2015年4月8日水曜日

TTL-IC 1個の超簡易パルス発生器

 例によって電子工作を楽しんでいる最中に、パルスを簡単に発生できるツールがほしくなりました。
 要はRS-232Cの信号を電気的に絶縁するために、安価なフォトカプラーの特性をみてみたかったのです。

 手持ちのストックを調べてみたら今ではディスコンになっている、専用ICの CL8038、MAX038 そして 2206CP がありましたがいまひとつ製作意欲がわきません。
 このあたりのICについてはTTTさんのブログSimple Function Generatorが勉強になります。
 単にパルスが欲しいだけなので 555 や ディスクリート、はたまたAVRでも可能ですが、ふと何十年も前のTTL全盛時代に見かけた回路を思い出しました。

 SN74123(モノ・ステーブルマルチの回路2個入り)をつかってデューティ比もかえられたはずです。ネットを調べてもなかなかヒットしないので、回らない頭に鞭打って何とか回路を仕上げました。







 目的の SN74123 は手持ちの数百個はあろうかというストック(取り外し品も含め)からひとつひとつ名前を確認しながらようやく1個だけ見つけました。(写真)でもバッテリー駆動させるつもりだったので、省電力版?の 74LS123 をつかいました。
 回路の説明としては(間違っていたらごめんなさい)お互いのモノ・ステーブルマルチの出力(/Q) の立上がりをもう一方のモノ・ステーブルマルチの B へ入力してやるだけのものです。またあらかじめ /CLR を H に /A を L にしておくことが必要です。

 パルス幅は

t(ns) = 0.37 x R(kΩ) x C(pF)

 の式で得られるとされていますので、コンデンサーをロータリースイッチで 100uF から順次1/10にして 100pF の7ステップと最後は何もつながずにストレー容量だけにしてあります。抵抗は20kΩヴォリューム+1kΩとで必要な数値を選択できるようにしています。ヴォリュームを最小値にしたときの R(1kΩ) はキャリブレーションのときに便利です。  

 組み上げた内部写真を示しますが、TTL1石だけとロータリースイッチ、ヴォリュームなどきわめて簡単です。電池はようやく使えるようになった(NiH電池(HHR-P104)用 充・放電器の製作(改訂版))の産物です。

 あと回路図にはありませんが、それぞれのモノ・ステーブルマルチの出力に1kΩを介してLEDがつないでありますが、モニターとして便利です。

 左写真は完成後の測定の様子ですが、スナップスイッチは右は電源用で、左側が出力をどちらのモノ・ステーブルマルチから取るかの選択ですが、出力の切り替えで、右写真の上下の入れ替わりとなりますが、、、、当然です。
 左写真は、ヴォリュームを右に回しきったところ(ヴォリュームは0ΩとなりRは直列につないである1kΩのみで、この点をキャリブレーションとしている)に固定し、コンデンサーを順次切り替えたときに出力される波形を観測したものです。
 上段中央から右に、100uF:16Hz、 10uF:160Hz、1uF:1.5kHz、0.1uF12kHz、0.01uF120kHz、1000pF860kHz、100pF3.7MHz、ストレー容量:5.9MHzそして左上の1.5Hzは100uF+ヴォリューム左いっぱい(R:21kΩ)、すなわちこの装置の最低周波数です。
 これらの結果から10kHzくらいまでは比較的きれいな方形波となっているのがわかります。この装置のいいところはデューティ比を自由に変えられる点です、また最近のオシロスコープは容易に周期などを測定できますので、パルス発生器はそれ自体出力出しっぱなしても許されましょう。

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