2014年11月4日火曜日

NiH電池(HHR-P104)用 充・放電器の製作


 この記事には改訂版があります。2015年3月NiH電池(HHR-P104)用 充・放電器の製作(改訂版)
 いまさらNiH(ニッケル水素)電池でもないですが、先日秋葉原の秋○から左写真のようなパッケージ電池( Panasonic 3.6V830mAh )を入手しました。
 自宅のPanasonic製電話の子機を調べてみたら同じ形状でもう少し小さいもの(3.6V650mAh)が装着されていたので、これもおそらく電話の子機用なのでしょう。

 一流メーカー?品で素性もしっかりしていそうなので実験などに使ってみようと思いました。
 ということは充放電器が必要で、それも3.6V用は手持ちにありませんので、必然製作となるのは当然の成り行きです。

 蛇足ながら、この手の2次電池(充電して何度も使う電池)の分野では日本は世界を牽引しています。これらのNiH電池はもとより最近のリチウム電池も然りで、これらの技術がなかったら世界に誇りうるハイブリッド車は存在しなかったことでしょう。

 さっそく充放電器の設計に入ります。
 順序として、まずは充電ですが、右上に示すように電池の端子電圧は使用につれてなだらかに低下し、さらに使い続けると、あるところから急激に低下します。
 また使用途中で充電するとNiH電池といえども性能を低下させるメモリー効果が出てしまいます。

 そこで今回の充放電器は最初にどのような端子電圧であろうと右上に示した2.7Vまで一様かつ強制的に放電させてから充電に移るシークェンスとしました。

 充電は一般的には1/10C(この電池の場合83mA)ですることが多く、左図のように端子電圧が4.2Vになった時点で終了とします。

 このような制御とくれば当然マイクロチップの登場で、例のごとくわたしはAVR(今回は ATmega 8 )をつかいました。

 右に主要部の回路を示します。
 今回は充電、放電、それぞれのスイッチにFETを使ってみました。
 上半分が充電部、下半分が放電部です。
 
 最初に Battery voltage とある端子から電池の有無、電圧をAVRのアナログポートを使って読み込みます。
 電池電圧があれば(電池が装着されていれば)スタートボタンを押します。
 すると Discharge 端子にAVRから5Vの電圧が送られ、下側の n-FET がONになり、電池電流は50Ωの抵抗を経由してグランドに放電されます。
 50Ωのとき放電電流は初期:80mA、放電停止時:54mAとなります。

 Battery voltage 端子が2.7VになるとAVRはDischarge 端子を0Vとし、次いで Charge 端子を0Vから5Vにします。
 これによって上側の p-FET がトランジスタ経由でONとなり、充電電流はAZ1117H-adj による定電流回路ををとおり充電が始まります。なおここで使用している20オームは定電流値を約63mAとします。

 あとは Battery voltage 端子が4.2Vになったとき電源をOFFにして完了となります。

 今回の製作のこだわりは最近多くなってきた小型素子を使ってみることで、FET、トランジスタにチップサイズを使ってみました。チップFETは1A程度は問題なく、ON抵抗も小さいので発熱も問題ないと判断しました。

 左は部品を基板にハンダ付けしているところですが、ピンセットの先にあるチップFETがわかるでしょうか。
 半導体は産業の米といわれたものですがまさに米粒並です。(基板の穴と穴の間は2.54mm)

 今回はケースについても薄型にこだわってみました。無印で見つけた半透明の樹脂製です。


 まだケースの表面パネルと裏蓋がつけてありませんが、とりあえず試験中の写真を挙げておきます。
 バックライトつきの液晶がいい感じです。電池は2個搭載でき、液晶は1:、2:の2個充電中で、電池の端子電圧はともに3.74Vであることを示しています。緑色のLEDも充電中であることを示していますが、完了時には点滅に変わります。
 右側の緑ボタンはスタート、左側の赤ボタンはリセットです。

ここまでのまとめとしては、
 動作、取り扱いなどは問題なく快適です。
 ただし、2個同時に処理すると150mA以上の電流が流れるので発熱が少し多いようで今後熱対策に手を入れる必要があるようです。

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