2019年11月23日土曜日

FRG-7 のリペア(1) メインダイヤルシャフト修理

 ひさしぶりに受信機の修理です。
 取り上げたのは八重洲無線のFRG-7という受信機です。(左のカタログ写真参照)

 これは1976に発売された、ゼネラルカバレッジ(500kHz~30MHz)のBCL受信機です。(BCLは Broadcasting Listening の略で、放送(特に短波による国際放送)を受信して楽しむ趣味を指します)

 受信方式は、以前このブログでも紹介した、「DRAKE SSR-1 受信機のリペア」とおなじワドレー・ループ方式で、受信モードはAM/SSB/CWとありますがCWはUSBモードと兼用になっています。

 40年も経った今でも人気が高いのは
1. 人気機種ということで回路図を含め、ハードの情報が多い
2. 器械的な構造部分に信頼性がある。(糸などを使ったメカはない)
3. 部品がディスクリートで、修理・改良が比較的楽(この後継機種FRG-7000ではデジタル回路が使われている)
  、、、などの理由によると私は思っています。

 今回リペアするFRG-7は、まだ動作確認ができておらず、さらなる不安要因には、メインダイヤルシャフトがブラブラで、使用できない状態になっていました。(右写真)


 さっそく分解して原因を確認する必要があります。ところがその過程で、中から、からから音がして、小さな鋼球がいくつか転がり出てきたのです。

 とりあえず注意して鋼球を回収しておき、不具合場所を観察しました。

 左写真がメインダイヤルシャフトが繋がっているVFO部分です。


 この部分を子細に観察したところ、右写真で見られるようにシャフトを固定しているべき鋼球がすべてはずれて、シャフトがブラブラになっていたのです。

 鋼球はすべて回収できたわけではなく、すでになくなってしまったものがいくつかあるようです。
 ノギスで直径を計ってみると3mmでした。


 と、ここで同様な使い方をしてあるのがバリコンだと気がつきました。
 手持ちのバリコンを幾つか調べてみると古いものに3mmの鋼球が使われているのを発見しました。

 これも注意深く分解して必要な数の鋼球を取り出し、バリコンは少ない鋼球のまま、再組み立てしましたが、ガタもなくこれはこれで使えそうです、ラッキー!!

 右写真はバリコンの鋼球とFRG-から回収した鋼球をまとめて観たところですが、材質など細かいことを言わなければ問題なく使えそうです。

 左写真は、無事組みつけが終わったVFO用のバリコンを駆動するメインシャフトを示します。
 中央左に見られるように、鋼球がきれいに並んでいます。

 組みつけに当たってはバックラッシュ防止用のスプリング付きギヤとの噛み合わせ、シャフトを右に回しきったときにバリコンの羽が全て入った状態にする、、、などの注意が必要でした。

 、、、、ということで、再組み立てをして、初めての動作確認です。

 結果、
 ・ワドレー・ループの制御は出来ているようです。
 ・A バンド(中波帯)は動いており、地元のNHKがきれいに鳴ってくれました。
 ・ランプはほとんど断線していました。
 ・B、C、Dバンドは受信できず。
    ということがとりあえず分かりましたので順次手を入れていきたいと思います。

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