かれこれ20年も前のモノなので当然新品であるわけでもなく、やってきたときの姿は、筐体はあちこち凹みや擦り傷があり、ロータリーエンコーダのツマミはなく、ロータリーエンコーダ自体も少し歪んでまともに動くかどうか怪しい感じでした。
当然ジャンク扱いで保証なしですがその分極めて廉価で入手できました。
右写真は入手した装置を分解修理するために押し釦スイッチの押し釦をテープで仮止めしているところです。
この手のパネルは取り外したとたんに押しボタンがバラバラに外れ、元の位置にセットするのに大変な苦労を強いられることになるからです。
パネル面も薄汚れたままです。
いろいろ手を入れるには回路図が必須なのですが、この製品については取説のみで、回路図はネット上にはありませんでした。でも、取説でもあると無いとでは大違いです。
この「KENWOOD PWR18-1.8Q」多出力定電圧電源は±18V 1.8A(トラッキング可)、8V 2Aそして-6V 1Vの4出力の定電流/定電圧電源で、開発・実験用途を意識して作られたようで、まさに私にとって最適なものです。
基本的には、トランスを用いたシリーズ電源で、いささか古い感じはしますが、今時のスイッチング方式の電源と比較して、ノイズが少なく、壊れにくい特徴があり、多少嵩と重量が大きいといった難点はとるに足りません。
内部の配線やプリント基板はほとんど新品同様でホコリなどもほとんど無ありません、ファン・レスなのも幸いしていたようです。
右写真上は、フロントパネルの下にあるこの装置の制御基板です。
問題は修理云々ではなく、再組み立ての折、黄色で囲ったLEDが右写真下の前面パネルの穴にすべてキチンと入らねばならず、これが最大の難関でした。
先ずは、ロータリーエンコーダの修理です。
左写真中、黄色の丸で示したのがそれで、下写真のように取り外し、分解・清掃の結果異常なさそうなので、歪みを修正し、再組付けをしました。
本機には電源を落としたのちも、設定条件を記憶することが出来る機能が有ります。しかしながらこのためのメモリーに必要な電源である、スーパーキャパシタ(右写真中の黄色丸印)の劣化が早くに起きるとの情報が多くあり、最新のものに交換しました。
上写真中央がスーパーキャパシタ(正確には電気二重層コンデンサ)の新旧比較です、小さいほうが0.1F 5.5V 交換した大きなほうが1F 5.5Vで、プリント基板にやっと収まっていますが無事再組み立てできました。これで従来の10倍は長持ち、、、?
ということで、修理完了です!
右写真はしっかりとフロントパネルもきれいに清掃した本機です。ロータリーエンコーダのツマミがあり合わせなので少しおかしいですが、機能、操作性共に生き返りました。
今後の実験に、大いに役立ってくれることでしょう。
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