2017年9月20日水曜日

藍は赤かった

 左写真を観て直ちにこの花の名前を言い当てた人はさすが、、、、です。

 実は私もこの可憐な花に出会うまでは知りませんでしたが、過日友人宅にお邪魔したときアイ(藍)だと教えられて驚いたものでした。そして請うて、いま我家の庭に花開いたのです。

 藍は藍染の藍、宮里藍、はたまた「青は藍より出でて藍より青し」の藍なのです。日常の言葉の中では当たり前のように使っていますが、その花の色までは知りませんでした。
 おっと藍綬褒章にも使われていますが、こちらはアイではなくてランです。




 アイ( 藍、学名:Persicaria tinctoria)は、タデ科イヌタデ属の一年生植物です。

 紀元前より世界各地で青色の染料として重用されていましたが、化学合成したインディゴ染料が発明されて以降は合成インディゴにとってかわられてしまいました。

 原産地はインディゴの名が示すようにインドだとされ、白い花もあるようです。ちなみに花言葉は「美しい装い」とありました。



 藍染は奈良時代から続く歴史があり、現在でも藍による染色を愛好する人々もおり、海外では藍色を指して" JAPAN BLUE "または" HIROSHIGE BLUE "と呼ばれることもあるそうです。
 そうそう日本のスポーツ・チームのユニフォームも" JAPAN BLUE "藍色が多いですね。

 上写真は合成インディゴとその化学式です。

 染色には「生葉染め」、「乾燥葉染め」、「すくも染め」がありますが、なかでも「すくも染め」は乾燥したアイの葉を室のなかで数ヶ月かけて醗酵させて「すくも」(右写真)を造り、更にそれを搗き固めて藍玉を作り、これを利用する方法です。

 生産に高度な技術と手間を必要とするため、現在では徳島以外で日本産の「すくも」を見ることはほぼないようで、木綿に色濃く染めるにはこの方法に限るようです。

 右写真はネットで見つけた伝統的な藍染めですが、何か落ち着いた懐かしさを感じるのは私だけでしょうか。

 もともと藍は染色のみならず薬用としても用いられました。


 



 生藍の葉、乾燥葉、種子などをそのままに、または煎じて用いれば消炎、解毒、止血、虫さされ、痔、扁桃腺炎、咽頭炎などに効果があるとして巷で広く愛用されたという、遠い遠い代を重ねた記憶が、どこかに残っているのでしょう、、、、

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