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2026年9月15日火曜日

昔を思い出して シグナルインジェクターを作りました

  かつてのラジオ少年だった八十路のおじいさんの手元には4~50年以上昔のラジオが何台かあります。

 それも左写真にみられるような、マニアックな通信型受信機がほとんどですが、近年海外からの短波放送も次々と停波してしまい、国内でもNHK第2放送がつい先日終了してしまいました。

 もちろん完璧なコンディションであるモノは少なく、大半は「そのうちリペアを楽しもう、、、」といった状態でしたが、年波はどんどん押し寄せてきます。
 そんなわけで、このところこれらの受信機を、引っ張り出してリペアに勤しんでいます。

 リペアで最初にすべきは調子の悪い部位の特定です。
 これらの時代の受信機は一例として右に示した YAESU FR-50B の系統図のように、それぞれの部位の役割が比較的はっきり分かれており、図中、左上のアンテナから入った電波は赤矢印に沿って、右下まで到達しますが、途中どこかに不具合箇所があれば信号はそれ以降には伝わりません。

 逆に最後のAF.AMP(低周波アンプ)から良・不良を確認しながら遡るやり方もあります。
 今回は、手っ取り早く不良個所を知るために、シグナルトレーサーなるものを製作してみました、といってもこれは古くからあるモノで、ラジオ少年であれば一度は作ってみたことがあるはずです。















 中身は簡単な無安定マルチバイブレーターという発振器で、ltspice でシミュレーションしてみたのが上図で、右が回路図です。聴き取りやすい低周波で発振させますが、上図左のように出力波形が方形波なので、多くの高調波を含んでおりその範囲は短波帯にまで及びます。
 
 使い方は、この出力を先の系統図の最後から順に、前段へと回路内へ注入(インジェクション)していき、音の聞こえなかった部位が不良個所だと判断するのです。

 思いついたら即実行です、手近にあるジャンクボックスから必要なものは調達できました。(左写真)
 上からセラミックコンデンサ 0.013uF x2 1/6W抵抗 47kΩ x2 3.3kΩ x2   左下は 2200pF 600V 右にあるトランジスタは STC 9018 x2 で、少しでも多く高調波を出そうとトランジション周波数( f T)が高いものを選びました、1.1GHzあります。基板片はもう少し大きなものに変更しました。


 次いで、ブレッドボード上に回路を組み、動作確認です。













 上写真がその出力です。 波形は ltspice のシミュレーション結果と同様でした、電源は1.5V単三乾電池1本で、出力は 870mVrms 873Hz、消費電流 0.5mA でした。

 ということで、実回路化です、多少意識して小さくくみ上げてみました。右上写真
 最後にケーシングです。単3電池4個用の電池ケースを改造してみました。


 受信機のレストアに際して、比較的しっかりした測定器はそろっているのですが、今回作成した、シグナルトレーサーのような実用道具?も大変に有効であると思いました、今後うまく使いこなして、受信機リペアのペースを上げていきたいと思います。

 また受信機別のリペアについても順次ブログにアップしていきたいと思っています。

2025年4月30日水曜日

9R-59D の MOD その3(IF_ProductDET そして完成)

 前回、前々回に引き続き今回は、その3、最終回です。
 今回は上図の IFアンプ部、プロダクト検波部、安定化電源などについて説明していきます。

 今プロジェクトの目玉は、その1で述べたように、中間周波(IF)トランスに松下電産製の
2IF-N1 の採用です。松下電産とは松下電器産業のことで、そののちのパナソニックのことです。海外、特に米国への輸出が増大していく中で、当時採用していたナショナルのブランド名は、すでに現地米国で流通していた有名な他企業のブランドでしたので、トラブルを避けるために急遽変更したものだと思われます。

 思い返せば、この商品が登場した1961には松下電産は周波数直線型のバリコンなども販売しており、それこそ垂涎の的でありました。
 それらの部品を使用した、通信型受信機 CRV-1 の公表されている回路図を転載します。


 IF回路はこの回路図を参考に組み立てましたが、特に発振などのトラブルはありませんでした。ここで総合選択度 2.8kHz (-3dB) の秘密?を見たくなって IFT を分解してみたのが左写真です。

 一見して特段変わったところはありません、多少二つのコイルの間隔が広いようには、、、気のせいかも。

 またそれぞれのコイルにはタップが出してあり、さらに3個あるIFT のうち検波用(再終段)には Q5'er 用の巻線も備えてあります。

 この IFT は元々の 9R-59D のものより大きいので、 9R-59D のシャシー上の IF 基板スペースには収まらず、右写真のように、再終段の検波用 IFT は右方向のプロダクト検波+低周波出力の基板に侵入して設置しました。

 次いでプロダクト検波ですが、「アマチュア無線用ではなく、ジェネラルカバレッジとして MOD するとは言っても折角狭帯域の IFT を採用したわけだし、、、、 で、最小限にとどめる策を考えました。

 オリジナルは、プロダクト検波に 6BE6 を用い、BFO に 1/2 6AQ8 そして余った? 
1/2 6AQ8 で低周波増幅、最後に 6AQ5 低周波出力となっています。

 元回路では 6BE6 を使っていますので、この際、自励発振式で行けないか?とネットで探した結果、ありました!!!  同じようなことを考えている人がいたようで、
「 https://www.valveradio.net/radio/product-ssb-detector-in-9r-59ds.html 」
 まさにほしかった資料で、プリント基板の変更まで写真付きで掲載されていました。

  回路図を掲載しておきます、細部の定数までの検討はしていませんが無事作動しました。BFO コイルもそのまま使用できましたが、極性には要注意です。

 6BE6 の自励発振式は周波数の引き込みがあるとかで、あまり使われていないようですが今回は良しとしましょう。
 
 右上写真は完成したプロダクト検波および低周波出力基板です。

 左から 2IF-N1 の検波段 IFT トランス、次いで 「AM 検波、AGC 検波」部、 6BE6 プロダクト検波部、BFO コイルです。
 いちばん右に低周波出力部ですが、これは半導体 IC のLM386G を用いた定番回路です。
何種類かの増幅度を選択できますので簡易で使用するには便利です。
 この結果、使用真空管は 6BE6 のみになり、6AQ8、6AQ5の2本が節約でき、消費電力も減りました。

 最後に、局部発振の 6BE6 とプロダクト検波 6BE6 とに供給する 115V B+ 電源の定電圧化を図りました。
 左に要所の回路図を示しますが、LM317 はフロート状態にありますので、入出力差が 30V を超えないように注意すればうまく働きますし、定電圧放電管を用いるよりははるかに廉価です。
 ただし高電圧の取り扱いなので安全には十分注意してください。

 S メーターは FET を使った簡易版を仮に取り付けてありますが、S メーターは奥が深くまだまだ検討が必要です。

 以上、何とか当初の目標を達成することが出来ました。今のところ低 HF 帯が活発なのでしばらくは楽しめそうです。
 肝心の IFT (2IF-N1) についてはSWLについては少しすっきりした感じがしますが、7M帯のアマチュア無線では無いよりまし?くらいでしょうか、でも1960年代を思い出しながらのワッチはまた格別なものがあります。

2025年3月11日火曜日

9R-59D の MOD その2(RF、MIX、OSC)

 本プロジェクトの構想が終わってほぼ一か月が経ちました。
 ことのついでに、、、と 9R-59D を完全にパーツレベルに至るまで、分解し、清掃しました。

 そうです、コイルパックも分解してロータリースイッチの接点も清掃しておきました(左写真)。
 こうして改めて観ると、メイン・バリコンとスプレッド・バリコンの配置、コイルパックの配線の冗長さが気になりますが、構想のところで少し述べたように、本機が通信型受信機と言いながら実際には一般のゼネラルカバレッジレベルのものであるとすれば納得がいきます。

でもそれにしてはダイアルの周波数表示目盛りが必要以上に期待をそそるデザインです、、、、

 今回は受信機の頭の部分、言い換えれば高周波・周波数変換・ローカル発振回路(RF、MIX、OSC)を 9R-59D をベースにして製作していきます。

 左がRF部の回路図で 9R-59D そのまんまです。

 ここはオリジナルでは 6BA6 という5極管が使われていますが、6CB6 や 6DK6 などそのまま差し替え可能な多くの球がありますので差し替えてその違いなどを楽しみたいと思っています。 

 次いで周波数変換部ですが、オリジナルの 6BE6 (7極管)から 6EA8 (5極管)に変更してみました。

 これは巷間、変換ノイズが7極管より5極管のほうが小さいといわれていますので一度試してみたかったことによります。

  6EA8 は5極・3極の複合管なので、3極管部は入力されるローカル発振信号のバッファーとして使い、ローカル発振には発振出力も大きく実績のある 6BE6 を3極管結合で使います。

 回路図を右に示します。

 ここで一苦労したのはシャシーの金属加工です、なにせシャシーの材質は鉄ですので、、、

 左写真の右に示しておいたように、オリジナルでは
 ① RF   6BA6 7ピンソケット
  MIX   6BE6 7ピンソケット
    OSC   6AQ8 9ピンソケット
ですが、前述のラインナップでは 
 ① RF   6BA6 7ピンソケット
  MIX   6EA8 9ピンソケット
    OSC   6BE6 7ピンソケット
にそれぞれ変更せねばなりません。
 はシャシー・パンチを使い 穴を大きくし、は小さな7ピンソケット用のアダプターをアルミ板で作り、無事写真の左側のように仕上げました。

 右写真は上写真の裏側を示しています。左側から①②③となっており、今まさに③のOSC回路のみを作動させて様子を見ているところです。

 このようにして次回は中間周波回路となる予定ですが、RF_GainとAGCについての関連性を示しておきます。 

 左図に示すように 9R-59D と同様にしました、細部はまた調整していけばいいでしょう。

 RF_Gain に使う10kΩ Cカーブの大型ボリュームはもう入手は絶望的ですが、幸いジャンクボックスにあったものを使用できました。
 AGCはAM、SSBそれぞれで有無を選択できるようにしました。

2025年2月17日月曜日

9R-59D の MOD その1(構想)

 久方ぶりに今回はラジオのおはなしです。
 9R-59Dというのは今から60年前に当時のトリオ社(今はKENWOOD?)から発売され、大人気であった通信型受信機です。(左写真)
 この、ホコリ、錆び、傷があちこちにあり、見るからにくたびれ果てた受信機が、出てきました。いずれ手を入れて生き返らせようと今まで保管されていたものです。
 簡単にリペアするか?元の姿にこだわってレストアするか?迷うところですが、ネットで海外のブログを読んでいたら「9R-59Dに貴重なお金や時間を費やすべきではない、、、」という主張に出会いました。

 確かに外見はそれらしく見えますが、本機はいわゆるプロ用機材(軍用も含め)ではなく、家庭用の5球スーパーに近い存在なのだと私自身再認識した次第です。、、、ならばということでこの際機材をもう一度見直して私自身の好みに換えてしまおうと思い立ちました、いわゆる MOD(またはMODS、modification の略)です。













  上図は 9R-59D のブロックダイアグラムです、今更ながらですが簡単に説明しておきます。図の左側から
V1. 高周波増幅で一般的なもの 6BA6は他のものに差し替え可能
V2. スーパーヘテロダイン受信機の混合、6BE6も一般的なもの
V3. 受信信号と混合させるための局部発振、6AQ8(双3極管)の半分のみ使用
V4,V5. 中間周波数増幅段、6BA6で2段増幅、455kHzの東光のメカニカル フィルタ
     を使用、また Sメータもここで駆動
D4. AM検波し  V7. 6AQ8(双3極管)の半分で増幅し V8. 6AQ5で
     スピーカを駆動する
V6. 6BE6は V7. 6AQ8(双3極管)の半分のBFOからの信号を得て、この機材
          の売りでもあるプロダクツ検波によってSSB、CW信号を復調 V7.へ、、、、
となります。

 ここで今回の MOD の目玉である部品のご紹介です。右写真にある3本の IFT(中間周波数トランス)松下電産製の 2IF-N1 がそれです。
 これは1961年に発売された、やはり松下電産製の通信型受信機 CRV-1 に搭載されていたものですから相当に古いものです。

 ちなみに CRV-1は 9R-59D より5年も前にデビューし基本的なデザインは 9R-59D とよく似ています(ブログで検索時は Matsushita CRV-1 にて)。
 
 この通信用高選択度2段増幅IFTは、
    中心周波数455kHzで、総合選択度 63dB(±10kHz)
                                                総合選択度 2.8 kHz (-3dB) と極めて優秀なもので、
今ではめったに入手できません。通常このような目的(高選択度)にはメカニカル フィルタ、クリスタルフィルタやセラミックフィルタをつかいます。

で、結論として目的とするところは、いわゆるアマチュア無線用ではなく、ジェネラルカバレッジとして MOD することにします。その際いくつかの変更をしたいと思っている点を以下に示します。

1. 問題が多いDバンドは無視する。
2. 混合(Mixer)にはノイズ低減を期待し、5極管の 6EA8 を採用、3極管部は局発のバッファーとし外部VFOも考慮。 
3. 局部発振には6BE6の3極管結合とする。
4. IFTは経年劣化も言われているセラミックフィルタから前述の 2IF-N1 に変更し、高選択度ながら素直な当時のフィーリングを目指したい。
5. SSB、CWは副次的なものとし、6BE6の自励発振による検波回路としたい。
6. 本機の弱みでもあった周波数変動を少しでも抑えるために、発振回路には半導体使用の定電圧電源を用意する。
7. 低周波増幅部はLM386Gを採用し半導体化する。
8. Sメータ回路を別途考える。
9. ディジタル化した周波数表示も考慮したい。

を考慮して新しいブロックダイアグラムを書き直しました。















 以上いろいろ述べてきましたが、9R-59Dを悪く言っているつもりはありません。かつての我々ラジオ少年にとってまさに光り輝く希望の星だったのですから。

 ではこの構想に沿って、プロジェクト開始です。ブログは進捗に応じアップしていきますが、うまくいくかはこれからのお楽しみ、、、ということで。

2024年3月12日火曜日

ウクライナからの部品で FLUKE 8842A リペア

 おかげ様で日々大好きな電子工作に明け暮れていますが、その際に使うディジタル・マルチメータ は必須です。
 これらはできれば信頼性の高いものが良いのです、幸い私のところにはこの分野での御三家ともいわれる、(左写真上から)FLUKE 8842A、KEITHLEY 2010、Agilent 34401A が控えていますが、これには訳があります。

 これらの測定器はある程度の精度正確さを求めるならば、自動車の車検のように、一定期間ごとに校正をする必要があります。しかしながら、われわれアマチュアにとって、リース落ちなどで手に入れたこれらの機材に正規の校正はあまりにも高額です。

 むしろこのように3台を所持し、お互いの測定値を比較していれば、そこそこの安心感を保つことが出来るのではないかと考えています。

 ところが、また別の悩みがあります。それはこれらの高級?機材が世に出された時代には、例外なく蛍光表示管が使われており、それらが今となって劣化してきたのです。(右写真)

 機材の精度などは保たれているのですが、表示がどんどん暗くなり、最後には見えなくなってしまうのです。このブログで以前紹介した「HP53181Aカウンター用7seg LEDモニタの製作」もその例・解決策です。

 原因は蛍光表示管に必要な電源回路(ほどほど高圧)の劣化は論外ですが、蛍光を発生させるためのカソード(電子を発生)の劣化が主因とされています。
 残念ながら対策はなく、蛍光表示管を交換するしか手はありませんが、これまた高価で(私が購入した本体より)かつ入手は容易ではありません。

 今回の表示管リペアの考え方を図示しました。(左上図)

の蛍光表示管の交換は断念、の別の表示(前述の HP53181A の例)は今回は不採用、そこでのLED表示パネルへの交換を実施しました。

 以前入手しておいたFLUKE 8842A 用のLED表示モジュールは偶然にも ebey で見つけました、思いのほか安価ですぐにオーダーした結果が右写真です。
 発送元は Kyiv UKRAINE(キーウ ウクライナ)となっていました、また発送日付は 2022.04.23 となっており、なんとロシアが侵攻した 2022.02.24 の2か月後でキーウ周辺での戦闘があったと思われる時期です。
 この小さなパッケージには「 LED DISPLAY MODULE FLUKE 8840A/42A (DIY KIT)」とありました。

 内容物は、静電気防止の黒い袋に入ったお目当てのモジュール(よく見えないので右上に写真添付)、本体に接続するためのコネクター・ピン、配線材料そしてマニュアルです。






 で、さっそく作業開始です。
 右写真は FLUKE 8842A の内部です、この美しいディスクリート部品が搭載された基板が私は好きですが、今では表面実装部品が多くなりそれこそ景色が良くありません、、、、





 左写真上は蛍光表示管が搭載された全面パネルの裏側で、黄色の線で囲まれた左10ピン、右11ピンの接続ピンの半田を除去した様子です。
 下左は蛍光表示管を用心深く取り外している様子、下右は取り外しに成功した蛍光表示管です。






 そして右写真は新しく取り付けるLED表示モジュールに接続ピンを取り付ける様子です。接続ピンを取り付け終わったモジュールはこれも注意深く本体パネルに半田付けします。
 寸法精度は純正品ほどではありませんでしたが、特に問題なく取り付け出来ました。

 これが完成写真です、流石に蛍光表示管の美しさにはかないませんが、実用的には十分満足できるものでしたし、昼間の明るい部屋でも視認できました。
 LED表示モジュールは蛍光表示管に比して、寿命の点でははるかに優位ですが、駆動電圧が低く(2V以下、蛍光表示管は20V程度)今回のようにそのままモジュールを置き換えるということはかなりの技術力が必要ですし、量産品でもない部品に仕上げる工夫も大変な苦労があったものと思います。

 翻ってウクライナがロシアの一部であった頃は最先端技術の地域であったようで、私の趣味の一つであるカメラについても、かつてドイツには世界に冠たるライカとコンタックスという2大カメラメーカがありましたが、第2次大戦が終結するや否や、ライカは米国が押さえ、コンタックスはロシアが人も含めて設備すべてをウクライナへ持ち去った話は有名です。
 そしてそこで生産されたカメラが右写真にある「キエフ」で、ロゴが CONTAX ではなく KIEV になっていました。

 そんなウクライナにはより親しみを感じています、一日も早く平和が来ますように、、、

2023年2月10日金曜日

TDS1002 テクトロ・オシロの修理完了

 今回はテクトロニクス(TEKTRONIX)のTDS1002 オシロスコープ修理のお話です。
 テクトロニクスのオシロスコープといえば誰しもが羨望のまなざしを注ぎ、泣く子も黙る?程の存在です。その中で、左写真のTDS1002はその底辺部のエントリーモデルで2005年?の発売となっていますが、我々アマチュアにとっては現在でも十分な性能を持っており、そのコンパクトさ(幅324x高さ151x奥行125)とも相まって人気は衰えていません。  

 
今回の個体の症状は、
1. パワーオン時の自己診断はパスして立ち上がる
2. チャンネル2は動くが、チャンネル1が動かない
というものです。

 1.は重要で、このことは電源部をはじめ本体の大部分が正常であろうことを示しています。

 右写真は立ち上がりの自己診断画面です。




 また左写真はチャンネル2へ1kHzVのテスト信号を入れたところ無事表示されましたが、チャンネル1では無反応でした。




 

 このことはチャンネル1の入力部分のインターフェースに問題があることを示していますが、とりあえず右写真のようにチャンネル1のVOLTS/DIV ノブに触れてみるとグラグラと動きます! どうもこのことが関係しているようです。

  では実際に故障原因を追究するために本体を分解していきます。

 
最初に本体裏側カバーを外します。左写真にある黄色の丸で示された4ヶ所のネジを外します。









 ただしこのネジは右写真で示すようにトルクス・ネジが使ってありますので、専用のドライバーが必要です。

 左写真の上は本体裏側カバーを外した状態を示しています。さらに四隅にある黄色の丸で示された4ヶ所のネジを外すと本体フロントカバーが外れます。このとき、あらかじめ7個のノブを手前に引っ張って外しておくことが必要です。

 写真は本体フロントカバーを外した状態を正面から見たものです。さらに、正面右側にある緑色のFront-panel moduleを赤色の丸で示された4ヶ所のネジを外すことで取り外します。

 右写真は、このFront-panel moduleを左右裏返しにしたもので、右下隅のロータリースイッチ(チャンネル1のVOLTS/DIV ノブ)のカバーが取れているのがわかります。

 ちなみに今回のような故障についてテクトロ社は躊躇なく「Front-panel moduleを交換しなさい!」と宣います。
 参考までに ebay で探したら同様なものはなんと$200以上しました、、、

 今回の故障について原因を推察します。

 左図ののように正常に動いていたものが、外部から VOLTS/DIV ノブに強い力がかかり(赤い矢印)、のようにカバー部が外れてしまったようです。

 当初はカバー部をもとの穴に差し込んで、接着剤で固定しようか、、、とも思ったのですが、Front-panel moduleを固定しているアルミパネルが十分に強度があり、カバー部との間隙がほぼ5mmで、ここに板ゴムを置いてFront-panel moduleを固定すれば十分に元の機能に戻ることがわかりました。

 右写真がその様子です。板ゴムはDIYで求めたもので、丁度板厚5mmがありました。
あとはこれまでと逆手順で、慎重に組み立てていきます。









 左写真はチャンネル1へ1kHzVのテスト信号を入れたところですが、今回は無事表示されめでたく修理完了となりました。

 右写真は
チャンネル1へ50MHzの正弦波を入れた結果です、もともとこのモデル(TDS1002)はスペックが60MHz・1G/sなので今の時代いささか物足りないかもしれませんが、われわれアマチュアが趣味で電子工作を楽しむのには何の問題もないと考えますし、このモノクロ画面がたまりません。

 ちなみにこのモデル発売時の価格は12万4千円だったようです。

2023年1月31日火曜日

またまたパソコンの蘇生

 たまたパソコン蘇生お話です。
 新しい年になってしばらくしてから左写真のパソコンがやってきました。「もう10年ちかくにもなるし、遅くてとても使えないから処分して、、、」とのこと。

 さっそく立ち上げてみましたが、確かに超スローモーで、次の画面が現れるまで,一昔前なら「ちょっと一服」するほど時間がかかります。
 この手の現象にはよく出くわしますが、能力の低いCPU と大容量のハードディスクの組み合わせに加えて、やたら多くのソフトを搭載したマシンによくあるようです。

 スペックを調べてみました。パソコン名は NEC LaVie S(LS150NEW)で、201310 発売でした。
 
CPU :Intel Celeron 1005M、HDD750GB、15.6型ワイド液晶、OSWindows8.1(Windows10にUpgrade)、Office Home and Business 2013搭載 そしてカラー:エクストラホワイト でありました。

 話を聞いてみると量販店で購入したようで、安価で見栄えもよく、ストレージ(HDD)も大きく、至れり尽くせりのソフト満載、、、、思ったとうりでした。

 ここでひと思案、、、よく知っているワン・ユーザが丁寧に使ったパソコンで、エクストラホワイトのボディは美しい、かつWindows10にUpgradeしてあり、Officeも搭載、、、を考慮して、普段使いできるように、できるだけ安価にという条件で手を入れることにしました。

 私が普段やっている方法のうちで今回も実施することは、
 1. HDD の SSD 化
 2. メモリの増設(もともと4GBを8GBへ)
 3. CPUの上位換装(本機搭載の Intel Celeron 1005M は右表で最下位に近い性能、本来は Core i7 にしたいところですが、バランスよく Core i5-3210M で我慢)
 4. 不必要なソフトは極力削除
です。

 この機種は、ハード部品のメインテナンス性が良く、左写真に示した本機裏側にある2枚のカバーをそれぞれ、左下2本(HDD)、右側5本(メモリ、CPU)のねじを外すことで容易に部品を交換できます。

 真っ先にやるべきことは現状HDDのクローンを作成することです。現状HDD(750㎇)はさいわいWesternDigital製でしたので、クローン・ソフトにフリーの Acronis True Image WD Edition を使うことが出来ました。(詳細はネット記事参照) 結果、750GBのHDDを180GBのSSDに交換することが出来ました。(もとのHDDの使用領域は180GB以下だったから)

 予め、バッテリーと電源コードは外しておきます。  右写真は上写真の右側カバーを外したところです。
 先ずはメモリの増設です。










 用意したメモリ(上写真4GB)は上右写真のメモリとある場所にインストールされています。

 左写真はBIOSでシステムを読みだしたものですが、メモリは8192MB(8.192GB)となっており、CPUが
Intel Celeron 1005M のままであることがわかります。
 右上写真中のCPUとある部分に見えているのは、放熱器なので、注意して赤丸で示したネジ4本と、その右にあるシロッコファンのネジ
1ヶ所(他の裏ブタとの兼用ネジはすでに外れている)を外すと左写真のようにCPUが現れます。CPUは写真上部の黒いネジをマイナス・ドライバーで左に回すとソケットが緩み、右に回すと締まります。(このあたりは非常に繊細な作業なので初心者は手を触れないように、、、)

 写真はすでにCPUを差し替えた後のもので(同じ形をしている)、チップの表面には熱伝導をよくするための白い熱伝導性グリースが塗ってあります。

 同様にBIOSをチェックしてみると、
CPUもIntel Core i5-3210M に換わっていることがわかります。

 右写真は、
前出写真に示した本機裏側の左下にあるHDDのカバーを外したものですが、これもHDDに代わりすでにSSDがセットしてあります。

 以上でハード的な作業は完了です。

 あとはインストールしてあるソフトの整理とアカウントの変更です。これらの作業は、ハード部品の交換などより多くの時間を必要としますので、慎重にゆっくりと作業することです。

 アカウントの変更と前の所有者のアカウント削除、パソコン名の変更などで個人情報など過去の痕跡はなくなりました。

 ディスプレイのサイズが標準より少し小さい欠点はありますが、セカンドPCとして十分に使えると思います、というかあちこち触って十分楽しんだ!!!というのが本音???