その間、いろいろな出来事がありましたが共に過ごしてきました、まさに家族のようなものです。
このミシンが、突然動かなくなったというのです。新型コロナ対策で、家人がマスクを作る機会が増えていますが、その最中におかしくなったというのです。
写真で見られるように、黒色のベルトが古いもので、半透明のものが新しいものです。
さっそく架け替えてみましたが、モータの動きがぎこちなく、うまく動いてくれません。この時点で、モータの故障、おそらくはブラシがおかしいのだろうと見当をつけ、分解してみました。
上写真はロータを刷毛を使って掃除しているところです。電極が少し摩滅していますが特に問題はないようです。
モータ・ブラシはカーボンでできていて、基本的には消耗品で、すり減ったら交換しなければなりません。
でも交換した記憶がありませんので、50年前のまま、、、ということでしょうか?
とにかくなくなったものは交換?いや補充せねば、、、、でも手元にカーボン・ブラシなどあるはずはありません。
と、ここでひらめきました、乾電池の正極が確かカーボンだったはずです。
右写真は古くなった単四マンガン乾電池を分解して、正極に使ってあるカーボン・ロッドを取り出したところです、太さもほぼ同じです。多少硬さに不安が残りますが、摩滅したらまた交換すればいいのです、大成功!!
電源コードのゴム製保護ブッシュも劣化していましたので、手持ちのものに交換しておきました。(左写真)
ということで無事モータが組みあがりました。
こうしてみると50年前のモータもなかなかのものです、当時の日本はひたすらに追いつけ追い越せの時代でしたので、モノつくりは少しでも良いものを、、、の一念であったのを思い出しました。
この素晴らしい品質が、使い捨て・利益優先の力に少しずつ押されていったのです。
ここで珍しいものを見つけました。
左写真のモータ・コントローラです。この部品は、ミシンを駆動しているモータのスピードを調節するもので、右膝でレバーを右に押すと、左写真中の銅製スライダが赤い矢印のように、次々と接点上を動いてモータと直列に入る抵抗を加減するようになっています。
そしてこの抵抗がニクロム線らしく、あまりにも正直な造りに感じ入ってしまいました。今なら電子化、、、でしょうか?
ということで、無事、ふる~いミシンが乾電池で蘇りました。
駆動ベルトも交換して、再び元気に動き出しました。(右写真)
ついでに機械部分も見てみましたが、特に問題もなく、私たちと同じかそれ以上の寿命を全うしそうです。
おかげで家人手作りの私用マスクがまた一つ増えました、なんとかこの時期を無事に乗り切りたいものです。
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