ガウディとサグラダ・ファミリア展に行ってきました。
今回はこの展示会に出かけて感じたことなどを思いつくままに書いています、、、決して解説などするつもりはありませんし、また間違いなどあった場合にはご容赦ください。
サグラダ・ファミリアはスペインのバルセロナに1882年に着工され、140年後の今も建築中の大寺院の名前です。サグラダは日本語の「桜田」に似ているので何となく日本人は親しみを感じてしまいますが、意味は全く関係のない「聖なる」という意味で、サグラダ・ファミリアは「聖なる家族」なのです。
正式名は「Temple
Expiatori de la Sagrada Familia」で「聖家族教会」となるようです。(聖家族とは幼少年時代のイエス・キリスト、養父ヨセフ、聖母マリアを指します)
この寺院の完成はコロナ禍の影響もあって、おそらく2030くらいまでかかるのではないかと思われています。
そしてこのサグラダ・ファミリアの主たる設計者はアントニ・ガウディで1883から彼がなくなった1926の43年間かかわっていました。彼はスケッチやメモを多く用い、設計図面などをあまり使わなかったうえに、第2次大戦などで大部分が焼失してしまったので多くの人たちが彼の構想を模索し、具現化しているのが現状のようです。
左写真は20世紀初頭の彼の作品「集合住宅 カサ・ミラ」で、現在も人が住んでいるそうです。
ゴシック様式とアール・ヌーヴォー様式を組み合わせ、直線や直角、水平がほとんどない曲線を主としたガウディのゴシック・モダニズム様式がよく見てとれ、サグラダ・ファミリアへ展開されているようです。
これの天地を逆にしたカテナリー・アーチは力の均衡がとれた強固な構造となり、空間が広く取れることも相まって、ガウディの建築物に多用されており、サグラダ・ファミリアも例外ではなく、18本にも及ぶあの塔の形にみることが出来ます。
そしてこちら側は「生誕のハサード」(ハサードは正面の意味)で、ガウディが自ら手掛けたとされています。
ところでサグラダ・ファミリアそのものはすべてが世界遺産ではありません。この「生誕のハサード」と「地下礼拝堂」の2ヶ所のみが、「アント二・ガウディの作品群」として他のものと一括して世界遺産に登録されているのです。
前述した18本の塔とハサードの関係は一見だけではややこしくて理解が困難でしたので、平面図を作成してみました。
左手にある「受難のファサード」はガウディとは少し作風が違う彫刻家のジョセップ・マリア・スビラックスが担当していますが140年にもわたって作られていると多くの人々がかかわっており、これもいわばファミリーなのでしょう。
氏は45年間はるかかなたスペインの地で聖堂の彫刻に携わってこられましたが、生誕のファサードに石像に置き換わるまでの10年間掲げられてきた実物の石膏像「歌う天使たち」の作品展示は素晴らしいものでした。
かねてから興味をそそられていたガウディとサグラダ・ファミリアについてもう実物を観る可能性はありませんが、多くの知見を売ることが出来満足しています。
昼食の時間には、美術館内のレストランで、今回の展示にちなんだスペイン東部のコメ料理「パエリア」を美味しくいただきました。