2017年2月12日日曜日

流氷・丹頂・カシオペア (1)

 先週北海道に出かけてきました。
 この厳寒の中、出不精の私たちが重い腰を上げたのは「流氷・丹頂・カシオペア」の文字に惹かれたからなのです。

 旅行社に申し込んだ時点ではまだ流氷は未着でしたが、出発の1週間ほど前に「流氷来る!」の報に接しやれやれといったところでした。

セントレアから鈴鹿山系を望む(パノラマ写真)
 往路は飛行機で女満別まで飛び、お目当てのカシオペアは札幌から上野までの帰路です。

 天候はおり良く寒波通過のあとで現地での晴天が期待できそうでした。上写真は飛行場から雪を戴いた鈴鹿山系を遠望したパノラマ写真です。(拡大してみてください)

 飛行機は定時に出発しましたが、直前に空港でボヤ騒ぎがありました。けたたましく警報音が鳴り響いたのですが、誰一人あわて騒ぐ様子は無く、これでいいのか悪いのか?少し不安を覚えました。

 いつものように空路は一旦新潟を目指しますが、その途中、翼越し東方に富士山が遠望できました、いつ見ても美しいです。

 約1時間50分ほどで女満別飛行場へ到着です。流石に冬の北海道の飛行場だけあって私たちには珍しい景色でしたし、ターミナルへ移動する途中から深々とした寒さが感じられました。 

 降り積もった雪に澄み切った青い空はきれいに見えます、左は女満別空港のターミナル正面です。
 流氷見物の船は近くの網走港から出るせいかこの季節にもかかわらず飛行機は満席でした。

 バスに乗車して一路ウトロに向けて出発です。
 見慣れない景色ですが、バスは50~60kmのスピードで何事も無いように安定して走行していきます。
 
 車窓の左(北)側のオホーツク海に遠く流氷が見えました。

 流氷はこの地域の海岸にはまだ接岸していませんので白い流氷の手前に青い海面が見えています。

 時計を見るとまだ午後4時10分ですが、北海道は日没時間が少し早いのでもう夕暮れ時の景色です。


 海岸側を平行に走っている釧網本線(せんもうせん 釧路-網走 間)にある北浜駅です。

 ここはオホーツク海まで20mと極めて近く、地の果てのイメージを出しやすいことからたびたび映画の撮影に使われているところです。



 なかでも1965年に封切りとなった高倉健主演の映画「網走番外地」で「網走駅」として囚人を駅から護送するシーンのロケ地として用いられたことで知られており、いわば「健さんの聖地」のひとつなのです。

 濤沸湖(とうふつこ)にやってきました。
 行く手左側にオホーツク海、その砂浜(砂州)は小清水原生花園そして釧網本線と我々が走っている国道244号線さらに右側に濤沸湖(海とつながる汽水湖)となっています。

 この湖はラムサール条約に登録されており、野鳥が毎年数万羽飛来するそうですが、我々が到着したときにはオオハクチョウがひと群れ見られただけですし、近くへは鳥インフルエンザ予防のため行けず寂しい湖畔があるのみでした。ときは4時半日没の景色は空気も澄んでおり美しいです。

 並走する釧網本線は本線とはいいながら単線で、しかも2~3時間に一本運行の過疎線です。

 そんな中、前方から一両の電車がやってきましたが、バスガイドさんの「走っているのを見たことが無い」という説明を待つまでも無く極めて稀なことだと思いました。 

 暮れなずむ荒野を、乗客も疎らな車両がすれ違って網走方面に去っていく様はなぜか宮崎駿の「となりのトトロ」に出てくる猫バスを連想してしまいました。

 日も沈んだ6時ごろ知床半島のウトロにあるホテルに到着しました。

 ロビーを見回していたら変わったものを見つけました、そうです「クリオネ」です、それも多量に私たちをお出迎えです。

 クリオネは寒流域に生息し、流氷の天使」あるいは「氷の妖精」と呼ばれますが映像では観たことがありましたが実物は初めてです。体長約1~2cmのこの妖精の正体は「ハダカカメガイ」という巻貝の仲間だそうです。


 今夜はゆっくり温泉に浸かって明日は流氷見物です。

   ―― つづく 

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