2017年4月7日金曜日

arduino ベースのAVR 高圧リセッターの製作

 AVRに高圧(といっても12V)でパラレルに書き込める書き込み器として古くからあるSTK500(厳密には書き込み器ではなく開発ボード)がありますが、このSTK500の書き込み器部分だけを取り出したSTK500クローンがあります。
 私の過去のブログ「いまさらSTK500 compatible HVライター
」を参照ください。

 ところが最近になって、使用頻度も少ないせいか、調子が悪く、さらに+15VとRS232を使うとなると勝手がいまひとつです。そこで改造すべく検討をしていましたが、ネットで面白いものを見つけました。
 Mighty Ohmさんの「 HV RESCUE SHIELD 2 」というものです。オリジナルは8年ほど前になるようですが、いまだにフォーラムで議論されている人気のアイテムのようです。

 この HV RESCUE SHIELD 2 というのはフューズ・トラブルで動かなくなったAVRのフューズを出荷状態に戻すためのものです。

 ハードは arduino ベースなので非常に簡単ですし、スケッチも公開されていましたので、気ままに作ってしまいました。FT232RL USBシリアル変換モジュールをつかい電源もここからとることにしました、回路図を示します(クリックで拡大します)。

 フォーラムの議題は「 Another alternative Software (extended) 」というもので HVRescue_Shield_More_100.ino.zip というスケッチが添付されていましたので、arduino IDE をつかってhex ファイルを生成し、ATmega328 に書き込みました、フューズは E2 D9 FFで内部8MHz発振で使っています。

 また回路図には電源部とUSBシリアル変換モジュール関連が省略してありますが、2、3ピンのシリアルピンがデータ・ピンと共用してあるのは面白いと思いました。

メイン基板を左に示します、40mmX55mmのスルー・ホール基板上に組み上げました。5V-12V昇圧にはMC34063(SOP-8サイズ)を前回のブログ「百均の5V-12V昇圧IC」の回路と同様に組み上げました。

 パラレル書き込み器の難点のひとつに供用AVRとの接続線が多いことがあげられます。
 接続は右図のようになりますが、本体の出力コネクタに AVR Dragon
 と接続を同様にした20ピンを使用し、さらにそれに接続する3種類(28ピン、20ピン、8ピン)のAVRソケット・アダプタを用意しました。


 冒頭の写真に見られるように、本体を「無印良品」で見つけた小型石鹸ケースに格納しました。このケースが製作意欲をかきたてたのですからできばえには満足です。

 左写真はAVRソケット・アダプタ、 HV RESCUE SHIELD 2 本体、USBシリアル変換モジュールを連結してのテストの様子です。

 右写真はその際の arduino シリアル・モニターです。
 リセットボタンを押すと
   *** AVR HV Rescue More v1.0 とタイトルがでて「デバイスを挿してRUNボタンを押せ、、、」と言ってきます。
 この段階では試供AVRには電圧がかかっていませんので安心してAVRの抜き差しができます。

 RUNボタンを押すと赤色LEDが点灯し、試供AVRの情報と多くのメニューが示されますがフューズ設定が 1. 出荷時 2. 内部8MHz 3. 任意 とあるのは使いやすいと思いました。

 リセット・ボタンを押せばどの段階でも赤色LEDが消え(試供AVRへの電圧が遮断)ます。

 
 今回のものはタイトルにしたように「AVR 高圧リセッター」ですのでとにかくフューズを出荷値にすることが最優先で、あとはICPS書き込み器などでゆっくりと料理すればいいと思います。

 また詳細なスケッチがありますので我々レベルでもいろいろとカスタマイズが可能で、別の楽しみもあります。

回路図の修正

イ401号さんのご指摘により、回路図の誤りが判明しましたので、回路図中「赤字で47k」とある抵抗を正しい場所に修正しました。 ありがとうございました。

3 件のコメント:

イ401号 さんのコメント...

悠悠櫻様、こんばんは。
どうしても1つ判らないことがあるので教えてもらえないでしょうか。
回路図の2SA1015のEC間に入っている47KΩの抵抗は何の目的で入っているのでしょうか。

悠悠櫻 さんのコメント...

イ401号 様、こんにちは

拙ブログをご覧いただきありがとうございました。

私も不審に思い現物を確認したところ、(写真の「12V制御回路」の中の右下のTRの下部に見える抵抗)2SA1015のB-E間にパラレルに正しく入っておりました。

ペイントで作図中にカン違いで誤記をしてしまったようです。

ということで修正回路図を掲載しておきました、重ねてお詫びとお礼を申し上げます。

イ401号 さんのコメント...

悠悠櫻様、こんばんは。
私の疑問がお役に立った様でよかったです。
御回答及び図面修正、ありがとうございました。