2013年12月4日水曜日

カンボジアへお寺参り (その3 ミーソン遺跡)

 さて今日はミーソン遺跡に行く予定ですが、行くことができるかどうかは8:00ごろ現地の旅行社からの連絡待ちです。

 あせっても仕方が無いのでホテルでの朝の時間を楽しむことにしました。

 前回紹介した、レストラン内の屋台でコックさんがお客様の注文を聞いているところです。目の前にずらりと並んだ器の中から好みのものを選んで卵焼きを作ってもらいます。

 ここ南国の地はフルーツが多いのですが、なんといっても絶えず品種改良がなされている日本のものとは比較にならず、自然の味そのままです。サラダ野菜が多いのはこちらでは高級ホテルの証で、たいへんおいしいのですが、やはり、おなかとの相性が気になって控えめです。

 庭へ散歩に出ると、赤い花にひとつがいの蝶が赤い花の蜜を吸いながら戯れていました。ところで蝶のかぞえかたは、一頭二頭が厳密な答え?です。もちろん一匹二匹でもいいですし、一羽二羽でも、、、、?

 ふと見るとヤシの木に赤い小さな実がなっています。近づいてみるとやはりヤシの実です。帰国して調べてみましたが、名前はわかりませんでしたが、ハワイではハワイアン・クリスマスツリーと呼ばれているとか、、、、

 そうこうしているうちに、「ミーソン遺跡へ行けます」との情報が入り、一同大喜び、となりました。

 ここでインドシナ半島の遺跡について少々、、、、 左図はインドシナ半島の遺跡を表示したものですが、およそ30が数えられます。そして全体を見まわしてみると、カンボジアのアンコールが中心になっています。

 9世紀のはじめクメール王朝始まり、群雄割拠の後12世紀に入って、スーリヤヴァルマンの時代に勢力が拡大し、大いに栄え、寺院建築に熱心だった彼はアンコール・ワットなどのヒンドゥー教寺院を建築しました。

 一方戦火に明け暮れたこの地も12世紀末、ジャヤーヴァルマン7世の時代に最盛期を迎え、現在のタイ東北部、ラオス、及びベトナムのそれぞれの一部をも領有することとなりましたが、一方彼はそれまでの王が掲げていたヒンドゥー教ではなく、仏教を信仰し、アンコール・トムを始めとする一連の仏教寺院を建立しました。
 そして15世紀になってタイのアユタヤ王朝に滅ぼされるまでクメール王朝はつづいたのです、、、、 ということを理解すれば、図の遺跡分布の意味が良くわかります。

 左写真は、ミーソン遺跡への道筋で、まだ引ききらぬ水を見ながら思案顔の村人たちです。ちなみにミーソンとは美しい山を意味するとか、、、、

 およそ2時間弱でミーソン遺跡の入り口につきました。この橋の手前で入場手続きをして遺跡に向かうのです。左手に、ここが世界遺産である旨の表示が見られます。(右下写真)


 橋を渡った先から左写真のように8人乗りのカートに乗り換えてさらに進みます。あいにく天候は、今にも降りそうな、湿度タップリの熱帯そのものです。


  ミーソン遺跡はアンコール王朝の仇敵として永年戦い、12世紀に滅ぼされたチャンバ王国の聖地であり、ヒンドゥー教の様式によっています。


 カートを降りてさらに15分ほど歩いていくと、あ!木々の向こうに遺跡が見えてきました!

 写真では見てきましたが、実際に見てみると想像以上に崩壊していました。
 周りの熱帯ジャングルが広いこともあって、今にも木々の緑に飲み込まれそうです。
 右図はこの遺跡の案内図です。
 この約2km四方の山に囲まれた遺跡は、美術史家のパルマンティエによる分類記号A群からH群に分類され、約20の建物からなります
 このうち私たちが見学したのは中央下の赤い丸で示したC、D群です。










 

 私たちは現地ガイドの後を一列になって、、、、
 南に遠くかすんでいる山は、その独特の形からくちばし山(おそらくガルーダ神の)と呼ばれる聖山マハーパルヴァタです。

 これらの建物は、ほとんどがレンガを積み重ねて造られていました。壁面には女神像があります。

















 これらの遺跡はまだ修復途中にあり、それもカンボジアの国情からすれば、費用もママならず、下手をすればこのままジャングルの土になってもおかしくないと、、、、

 そんな中見つけたのが、支援者の名を記したプレートです、ダイムラーベンツの名がありました。







 精密にチャンバ文字が彫られた石碑から見た遺構です。何が書いてあるのかわかりませんが、この石碑はほぼ1000年の間何を見、何を聞いてきたのでしょうか、、、、



 なにかを持ち上げ、支えている男性像です。最初、イアリングをつけ、ポッチャリしているのでてっきり女性像かと、、、、



 ふと足元に目をやると、小さなトカゲが小首を傾けてこちらを見ています。小さいながらも遺跡にふさわしいクラシックな姿です。


 この円柱と台座の組み合わせはヒンドゥー教ではよく目にします。

 円柱は、ヒンドゥー教の神シヴァの象徴、台座はシヴァ神の妃の象徴で、繁栄や豊作を祈願したもののようです。

左写真は、白人の女の子が、遺跡で記念写真を撮っているところです。ここベトナムへはアメリカ人はあまり来ないので、ドイツ人か、ロシア人ではないでしょうか。


 そういえば、あのベトナム戦争の折、この遺跡にも爆弾が投下され、破壊が著しかったと聞きました。
 右写真のように、まだまだ遺跡の修復には時間がかかるようです。



 さてこの後、私たちはまた同じ道を通ってダナンに帰り、そこからカンボジアのシェムリアップ(アンコール遺跡の町)に飛ぶ予定です。
 左写真は、ダナン国際空港です。





 シェムリアップ行きは16:55発です。冬なのでもうあたりはそろそろ暗くなりかけています。 ところで私たちが乗る飛行機は???








 おお、いましたいました。久しぶりのレシプロ機です。
 また珍しい機種にめぐり合いました。これはフランスとイタリアの合弁会社が造ったATR-72という機種です。この型は6枚プロペラの改良型です。



 夕焼けのアンコールめざして、さあ出発です。

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