他の国にはそれぞれ呼び名があるようで、たとえば日本の「みちびき」は準天頂衛星システムQZSS( Quasi-Zenith Satellite System)と呼ばれ、現在4機が稼働中です。
またロシア、欧州、中国、インドなども保有しており、今100機以上のGPS衛星が天空を駆け回っているようです。
この衛星はその名前が意味するとうり、測位に用いられ、今では当たり前になったカーナビやスマートホンの地図情報に用いられています、それも無料で。
一方本来の目的である、軍事用途では、ミサイルの誘導などに使われているのも自明のことです。
今回、このGPSからの電波を受信し、衛星の情報を得るための受信機を入手しました。
もちろん最新版ではなく何世代も前のものですが、私が受信したい正確な時間情報を得るには十分なものです、しかもその値段たるや、アンテナ付きで、わずか数百円にまで下がった、ときたら試してみる価値はあります。
冒頭の写真がその、u-blox社のNEO-6Mですが、このボードには上写真の左上にみられるデータ保持用の電源であるスーパー・キャパシタが機能しなくなっているという共通の問題がありますのであらかじめ取り外しておきました。
右写真は早速コンピュータとRS232で接続して様子を見ているところです。
ボード上のLEDが1秒間隔で点滅を始め、作動開始しましたので一安心です。
この受信機は約24x36mmで左写真中の10円玉と比較しても小さなものであることがわかります。
データ・バックアップ用の電源はCR2032というLiボタン電池を使いましたが、一次電池ですので、逆流防止用のダイオードは必須です。
スペックではデータ・バックアップ用の電圧は1.4VまでOKとありますのでダイオードの電圧降下は問題ないでしょう。
上画面は、u-center という専用のソフトを用いてパソコンで衛星からの情報を表示させたものです。 まだ電源を入れたばかりなので、大空にある衛星のうち緑色で示された4個のみの情報を入手しています。時間経過とともに、緑の衛星が増えていくのを見ているのも楽しいものです。
右下の時計はUTC(Coordinated Universal Time) 協定世界時で示されており、日本標準時 (JST) は協定世界時より9時間進めた時間です。
前述したように、今回の本当の目的は、周波数カウンタに使用する正確な10MHzを得ることなのです。それもppb(10のマイナス9乗)が必要です。
GPS衛星には主にルビジウム原子時計が搭載されており、その周波数の正確さは10のマイナス11乗ですので、これを受信して10MHzの周波数基準を作ろうというわけです。(そのうちブログでご紹介したいと思っています)
NEO-6Mでは出力パルスの初期設定値は1Hzとなっていますが、u-centerのViewメニューからConfiguration Viewを開き、左側に並んでいるメニューからTP5(Timepulse5)を選択して右のような入力ボックスを出します。
そして、それぞれに数字を入力(右の例では10kHz)してConfiguration Viewの下にあるSendボタンを押せば目的の周波数パルスを出力することが出来ます。
ただこの設定はメモリに記憶させておかないと、電源を切った時に消えてしまいます。
記憶させるには、Configuration Viewの左側に並んでいるメニューからCFG(Configuration)を左上のように開き、必要事項を入力してから、これも同様にConfiguration Viewの下にあるSendボタンを押す必要があります。
左はデフォルトの1Hzのパルスで、カウンタの測定値も併せ挙げておきましたが周波数基準が正確ではないので、438という数字が出ています。数値そのものはほとんど動きません。
中央は10kHzです、50%のディユーティを指定してあります。波形がなまっているのは、プローブのせいでしょう。右は10MHzですが安定度にかけます。
今回旧型のGPS受信機u-blox社のNEO-6Mをきわめて廉価で入手しましたが、期待以上の使いやすさでしたので、これをベースに10MHzの周波数基準を作ろうと考えています。
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