左写真は、かつてスペインに旅行したときに観たトレド近くのオリーブ畑です。
乾燥した、少し埃っぽい広大な土地に見渡す限り植えられたオリーブの木にしばし見とれた記憶があります。
このことに刺激を受けたわけではありませんが、我家のエントランスにオリーブの木がやってきて、かれこれ20年経過してその高さも約1.5mになろうかというこの春になぜか一粒だけつけた実がこの秋ようやく色づいてきました。
本来オリーブはDNAが同一の花粉には反応せず(自家受粉できない)実をつけないことが多いので、2本以上隣接して植えた方がよいとされていますが我家のオリーブはなぜか奇跡的に実をつけたのです、それも一粒だけ、、、、
たしかにオリーブは植栽としては人気があり、町内でも散歩の際にはしばしば目に付きますので、開花時に蜂さんが遠路はるばる労をとってくれたのかもしれません。
もともとオリーブは地中海地方が原産とされ、葉が小さくて硬く、比較的乾燥に強いことからスペインやイタリアなどの地中海地域で広く栽培されており、主な生産国はスペイン (40.1%)、イタリア (19.5%)、ギリシャ (12.9%) だそうで、この3国で70%以上を占めています。
また歴史的には紀元前700年頃から古代ギリシアはオリーブの栽培によって国力を蓄え、今日の産油国のように繁栄を迎え、地中海各地に植民市を建設するとともに、オリーブの木も移植され広まっていったとされています。
オリーブ・オイルは常温で生の果肉を絞って放置しておくだけで容易に分離することができます。
左写真はポンペイ遺跡から発見されたオリーブ絞り用の石臼で、私たちがよく見る、溝を切った二枚の石の円板が水平に重なり合って回転し磨り合う形態ではなく、石の皿の上で垂直に立てられた石の円板が、車輪のように転がりながら円運動をするようになっていることがわかりますが、現在でも伝統と品質を重んじる採油所では、このような石臼が用いられているそうです。
得られたオリーブ・オイルは、そのままでも酸化されにくいオレイン酸を比較的多く含むので他の食用油に比べて酸化されにくく固まりにくい性質を持ちますが、紫外線により劣化するため、冷暗所で保存したり黒い瓶やアルミホイルで覆った瓶により遮光するのがよいとされています。
右写真は親しい友人からいただいた高級オリーブ・オイルですが、ちなみに果汁から直接得られた油をヴァージン・オイルと呼び、その中でも果汁としての香りが良好で油としての品質がとても高いものを特にエクストラ・ヴァージン・オイルと呼びますが、これはまさにその逸品です、、、、感謝、感謝。
我家ではこの一粒のオリーブの実について思案中です、絞ってオリーブ油を取り出すか、はたまた漬け込んでピクルスにしようか、、、、「どうしたもんじゃろうのう、、、、」
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