昨日はなんとかニッコウキスゲを見ることができ、さらに夜にはホテル近くの川で、内心あきらめていたホタルにもわずか数匹でしたが会うことができました。
一夜明けて今日も晴天のようですので、八島湿原(正式には「八島ヶ原高層湿原」のようですが以下通称名にて)に出かける決心をしました。
左図のように、八島湿原は、長野県のほぼ中央に位置する八ヶ岳中信高原国定公園の中部にある霧ヶ峰の北西部に位置する標高約1632mの高層湿原で、面積43.2ha、泥炭層の厚さは約8.05mあり1万2千年前に誕生しました。
したがって、この地一帯には縄文時代の遺跡が数多くあり、この八島湿原でも石器の鏃(やじり)やその原材料の黒曜石をしばしば見かけたものでした。
今回は右下の出発点から、御射山神社(正確には神社跡)を経て時計回りに約5kmを高原散歩と洒落こんでみました。
というわけで今朝の食事は少し多めに、、、、
出発点からしばらく歩くと御射山神社です。
このあたりは鎌倉時代に全国から武士達が集い、流鏑馬(やぶさめ)や笠懸(かさがけ)などの武術を競い合ったという場所で、実際に神社の南側には宿舎の跡がありますし、私も当時のものと思われるカワラケ(食器片)を見つけたことがあります。
この神社も今では諏訪に移され、今はわずかに小さな社があるのみです。(右)
湿原を周回する遊歩道はすべて板がわたされ、日々メンテナンスがされているようです。
先方に見慣れないゲートがあったので遊歩道の破損部を点検している職員の方にお聞きしたところ、鹿の侵入を阻止するためのフェンスが湿原全体に設営されており、ここはそのゲートで3年くらい前にできたとのこと、、、、
左の黄色い花はキンバイソウで、左上に小さく写っているピンクの花はハクサンフウロです。
ワレモコウもありました。
① の地点から湿原をみたパノラマ写真です。左側に見えている山は鷲ヶ峰です。
木陰を出ると1600mの高地とはいえ、さすがに真夏の太陽は強く、眩しいです。
先方の鷲ヶ峰を背景に八島ヶ池方向の湿原と岸辺に咲く白いシシウドとピンクのヤナギランです。
ヤナギランは北欧でも見かけました。
今の時期はシシウドの最盛期のようでいたるところに白い花が見られます。
さらに右側の景色です。
これは湿原の中にある八島ヶ池で年中涸れることはありません。小さな島が多くあり七島八島と呼ばれたことからこの名前がつけられたそうです。
写真はパノラマに合成したままを掲載しています。(トリミングすると情報が減るので)
この池の周りで比較的よく見かけるコオニユリです。高地のせいなのでしょうか、ずいぶん小型になっています、競って咲いているのはノアザミ(平地と同じ大きさ)です。
池の端にノリウツギが咲いていました。ただ白いだけではなく、少しピンクがかった花は重厚な感じがします。
木陰で小さな紫色の花をつけているのはツリガネニンジン、何故このような名前なのかは知りません。
道端に比較的地味に咲いている黄色い花はホソバノキリンソウです。側のネームカードで知りました。
右の白い花はイブキボウフウです。
もうひとつイブキトラノオというのがあります。(左写真)
ともにイブキで始まりますが、最初に伊吹山で見つかって名前がつけられたのでしょうが、一方ここの環境と伊吹山が似ているということでもあるのでしょう。たしか礼文島も同様だったと記憶します。
シシウドとノアザミがここでも競い合っています。
シシウドの花も咲き始めはピンクがかっています。
下の写真は上の案内図にある ② から湿原をみたものですが、ここから見えている池は鎌ヶ池と呼ばれるもうひとつの池です。
木や岩もとりどりにあって日本庭園のような景色です。
ここをスタートしたのは9時過ぎでまだ比較的空いていたのですが、徐々に人が増えてきて、「こんにちは」「こんにちは」と山の挨拶が元気に飛び交うようになって来ました。
先方から赤い帽子を被った生徒たちがやって来るのが見えました。
行きかうときに一人ひとりが「こんにちは」と丁寧に帽子を取って挨拶してくれたのにはビックリしました。
少し疲れ気味ではありましたが、その声を聞いて元気を分けてもらったような気がしました。
休み休みでしたが、3時間弱で無事もとの出発点に戻ることができました。
今回の蓼科はニッコウキスゲこそ少し遅かったのですが、好天に恵まれ、おいしい北欧料理、ホタルとの出会い、晩夏・初秋の花たち、、、、そして何よりなのは二人して元気に歩くことができたということでした。
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