検波回路としたい。
6. 本機の弱みでもあった周波数変動を少しでも抑えるために、発振回路には半導体使用の定電圧電源を用意する。
7. 低周波増幅部はLM386Gを採用し半導体化する。
8. Sメータ回路を別途考える。
9. ディジタル化した周波数表示も考慮したい。

を考慮して新しいブロックダイアグラムを書き直しました。















 以上いろいろ述べてきましたが、9R-59Dを悪く言っているつもりはありません。かつての我々ラジオ少年にとってまさに光り輝く希望の星だったのですから。

 ではこの構想に沿って、プロジェクト開始です。ブログは進捗に応じアップしていきますが、うまくいくかはこれからのお楽しみ、、、ということで。

2023年9月10日日曜日

DBMによるAPB-3の帯域外スペアナ測定

 もう10年以上は昔のことになりますが、トランジスタ技術誌から「おじさん工房」のAPB-3のキットが発売されました。キットと言っても左写真のように部品実装済みの基板で、ケースに入れるのはDIYでした。

 このAPB-3というのはFPGAを使った万能測定器で、APB-1からのユーザである私にとって、スペクトラム・アナライザをはじめ多くの測定機に変身するこのマシンは大変重宝したもので、今でもわが実験室では現役です。

 このスペアナ機能は分解能や低ノイズレベルについては申し分ないのですが、使用できる上限周波数が40MHzまでですのでそれ以上はお手上げです。その後上限周波数を1GHzにまで拡張するアダプターキットが発表されましたが、入手できずにいます。 

 話変わって今、私が手掛けているのは、70MHz付近の高周波回路です。狭帯域でよいのでDouble Balanced Mixer (DBM)を使って実験してみました。

 右図にあるADE-1は Mini-Cirquit社の廉価版DBMで、私はこれをよく使います。
 RF端子にSignal Generetor(SG)から70.03MHz、Lo端子に40MHZのXtal Oscillaterからの出力をそれぞれ加えれば、IF端子に①70.03-40=30.03MHz②70.03+40=110.03MHzの2波が出力されます。
 ここでAPB-3は前述のように上限40MHzですので、①の30.03MHzのみ測定できることになります。したがって40MHZのXtal Oscillaterを使っての測定は上限80MHzまでです。広範囲に考えればもっと複雑な話になりますが、ここでは特定の周波数のみ測定できればよいので、詳細は略します。











 上写真はDBM(Lo入力部にー3dBmのアッテネータつき)、右写真は今回作成した、40MHZのXtal Oscillaterで小さなアルミケースに入れてあり、電源を接続すればほぼ10dBm以上の発振出力が得られ、便利に使いまわせます。ただし波形は方形波のようです。(下写真参照)










 右写真は、実験の様子です。ブルーのパイロット・ランプが点灯しているのがAPB-3で、スペアナモードで測定しています。
 右上からの黒い同軸ケーブルは、SGからのもので、73.03MHz -99.9dBm のシグナルが来ており、RF に接続してあり、また小さなアルミケースは40MHZのXtal Oscillaterで中央部DBMの Lo に接続してあります。
 出力 IF はAPB-3の入力端子(50Ω)に入っています。

 左は測定結果で、33MHz± 50kHzの範囲化表示されていますが、実際には 73MHz(33+40)± 50kHz を測定していることになります。
 
 右下に見えているシグナルの測定結果は、73.03233MHz、-102.4dBmで、周波数のズレはAPB-3の誤差によるものです。また-100dBmのシグナルはきれいに検知されており、その損失はわずかです。

 限られた性能の測定器もアイデア次第でうまく使いこなせることがわかりました。APB-3もまだまだ当分頑張ってくれることでしょう。

2021年9月13日月曜日

 arduino シールド型 簡易ネットワークアナライザ (pico NWT) の製作

  新型コロナが蔓延する8月、何となくやる気も衰えがちな毎日でしたが、日々新しい知識をもたらしてくれるインターネットは数少ない光の一筋ではあります。

 加えて、最近のブラウザは日ごろなじみのない外国語もあっという間に翻訳が可能になり、それもPDFなどの文書なども同様です。おかげさまでロシア語などの情報もなじみやすくなり知識、情報の取得に大いに役立っています。

 先日 UR5FFR というアマチュア無線家のロシア語サイトを閲覧していた折、表題にある、「arduino シールド型 簡易ネットワークアナライザ  (pico NWT) 」の製作記事を見つけました。 

 このサイトはアマチュアイズムにあふれており、数多くのプロジェクトはどれも興味を惹かれるものばかりです。なおかつ回路図、関連ソフト、製作ノウハウなど新設かつ詳細に公表されており、大変に好感の持てるサイトだと思います。(左図)


 今回取り上げた製作記事(pico NWT)は、筆者が「朝初めて夕方にはできているよ!」と言っているほど簡単そうで、この時期の重い腰を上げさせるのに十分でした。


 最初はただ興味をもって見ていただけですが、こんな簡単な回路で果たしてどこまでできるか試してみたくなりました。

 ということで
「朝初めて夕方にはできているよ!」を実践した結果が右写真です。
 例によって部分的には自分流に変更してありますがそれらしく出来上がりました。

 基本は片面プリント生基板にランド方式で部品を張り付けたものです。Arduinoにきちんと?乗っかっていますがスペース的にはまだ余裕があります。

 Arduinoのスケッチと、コンピュータで使うコントロールソフトもUR5FFRさんのサイトからダウンロードして使わせていただきました。どちらも特にバグなどはなく、信頼性の高いもので一発で作動しました。

 注意点としては低レベルのノイズをどこまで下げられるかがカギとなりますので、現状はまだまだ追い込みが足りないと思っています。

 OUT-IN を直結してノーマライズしたものを0dBとし、順次アッテネータでレベルを下げていった結果が左図です。

 測定下限の100kHzから100MHzまでを表示してありますが、50MHzまでくらいなら何とか-60dBまで行けそうです。


 右図は10MHzのクリスタルを測定したものですが、それらしい形が測定されているのがわかります。

 このソフトにはクリスタル・フィルターを作成するためのオプションがありますが、これも興味深いものがあります。

 今回は取り敢えず様子見、、、といったところですが、今後はこの pico NWT に入れ込むよりは-80dBくらいまで行ける Si5351Network Analyzer Lite というプロジェクトが UR5FFR さんのブログにありますので、こちらをトライしてみたいと思います。

2021年8月2日月曜日

GPSDOの製作 その2_完成

 前回のブログ「GPSDOの製作 その1_GPS 受信機」ではフリーマーケットで入手したWOWWOWのチューナを改造して、(と言っても電源回路のみを残してケースを流用したもの)GPS受信機を取り付けたところまで進みました。

 今回はその後の完成までを紹介していきたいと思います。左写真は最終段階での実験の様子です。

 GPSからの電波を基準にした発振器の方式には、PLL(Phase Locked Loop)とFLL(Frequency Locked Loop)の2種類があります。

 PLLはGPSからの基準値(10kHzが良く用いられる)と発振器からの出力(基準値と同じ10kHzして)との位相差を検出してこれが0になるように制御します。
 同様に、FLLはGPSからの1秒パルスを用いて、発振器の周波数をカウントし、目的の周波数になるように制御します。

 これらの制御には電圧を与えることで周波数を変化させられる発振器が用いられます。右写真は、CTIのOSC5A2B02という25mm角の発振器で、ebayから入手しました。

 
 今回はPLL方式を選択しましたが、お手本はアマチュア無線家である James Miller (G3RUH)さんの文献、「10 MHz Simple GPSDO」に拠りました。
 左に文献の冒頭部分を示します。

 下に制御部分の回路図(略式)を示しますが、これは前述の文献より引用し、少し手を加えたものです。


 簡単に説明すると、図中上部にある10MHzの発振器の出力は、74HC14でバッファリングされ出力となりますが、一部は分岐し、74HC390のカウンターにより、10kHzにまで分周されます。
 この10kHzとGPS受信機NEO-6Mからの10kHzを位相検出器74HC86にインプットし、得られた位相差をフィルタとLM358のバッファを通して発振器を電圧制御しています。

 このフィルタ(超簡単に150kΩと100uFタンタルコンデンサ)の部分は手を加えていけばどんどん深みにはまりそうなので、必要に応じてのちほど手を入れるということで、、、、

 今回の製作はGPS受信機に興味を持ったところから始まっていますが、GPSDO標準発振器としてはすでにこのブログの我が家の周波数標準の製作で紹介してある、Trimble社のThunderBolt を使ったものがあるので、手軽に日常的に使えたら、、、、というのが目的です。(左写真参照)


 さらに今回は使い勝手ということに留意して、GPSに同期したことを示す、ロック・インジケータをつけてみました。

 上記制御回路がGPSに同期して安定化した時の発振器制御電圧は約1.91Vでしたので、右回路図のようなウインドウ・コンパレータを考えてみました。

 5kΩの半固定抵抗で調節し、1.90~1.92Vの範囲でLEDが点灯します。間接的なモニタですが有るのと無いのとでは大違いです。

 制御回路についていろいろ実験した結果を以下の写真のように実装しました。


 左写真について簡単な説明をしておきます。

 上部左はNEO-6M GPS受信機、その右のCD4011はGPS受信機をモニタ・制御するための簡易RS232Cインターフェースで、その右のLM358は上述のロック・インジケータ部です。


 上部右の基板が今回主に述べた制御回路です。
 ケースの中はまだまだ空きが多く、また気まぐれで手を入れることもあるでしょう。

 右写真は完成状態での最終チェックです。
一番上が、我が家の周波数標準で、一番下のHP53181Aカウンターの外部入力端子へ10MHzを入れています。

 HP53181Aカウンターには「HP53181Aカウンター用7seg LEDモニタ」がつけてあり、表示が良く見えます。この表示は今回製作したGPSDOの出力をカウントしていますが、私の日常的使用には十分でしょう。

 中央に見える黒い箱が今回の作品ですが、何とも味気ない姿です。左の赤いLEDが電源、右の白いLEDがロック・インジケータです。

 完成後、ほぼ一か月以上経過していますが、特に問題なく使えており満足しています。

2021年6月29日火曜日

GPSDOの製作 その1_GPS受信機

  
 過日このブログにアップした「
いまさらのGPS受信機」でも述べているように、GPSとは Global Positioning System または Global Positioning Satellite すなわち衛星測位システムのことです。

 今地球の周りには左図のようにたくさんの衛星が回っています。
 これらの衛星には、超高性能の原子発振器(セシウムなど)が搭載され、なおかつ、その精度は地上局より制御・維持されており、高確度かつ高精度の時刻情報を有し、発信しています。

 衛星から発信される信号は主に位置の測定に用いられますが、今回はこの信号を受信して、正確無比の周波数標準を作ろうというものです。
 この仕組みを GPSDOGPS Disciplined Oscillator)と称しています、GPSに同期した発振器とでも言いましょうか、、、、

 ということで、GPS受信機がまず必要ですが、今回は先のブログで取り上げたものとは別のものを入手しました、とはいっても受信用チップは NEO-6M で同様です。(右写真は購入時のサンプル画像)

 NEO-6M はかなり過去のものですから、現状ではNEO-7、NEO-8 がベターですが、GPSDO 用ですので、ebey の中華最安値品?(大きいほうのワンコイン)としました。

 入手まで約一か月かかりましたが、無事到着し、チェックをしましたが不動品でした。中華最安値品?ではよくあることなので少しも騒がず詳細を調べてみました。
 
結果は
・5V → 3.3V 3端子レギュレータが不良
・メモリバックアップ用スーパーキャパシタ不良
・デフォルトの設定がおかしい

 で、修理・改良です。

・不良の3端子レギュレータを除去、レギュレータのIN・OUTを配線でショートし+3.3V仕様に改造

・スーパーキャパシタは除去して、CR2032(Li3V) 電池を代わりに取り付けます。(極性に注意、+極側に逆流防止ダイオードを入れる)

・アンテナのコネクタを除去し、同軸ケーブルを取り付け
・基準パルスの出力は NEO-6M チップの3番ピン(受信パルス表示LEDへの配線)

 右写真は 修理・改良済みのGPS受信機を秋月のユニバーサル基板に取り付けたところです。

 この改良受信機は+3.3V仕様になっていますので要注意です。右側の黒いICは受信機とパソコンをRS232Cで接続するためのインターフェースです。






 左がその回路図で、ELMさんによるCMOSインバータを使った簡易版です。
 このIC(例えば74HC04)の電源には+5Vを供給して 3.3V → 5Vのレベルコンバータの役割もさせています


 この段階で受信機としてのチェックです。
 上は u-center というPCソフトで、受信できた衛星の様子を見てみたものです。天空に11個の衛星を捉えていることがわかります。最低でも4個あれば受信データは有効に使えるようですから、この結果なら十分でしょう。

 次いで、左のu-center の config 画面から、出力パルスをDuty50%の10kHZとなるように設定します。














 受信機の出力をオシロスコープで観察してみました、確かにきれいな10kHZが出力されています。
 出力レベルはP-Pで3.16VありますのでTTLでの信号処理は問題ないでしょう。

 左写真は仕上げ用のケースに受信機を仮付けしてみたものです。ケースは過日、縁日のフリーマーケットで入手した古いWOWWOWのチューナです。

 写真の下側に見えるように、電源トランスから2系統の+5Vが得られ、LEDなども使えそうです。電源ラインをレギュレータ出力のところでカットしておけば、基本はRF用途ですので、全体がベタアースのようになっていてベターです。ただ電源容量が少し心配ですが、これは後程考えましょう。

 ということで次回はいよいよ その2_制御回路 です。