今回はテクトロニクス・ファンクションジェネレータの救出のお話です。
この装置は正式名を Tektronix AFG310 ARBITRARY FUNCTION GENERATOR といいますが、日本式に言えば「テクトロニクス AFG310 任意関数発生器」 とでも言いましょうか、サイン、方形波,三角波など7種類の波形をはじめとして任意の波形を作り出すことが出来る優れものです。
この手の測定器は人気があり、私も常々 HP33120A を探していたのですが、諭吉さんの1枚や2枚ではとても手が届きません、もちろん中古でです。
そんな折、偶然にも表記写真にある前述の品を入手できました。ヒュ-レットパッカード社ではありませんが、勝るとも劣らない立派なメーカですし、何よりも値段が送料プラスアルファというのはありがたいです、もっともまともに動くかどうかは保証されていませんが、、、、
最初から分かっていたのは、冒頭写真の左上にある丸印の電源スイッチ動かず、下にある2つの楕円が示す、アクセサリの後部の脚破損、そして筐体の変形(写真右上、左)です。
ただありがたいのは、フロントパネルに目立った傷はなく、特に液晶パネルが壊れていないのは特記すべき点です。
こうした品は、新型への設備更新に伴って廃棄されるものが多いのですが、その際に被ったダメージの少ないものがいわゆる部品取り用のジャンク品として出現するのではないかと思われます。
右写真は本機の内部写真です。左上の電源トランス、メイン基板などにこれといった損傷は見受けられません。
左写真は、電源基板に装着されている電源スイッチで、写真にみられるように見事に破損しています。
同様のスイッチは購入すれば本体の入手価格を上回ること請け合いですし、 また、この手の樹脂材料は接着もままならず、いったんは修理をあきらめかけましたが、、、、、
右写真上左にある押し釦スイッチで解決策を見出しました。
これは秋月で売られている、パネル用押し釦スイッチ(オルタネート)でわずか¥70です。容量は125V3Aで片切りですが自己責任で良しとします。
これを写真にみられるように装着して下写真のように完成です。
あとは筐体のへこみ、歪みをハンマーでたたいて修正し、ざっと清掃して再度組み上げ、電源コードを接続して、いよいよスイッチオンです。
ピピッと音がして、一瞬右写真の表示が出て、下写真の初期表示が出て、、、、無事始動しました、ラッキー!!!
最初の表示はあっという間なので写真では読みにくいですが、
>>> AFG310 <<<
VERSION: 2.1 とありますが、これはマニュアルによればセルフテスト診断中で、次のデフォルト表示が出れば合格の証しだとありました。
右写真は、テクトロのペアにこだわって、チェックを兼ねて使い方を勉強中の様子です。
サイン波・方形波は10mHz~16MHz、周波数分解能が10mHzまたは7桁で周波数上限が少し物足りませんが、SSGではありませんのでヨシとします。
また周波数精度が、±50ppmと甘く、高精度10MHzレファレンスの入力端子もないのが残念なところでしょうか。
とはいうものの取り敢えずの機能チェックで不都合は観られず、近頃にない良品に巡り合えました、大きさも手ごろで座右において長く使っていきたいと思います。
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