かねてから一度訪れたいと思っていた国立科学博物館へ行ってきました。 国立科学博物館はあちこちに散在していますが、目指したのは東京の上野恩賜公園にある上野本館です。
JR上野駅の公園口を出てまっすぐに進みます、上野駅も久しぶりです。
公園入口に案内図があったので早速撮っておきます。
中ほど左下の公園口からまっすぐに進み、最初の交差点を右折したところにあり、近くてわかりやすいところです。
幸い天候に恵まれ、春の日本晴れで雲一つありません。
この右側に国立西洋美術館があります、折角ですので前庭の彫刻に久方ぶりのご挨拶です。
ここにはオーギュスト・ロダンの彫刻が多く、左側の群像が「カレーの市民」右奥にみられるのはダンテの新曲をモデルにしたとされる「地獄の門」とその両側に「アダム」(左)、「イブ」(右)があり、右手前には「考える人」がいます。
遠く中央の入口近くにはブルーデルの「弓を弾くヘラクレス」も見られます。
また、この国立西洋美術館の建物は、かのコルビュジェが設計したものでは日本由一のものとか、、、、
交差点を右折し、しばらく行くと右側に蒸気機関車「D51 231」がありました、これも博物館の展示物なのでしょう。
「D51 231」は動輪を4個有する、旅客、貨物両用蒸気機関車でその231番目に造られました。
電化で引退した最終の蒸気機関車群に属し、その昭和50年末までに約216万km(地球を54周)を走破した強者です。
すぐ先に国立科学博物館の入口が見えています。
右写真が目指す国立科学博物館なのですが、前々から興味があったのは展示物もさることながら、この建物にも興味があったからなのです。
右下に上空からの写真を添付しておきましたが、左右に翼を広げた古い飛行機のような形をしています。
この建物が国立科学博物館(日本館)で、前身は「東京科学博物館本館」(重要文化財)で関東大震災の復興に合わせ、1931年(昭和6年)に完成しており、そろそろ100歳の声を聴きます。
偶々、「海生無脊椎動物の世界」というテーマでの展示中でした。
最初に観たものは「フーコーの振り子」です、ただ細いワイヤーでつるされた錘が揺れているだけのものですが、この現象が、地球の自転と、緯度の関係を表しており、このことを野にあった科学者フーコーが発見したのは大変な出来事だったと思います。
この建物の見どころの一つ階段です、幾種類かの石材の用い方、ランタンやアイアンのデザインも素晴らしい。
そして壁にはめ込まれたステンドグラスも、、、、
圧巻は中央吹き抜けの天井です。
ドームの頂点には美しいステンドグラスがあり、四方にもステンドグラスがあしらわれています。
これらは昭和初期に活躍した日本の建築家やステンドグラス作家の手によるものらしく、荒れ果ててしまっていたものを後になって後継者の人たちが修復したもののようです。
いかに国立科学博物館とはいっても(現在は国立という名前でも法人、対外上のやり取りにNational の文字が必要だったので残したとか)規模の大きさは欧米のそれに比べるべくもありませんが、それでも細部まで見て回る体力は私にはありません。
以下たまたま興味をそそられた部分についてのみ挙げていきます。(1か月毎日通えば何とかなるかも、、)
上写真は突然目に飛び込んできた「ヒグマ」です、実に大きい!
日本にもまだこんなに大きな生き物がいたんだ! 過日話題になった「OSO 18」のことが思い出されます。
次の写真は日本に落下した隕石・隕鉄です。中央に見える大きな隕石は、「気仙隕石」と言い135kg(研究用試料を採取する前)あったそうですが、重さだけで比較するとその右にある「田山隕鉄」で175kgあります(日本一)。ちなみに世界一の隕石は、アフリカのナミビアで発見された「ホバ」隕石で63tもあるそうです。
左の「フタバスズキリュウ」は1968年(昭和43年)に福島県いわき市で当時高校生の 鈴木 直さんが発見したことは古い記憶に残っていました。いわゆる恐竜ではありませんが、流石に迫力があります。
骨格模型の下にある発掘当時の骨のレプリカも素晴らしい。
次々と現れる珍しく面白い展示物に誘われてこれまでの建物(日本館)から知らぬ間に別の建物(地球館)に入り込んでいました。
しかしながら体力的に、、、で、見学もつまみ食い状態です。
そんな中ふと目に留まったのは、「忠犬ハチ公」と「ジロ」です。忠犬ハチ公がこんなところではく製になっているとは夢にも思いませんでしたし、会えるなんて、、、館内案内のボランティアさん曰く、今時の若い人はハチ公のお話を知らない人が多いですよ、むしろ外人さんのほうが、、、、
南極で極寒を生き抜いた樺太犬「ジロ」には「タロ」という相棒がいたはずで、その消息を聴いたら、北海道大学にあります、、、とのこと。
恐竜と言えば「ティラノ・サウルス」と言われるくらいですが、左写真は「アロ・サウルス」です。
一見よく似ていますが、この「アロ・サウルス」は「ティラノ・サウルス」より数千万年も前の時代に生息していたので、お互い相手を見ることはなかったと思われます。
もしお互いが戦えば?の架空議論があるようですが、「ティラノ・サウルス」が重く強いようです。
こんなものもありました、真空管を使った電子計算機です。
これは富士写真フィルム(株)の岡崎文次さんがレンズ設計計算の省力化のために1956年(昭和31年)に7年かけて完成したという「FUJIC」です。
興味があって後刻 Wikipedia で調べました。岡崎さんはこの道の専門家ではなく、アマチュア的なところがあり、ほとんど一人で、それも本業の業務とは別の時間を使って製作し、部品調達のためも秋葉原へ出かけた、、、、
それでいてコンセプトは最先端を行っており、得た特許はIBMにもライセンスした、、、、などなどすばらしい!!!
ついに力尽き、エネルギー補給のために地球館中二階の「レストラン・ムーセイオン」に入りました。ちなみにムーセイオンとは古代ギリシャ語で学堂を意味し、これがミュージアムの語源となったとのこと。
午後3時近くだったのですが、平日のせいで比較的空いていました。
注文したのはケーキセット、ケーキはフォンダンショコラです、美味しくいただきました!!
ほんの2時間にも満たない時間でしたが、久しぶりに多くのものに出逢い、語り合い、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
機会あれば何度でも来館したい気持ちです。
出口では名物の体長30m、重さ150tのシロナガスクジラのレィディ(原寸大)が見送ってくれました。