2020年12月21日月曜日

周波数カウンター HP-53181A ジャンク蘇生す!

 ヒューレットパッカード社製の周波数カウンターHP-53181A のジャンクを入手しました。

 手元にアンリツの MF1603A (~3GHz 11桁)はあるのですが、やはりヒューレットパッカード社のカウンターは垂涎の的でした。

 最近になってリース落ちなのでしょうかHP-53131A HP-53132A HP-53181A などが大量に出回るようになりました。でも結構高額で取引されており、指をくわえてみていましたが、ある日電源が入らないという HP-53181A のジャンクがありましたのでリスク覚悟で入手しました、もちろんきわめて安価にです。

 今回入手した、HP-53181A はこのシリーズの中で最もベーシックなもので、10/sの分解能と225MHzの帯域幅を持ち 10MHz の内部標準クロックも5×10-6 とプアーなものですが、われわれアマチュアが使うには十分すぎるくらいでしょう。

 ACコードを接続し、パワースイッチを押しても反応は全くありません。このことは承知のうえで、スイッチを含め、電源ラインがおかしいのだろう、、、、くらいに考えていましたので、さっそく分解にかかりました。

 分解には通常のドライバーではなく、右写真にみられるトルクス・ドライバーを使います。(たまたま手持ちがあってよかった)













 上の写真は、カバーを外し、電源ボードも外した状態です。

 中にはメインボード一枚だけで、あっけないくらいシンプルです。左下の標準クロックは、これも驚く様な簡易版です、10/sの分解能を発揮させるには、クロックに高精度オプションを搭載するか、高級な外部クロックを使えということなのでしょう。

 右写真がメインボードの標準クロックの上側に載っていた電源部です。
 DELTA DPS-43DP-2 とありましたが、どこにでもありそうな、スイッチングレギュレータで、出力は +5V +12V -12V +-9V です。

 AC100Vを供給しても出力はありません、、、これが原因でした。
 でも、故障は電源だけだろうか?不安がよぎります。
 そこで、手持ちの直流電源をメインボードに直接供給してチェックしてみました。
 おー、無事にセルフテストをパスして下の写真のように稼働を始めました、一安心です。

 ついでに各電圧の消費電流も測定してみました。

 V:1A以下 +12V:0.1A以下 -12V:0.2A以下 +-V:不使用 のようでした。(これは私の主観ですので、参考にしないでください)

 オリジナルの電源が大きなのは、多くのオプションを念頭に入れているからでしょうが、今回の HP-53181A はメインボード一枚のノーオプションですからこんなに消費電流が小さいのでしょう。

 この時点で今までの結果をまとめます。
電源ユニットが壊れている。 ebay で互換品を探しましたが、私の本体入手価格の2倍(論外)なので代替品を探す。
40mm角の冷却ファン動かず。 古いパソコンマザーボードからの取り外し品使用。
・これらの機種はパワースイッチがない!! 電源プラグを差し込むと電流が流れっぱなし、ただしスタンバイ電流。パワースイッチをリア・パネルに増設。
蛍光表示管の輝度が極めて低く、明るいところでは見にくい。 推測ですが、この個体は24時間電源を入れっぱなしで使われていたのか、またそのせいで電源も劣化したのか??
・内部は比較的きれいなようだが、よく見ると何らかの溶剤で洗ったような跡がある。前面左上のHewlett-Packard 53181A の文字が溶剤で拭き消えている

 右写真は手持ちのCOSEL製スイッチング電源(5V2A(peak 3A)、+12V0.3A(peak 0.6A)、-12V0.2A(peak 0.3A))を取り付けているところですが、オリジナルに比べて随分小さいです。
 また冷却ファンも検討中の様子ですし、パワースイッチも結線済みです。

 左写真はリア・パネルの左側にある、予備のコネクタ取付穴に電源スイッチ(トグル・スイッチ)を取り付けた様子ですが、たまたま穴の大きさがぴったりで、最初からあったような顔をしています。




 下側に3個あるBNCコネクタの中央が、外部標準クロックの入力端子です。
 このカウンタには RS232C の出力がありますので、出力をパソコンに送ってやれば蛍光表示管の読みにくさは解消できるはずです。

 ついでに外部標準クロックとして以前製作してこのブログにアップした「我が家の周波数標準の製作( LCDモニターつきGPS 同期 10MHz 発振器)」の装置(上写真)からの10MHz を使ってみました。
 http://yuuyuusyumi.blogspot.com/2013/09/lcdgps-10mhz.html

 左が、シグナル・ジェネレータの 10MHz 信号の測定値をパソコンのターミナル・ソフトである、 Teraterm へ出力したもので、上半分が GPS からの 10MHz標準、下半分が内部 10MHz標準によるものです。

 前出のリアパネル写真にある、中央のBNCコネクタに外部から信号を入れてやれば、あとは自動的に判別してくれるようです。

 また、メニューで表示桁数も設定でき、左写真では最大の12桁表示にしてあります。ただしゲート時間が少し多めにかかりますが、パソコン表示にはちょうどいいくらいです。
 蛍光表示管の輝度が極めて低いという問題については、ヒータ電圧や供給電圧を再調整することも考えられますが、どのみち寿命が来ていると思われますのでこのままにしておいて、必要に応じパソコン表示を使えば実用上問題ない(私には)ものと思われます。

 はからずも超低価格で手に入れた HP-53181A ですが、多くの機能を理解し、おおいに楽しみたいと思います。

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