2012年4月28日土曜日

新東名と箱根ポーラ美術館



 2012414日に御殿場JCT~三ヶ日JCT間の約162㎞が開通しました。
 一度に162㎞もの高速道路が開通することは、日本の高速道路開通史上最長だそうです。
 この機会に、開通5日後に新東名を通って箱根への一泊小旅行をしました。往路は三ケ日、御殿場を、帰路は御殿場、清水ジャンクション、旧(?)東名を通って帰る、、、と計画しました。箱根では仙石原にあるポーラ美術館を見学しました。



 天候はあいにく下り坂でしたが、往路は何とかたいした雨にもならず助かりました。


 三ケ日から新東名への接続道路はカーブも多く、あまり高速道路という感じではありませんでしたが、山々の新しい芽吹きの緑が美しく、あっという間に浜松サービスエリアに到着しました。



 サービスエリア(以下S.A.)は今回の区間では浜松、静岡、沼津の三ヶ所があります。今回はそのすべてを見学しました。なにせ新東名のS.A.の全てを巡るツアーがあるとか、、、、










 結論としてはどのS.A.も規格化されているせいか、どこも同じように感じましたが、もちろんどれも広く、明るく気持ちのいい設備でした。ただ、どのS.A.も災害などのあったとき支援基地になるように考えられている、、、、にしては駐車場が狭く、本線が平日であまり混雑していないわりにはどこも満車で、ゴールデンウィークがおもいやられます。


 静岡S.A.(左写真)ではお茶と安倍川もちのセットを見つけて賞味しました。お茶は自らがお茶葉から入れるのを楽しむようになっており、ゆったりとした気分で休息できました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 翌日は、小雨の中ポーラ美術館に出かけました。箱根はまだ櫻が真っ盛りで少し遅い春が楽しめました。




























 ポーラ美術館はあの化粧品のオーナーのコレクションで、約1万点の収蔵量を誇るそうです。内容は多岐に渡りますが、19世紀フランスの印象派を中心として、モネ、ルノアール、セザンヌ、ピカソ、など多数あり、この時代を俯瞰して学ぶにはいい機会でした。また日本の絵画も充実していました。当然のことながら、化粧道具のコレクションもありました。
















 昼食はArray(アレイ)という館内レストランでとりました。窓面が大きく、山の緑を目の当たりにしての食事(モッツアレラチーズのスパゲッティ)はなかなかで、デザートもまた格別でした。

 左写真はテーブルに飾ってあったバラ(本物)で赤いコーヒーシュガーとの色あわせが素敵でした。

 帰路に立ち寄った沼津S.A.です。あいにくの天気で富士山も見えず、わずか南に伊豆半島がかすんで見えました。

 さすがに新東名は走りやすいです。最小半径も従来の東名が300mであるのに対し3000mとほとんど直線ですし、勾配も最大で5%から2%になっています。そして高規格で一時最大速度を120km/hにしようかなどと言われたのもうなずけます。そして距離も10kmほど短縮されたとあっては、ほとんどの車、特に長距離トラックは新東名を通ると思います。そして知らぬ間にスピードも上がってしまい、実際に往路で覆面パトにつかまる車を見ました。ご注意ご注意、、、、、

2012年4月25日水曜日

STAXのイヤースピーカーと自作真空管式ドライバー


 今日は少し変わったマニアックなオーディオ用ヘッドホンについて書いてみます。

 一般のヘッドホンは磁界の中に置かれたコイルに音声電流を流す事によって、そう、いわゆるマグネティックスピーカと同様にコイルに接続されたコーンの振動で音を発する仕掛けで、世の中のほとんどがこの方式です。

 ところが世の中には必ずヘソ曲がりが存在するもので、表題にあるSTAXという会社が製造しているイヤスピーカがそれです。名前からして、ヘッドホンとすればいいものを、イヤスピーカなどと呼称しているのでなおさらややこしくなります。とはいえ、原理的にはオリジナリティたっぷりで、静電気駆動方式です。



 静電気駆動と言うのは、右図のように、左右の固定電極に音声に同期した高電圧をかけると中央の振動版が振動し、音を発すると言うものです。


 もともとこのSTAXと言う会社は1938年に創立され、1950年代初めにはコンデンサーマイクロフォンやコンデンサーカートリッジ(レコード再生用)を世に出した会社で、1960年代になるとイヤースピーカーヘッドホン)、フルレンジ・コンデンサー・スピーカを発表しています。そしてその性能のすばらしい製品はオーディオマニアの間では垂涎の的です。


 左の写真がコンデンサーカートリッジ。

 右の写真がフルレンジ・コンデンサー・スピーカ。

 また、1936からの歴史を持つと言う、世界的に有名なイギリスの「QUAD]の、現在でも引き続き新モデルが出されているESLスピーカ(やはりコンデンサータイプ)も1950年代半ばの出現だったと思います。 写真左

 このようによき伝統を持ったユニークなSTAXも製品がマニアックに偏り、またその事で製品価格がさげられなかったりして、せっかくのすばらしい技術や、徹底的なアフターケアをもちながら、昨年末約1.2億で中国の会社に買収されてしまったようです。 幸い事業は継続され、今後もメンテナンスは受けられるようです、、、、



 さて、したがって私も長年STAXのイヤースピーカを入手するのが夢だったのですが、数年前ようやくにして普及品ですが入手する事が出来ました。写真右のSR-303です。


 ところが課題はもうひとつありました。イヤースピーカは前述したように独自の静電気駆動をするため、既存のアンプに接続できないのです。かといって純正のドライバー(STAXでは専用アンプをこう呼んでいます)は私にとってさらに高価で、、、、ということで自作を決意しました。


 アンプの電気回路はSTAX過去に公表していましたので、資料はネットでさがしました。こういうところが、STAXのすばらしいところです。
 高電圧を駆動するので真空管がベストフィットです。さいわいこのあたりは私の得意な領域で、STAXの公表資料を参考にリファインして出来たのが、左図です。高電圧を使うため安全のために要所のみ表示しました。また電源回路も省略しました。回路は常識的なものなので、必要な方にはお分かりかと、、、、



 右写真は使用した真空管6FQ7(左)と12AX7(右)



 左写真は作製したドライバー(アンプ)の裏側です。高圧を使用する真空管回路ですので、最近の半導体回路とは少し異なっています。
 全体写真は一番上にあります。前面から信号を(赤-右、白-左)いれます。音量調節は中央、緑色に光っているのはパイロットランプです。

 肝心の音のほうですが、振動膜のイナーシャが小さいせいか、高音が限りなく繊細で、かつ過渡応答性がいいです。これがいろいろもてはやされ、熱烈なフアンが存在する所以なのでしょう。もちろん低音も十分です。
 部屋を暗くすると、真空管がほのかに光っているのがわかります。私を含めて真空管ファンにとってこの光はたまらなく心を安らげてくれます。この光を見ながら好みの音楽を聴くのは本当に至福のひとときです。今宵は何を聴きましょうか、、、、、

2012年4月16日月曜日

松平東照宮 と 高月院 と ショウジョウバカマ と ミズバショウ

あいにくの雨模様でしたが、松平東照宮 と 高月院へ出かけてきました。
松平東照宮とは徳川家康の始祖である初代・松平太郎左衛門親がこの地に居をかまえ、氏神として若宮八幡をお祭りしたのがはじまりと伝えられています。
 その後、久能山東照宮から徳川家康の御分霊をいただきお祀りされてきましたが、松平東照宮の名称は最近になってのこととか、、、、(左写真)

 奥宮には、徳川家康公生誕の折に用いられたという「産湯の井戸」があります。

一方、高月院は松平氏の菩提寺だそうで、山門や本堂は、徳川家光によって建てられたものと言われています。




 さいわいに春の雨とて寒くもなく、満開の櫻をはじめ花々の風情も一段と落ち着きがあり、想像以上の雰囲気でした。

 今回の楽しみの一つは、直前に新聞で知った ショウジョウバカマ(猩猩袴) の群生を見ることでした。これはユリ科の植物で、花を猩猩(想像上の生き物でお酒大好き、、、ほら能の演題ありますョ!)の頭に、葉っぱを袴に見立てて付けた名前とか、、、、
  場所は松平東照宮の正面すぐ近くで、うっかりすると見逃すところにありました。





 櫻以外に ツツジ 、ドウダンツツジ(灯台躑躅、満天星
)、アセビ(馬酔木)などがいまは盛りと咲き競っていました。なかでもピンクのアセビを見つけましたが、「これは珍しい、、、」とは家人の言。
(下の写真です。) 入り口にある「東照宮」から上の「高月院」まで約200Mくらいですが、坂の途中に「天下茶屋」という簡単な食事を取ることができるお店があります。
ここで、「麦飯とろろと半そば定食」をいただきました。素朴な、なかなかの味でした。



さらに土塀と花々に沿って坂を上ってゆくと最後に高月院に至ります。


 右上の写真は、入り口の門から本道へ上がる参道を見上げたものです。


 右の写真は、幟の下にぶら下がっている、人形の形をした錘でしょうか?あまり見かけないので思わずシャッターを押しました。猿ぼぼ」と呼ばれるものらしいです。

 ここにはもうひとつ楽しみがありました、ミズバショウです。
 いつもは5月の連休に訪れる事が多いので、花はほとんど見られませんでしたが、今回ふと気がついて覗きに行きましたが、幸い、少し遅かったのですが今年は寒い日々が続いたおかげで花を見ることが出来ました。
 椿の花に彩られたミズバショウも見られました。


 少し回り道をした帰りがけに野生のサルの1集団が移動するのを見かけました。動きがゆっくりだった子猿にはシャッターが間に合いました。また山中を走っているときに車に驚いてパニック状態になった、ふとったタヌキが、崖を上りきれずズリ落ちてきた姿に大笑いさせられました。日本の山はまだまだ自然豊かだと感じた一日でした。

2012年4月9日月曜日

コンデンサのESRテスターの製作


 思い立ってコンデンサのESRテスターを製作する事にしました。

 私は、アンティークな測定器や、ラジオをリペアすることが多いのですが、この際に多くみられる劣化部品がコンデンサ、特に電解コンデンサと呼ばれる部品です。ものによっては数年を待たずに劣化したパソコンなどはこれが原因である事が多いようです。



 右の写真は手持ちの電解コンデンサです。

 電解コンデンサは小さな容積で最大の容量値を得るために電解液が使用されています。

 この電解液は歴史も浅く、さらに開発が急速で、耐久性の見極めがまだまだ不十分のまま市場に出されているものがママあるようにきいています。現象としては電解液がなくなる、いわゆるドライアップで容量の低下をきたすもの、これを検出するために今回ESRテスターを製作しました。
 また、ケースからの電解液漏れや膨張して爆発しそうなものは目視でチェックしますが、論外とします。
 製作に関してブログから以下の記事を参考にしました。(あえてリンクはしてありませんのでgoogleで検索してください。)
 An Equivalent Series Resistance Meter
 Capacitor ESR Tester










 図のようにコンデンサのインピーダンスは周波数に依存し低下しますが等価直列抵抗 ESREquivalent Series Resistanceを最低値としてまた周波数が高くなるにつれて上昇していきます。ESRとして、一般的には図中の赤線で示してある100kHz近傍での値を使うようです。





 構成としては100kHzの信号発生部、測定ブリッジ部、メータ表示部(シグナルの増幅・検波を含む)となります。(左図)
 信号の発生は74HC14Nのロジックの1個を使い、残りの5個を並列にしてパワーアップをしています。 ここの出力は約110kHz、290mVppでした。(この部分の電源は要安定化)
 測定ブリッジのダイオードは一般整流用の(耐圧400V)ものでいいですが、0.47uFのコンデンサーはやはり耐圧400V程度のものが必要です。

  本来ならメータ表示部はトランジスタ1本と汎用Siダイオードブリッジでいいのですが、私の手持ちのメータ感度が悪かったので汎用OPアンプを単電源で動作させて少しゲインを稼ぎました。(当たり前の回路なので略)


早速実装にかかります。ケースは百均で小さなプラケース(4個100円)を使いました(写真左、右)。写真右下はさらに細かい部品を取り付けた様子です。実はこの裏側にも同
様に部品が取り付けてありますが省略します。
 

 左の写真は固定抵抗を用いてメータのパネルを作成しているところです。見えている2Ωの抵抗をつなぎ、メータ指針の指しているところに鉛筆でマークしています。
 左下のパネル写真にはいくつかの鉛筆書き込みがあります。このパネルをデジカメでファイルにし、CADソフトで読み込み、レイヤーにセットし、別のレイヤー上に寸法を合わせた新しいメータパネルを作画します。これをレーザプリンターで印刷し、貼り付けたのが最初の写真です。まったく見違えるようになっています。

最初の写真では1uFのコンデンサを測定していますが、約3Ωを指しています。上のインピーダンス特性のグラフ値とほぼあっています。(正常品!!!)このようにしてコンデンサをチェックします。

 文献では、1uF/4Ω、10uF/1.9Ω、100uF/0.5Ω、1000uF/0.065Ω、などとなっていましたので参考にしましょう。