テクトロニクスのオシロスコープといえば誰しもが羨望のまなざしを注ぎ、泣く子も黙る?程の存在です。その中で、左写真のTDS1002はその底辺部のエントリーモデルで2005年?の発売となっていますが、我々アマチュアにとっては現在でも十分な性能を持っており、そのコンパクトさ(幅324x高さ151x奥行125)とも相まって人気は衰えていません。
1. パワーオン時の自己診断はパスして立ち上がる
2. チャンネル2は動くが、チャンネル1が動かない
というものです。
1.は重要で、このことは電源部をはじめ本体の大部分が正常であろうことを示しています。
右写真は立ち上がりの自己診断画面です。
また左写真はチャンネル2へ1kHz5Vのテスト信号を入れたところ無事表示されましたが、チャンネル1では無反応でした。
このことはチャンネル1の入力部分のインターフェースに問題があることを示していますが、とりあえず右写真のようにチャンネル1のVOLTS/DIV ノブに触れてみるとグラグラと動きます! どうもこのことが関係しているようです。
では実際に故障原因を追究するために本体を分解していきます。
左写真の上は本体裏側カバーを外した状態を示しています。さらに四隅にある黄色の丸で示された4ヶ所のネジを外すと本体フロントカバーが外れます。このとき、あらかじめ7個のノブを手前に引っ張って外しておくことが必要です。
左下写真は本体フロントカバーを外した状態を正面から見たものです。さらに、正面右側にある緑色のFront-panel
moduleを赤色の丸で示された4ヶ所のネジを外すことで取り外します。
ちなみに今回のような故障についてテクトロ社は躊躇なく「Front-panel moduleを交換しなさい!」と宣います。
参考までに ebay で探したら同様なものはなんと$200以上しました、、、
左図の①のように正常に動いていたものが、外部から VOLTS/DIV ノブに強い力がかかり(赤い矢印)、②のようにカバー部が外れてしまったようです。
当初はカバー部をもとの穴に差し込んで、接着剤で固定しようか、、、とも思ったのですが、Front-panel moduleを固定しているアルミパネルが十分に強度があり、カバー部との間隙がほぼ5mmで、ここに板ゴムを置いてFront-panel moduleを固定すれば十分に元の機能に戻ることがわかりました。③
左写真はチャンネル1へ1kHz5Vのテスト信号を入れたところですが、今回は無事表示されめでたく修理完了となりました。
右写真はチャンネル1へ50MHzの正弦波を入れた結果です、もともとこのモデル(TDS1002)はスペックが60MHz・1G/sなので今の時代いささか物足りないかもしれませんが、われわれアマチュアが趣味で電子工作を楽しむのには何の問題もないと考えますし、このモノクロ画面がたまりません。
ちなみにこのモデル発売時の価格は12万4千円だったようです。
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