過日このブログにアップした「いまさらのGPS受信機」でも述べているように、GPSとは Global Positioning System または Global Positioning Satellite すなわち衛星測位システムのことです。
今地球の周りには左図のようにたくさんの衛星が回っています。
これらの衛星には、超高性能の原子発振器(セシウムなど)が搭載され、なおかつ、その精度は地上局より制御・維持されており、高確度かつ高精度の時刻情報を有し、発信しています。
衛星から発信される信号は主に位置の測定に用いられますが、今回はこの信号を受信して、正確無比の周波数標準を作ろうというものです。
この仕組みを GPSDO(GPS Disciplined Oscillator)と称しています、GPSに同期した発振器とでも言いましょうか、、、、
ということで、GPS受信機がまず必要ですが、今回は先のブログで取り上げたものとは別のものを入手しました、とはいっても受信用チップは NEO-6M で同様です。(右写真は購入時のサンプル画像)
NEO-6M はかなり過去のものですから、現状ではNEO-7、NEO-8 がベターですが、GPSDO 用ですので、ebey の中華最安値品?(大きいほうのワンコイン)としました。
入手まで約一か月かかりましたが、無事到着し、チェックをしましたが不動品でした。中華最安値品?ではよくあることなので少しも騒がず詳細を調べてみました。
結果は
・5V → 3.3V 3端子レギュレータが不良
・メモリバックアップ用スーパーキャパシタ不良
・デフォルトの設定がおかしい
で、修理・改良です。
・不良の3端子レギュレータを除去、レギュレータのIN・OUTを配線でショートし+3.3V仕様に改造
・スーパーキャパシタは除去して、CR2032(Li3V) 電池を代わりに取り付けます。(極性に注意、+極側に逆流防止ダイオードを入れる)
・アンテナのコネクタを除去し、同軸ケーブルを取り付け
・基準パルスの出力は NEO-6M チップの3番ピン(受信パルス表示LEDへの配線)
この改良受信機は+3.3V仕様になっていますので要注意です。右側の黒いICは受信機とパソコンをRS232Cで接続するためのインターフェースです。
左がその回路図で、ELMさんによるCMOSインバータを使った簡易版です。
このIC(例えば74HC04)の電源には+5Vを供給して 3.3V → 5Vのレベルコンバータの役割もさせています。
この段階で受信機としてのチェックです。
上は u-center というPCソフトで、受信できた衛星の様子を見てみたものです。天空に11個の衛星を捉えていることがわかります。最低でも4個あれば受信データは有効に使えるようですから、この結果なら十分でしょう。
次いで、左のu-center の config 画面から、出力パルスをDuty50%の10kHZとなるように設定します。
受信機の出力をオシロスコープで観察してみました、確かにきれいな10kHZが出力されています。
出力レベルはP-Pで3.16VありますのでTTLでの信号処理は問題ないでしょう。
左写真は仕上げ用のケースに受信機を仮付けしてみたものです。ケースは過日、縁日のフリーマーケットで入手した古いWOWWOWのチューナです。
写真の下側に見えるように、電源トランスから2系統の+5Vが得られ、LEDなども使えそうです。電源ラインをレギュレータ出力のところでカットしておけば、基本はRF用途ですので、全体がベタアースのようになっていてベターです。ただ電源容量が少し心配ですが、これは後程考えましょう。
ということで次回はいよいよ その2_制御回路 です。
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