2012年7月22日日曜日

シャガール (Marc Chagall)


今回のポスター「騎士と音楽家たち」

 先日、近くの小さな美術館で「シャガール」をテーマに展示がおこなわれていましたので出かけてきました。美術館と言うにはあまりに小さく、正確には「アートサロン」とありました。
 しかしながら、このアートサロンに展示される絵画はどれも超一流のものばかりで、なおかつ入館無料です。そして展示は年間4回の入れ替えがあり、毎回楽しみにしています。








シャガール( 1887.7.7 1985.3.28 )(右写真)は、ロシア(現ベラルーシ)出身のユダヤ系フランス1950国籍取得)の画家です。生涯、妻ベラ(ベラ・ローゼンフェルト)を一途に敬愛していたこと、ベラへの愛や結婚をテーマとした作品を多く製作していることから別名「愛の画家」と呼ばれているそうですが、パリオペラ座の天井画はあまりにも有名です

 今回の展示は「~親子で楽しむ~ シャガールと幻想のロシア」と言うタイトルです。夏休みの時期ですので、解説も学童にも理解できるように工夫してありました。
 展示総数は31点ですが、そのうちシャガールが21点ありました。他の10点はロシアの作家がロシアを描いたもので「トルストイ」にちなんだ絵もありました。
 例によってリトグラフが多かったのですが、「騎士と音楽家たち」のように濃厚なタッチの絵もありました。また夏休み向けということか、12点のラ・フォンテーヌ「寓話」シリーズもあってこれも楽しめました。

 いまさらの話ですが、これまでシャガールを通り一遍でしか観ていませんでしたが、今回じっくりといくつかを見比べながら鑑賞する事で、彼の絵が、ひとつの立体的な世界を形成している事が理解でき、いっそうのすばらしさに触れることができた気がしました。



 パリオペラ座の天井画については、ずいぶん反対もあったと言うことらしいですが、シャガールに描かせた人たちはシッカリとした見識が合ったということが十分に察せられます。ことのついでに、過日名古屋で中島潔さんの展示会に出かけた際の、清水寺の襖絵に彼の絵が採用されたときの賛否議論の話を思い出しました。これも清水寺の館長さんたちの見識なのでしょう。

2012年7月17日火曜日

自動灌水器(水やり器)の製作


 梅雨も上がり本格的な夏の到来ですが、この季節庭の草木への水やりは特に家を空けたときなど頭の痛い問題です。 毎日の時間も出来た事なのでこの際、自動灌水器(水やり器)を製作することにしました。ガーデン関係の店に行けば売られているのですが、結構良いお値段ですし、ここは一番、、、、となった次第です。
 基本的な構成としては、水道水の開閉に電磁弁を使用し、タイマーを使って朝、夕、一日二回それぞれ2~5分シャワーを実現するものとします。タイマーは2種類、ひとつは24時間タイマー(右側)で朝夕の水やり開始時間を設定します。 朝6時、夕7時くらいとしましょう。もうひとつは水やりの継続時間設定用(左側)です。これを相互に結線すればOKです。
 今回の一番の難物は電磁弁の入手でした。電磁弁ともなると玩具クラスはなく、思ったより高価です。ネットをあちこち探して、自販機に使う廉価なものを見つけ購入しました。(左写真)

 右の写真が今回集めた(購入した)部品たちです。
 ホースカップラーやホースファスナー、塩ビ管の接続管・接着剤です。写真にはありませんがホース、塩ビパイプなどもあります。橙色のホースカップラーは捨て値のついた掘り出し品ですが、後で調べたらmade in germany の高級品でした。(掃き溜めのつる?)またタイマーは私の玩具箱に転がっていたものを流用しました。

 というわけで左写真が水のコントロール部分で、水は左から入って右に出て行きます。電磁弁で水を制御するときはウォーターハンマー現象に留意せねばなりませんが、水道栓の開度を絞りぎみにし、水道栓と電磁弁の間をホースで接続する事で多少ショックは緩和するものと思われます。


 そして右写真が木の板にコントロール部を固定し、壁にネジ留した様子です。上方のプラスティックの箱の中にはタイマーが入っていて多少の雨などにも対応できるようにしました。左側に水道栓からのホースをつなぎ、右側にシャワー部に行くホースをつなぎます。


 これが試運転中の写真です。内径20mmの塩ビパイプに2mmの穴をたくさん開け(くたびれた、、、、)シャワーを実現しました。この下にたいせつな草木を置き、さらにホースを延長して目的の場所へも灌水ができます。
 この写真の上方に鈴なりに写っているのは「キーウィ」です、今年もまた豊作、、、、


2012年7月16日月曜日

名古屋ボストン美術館と栄


 梅雨の晴れ間を狙っていたわけではありませんが、久しぶりに栄に出かけました。
シッカリ駐車場も確保できたので、金山まで足を伸ばし、これもしばらくぶりに名古屋ボストン美術館へも出かけました。今回は特別企画展で、「ボストン美術館-日本美術の至宝」を開催中です。じつは悠悠櫻も名古屋ボストン美術館のメンバーシップなのです。(写真は会員証です)


 今回の展示は本家ボストン美術館に収蔵されている、あのフェノロサなどが岡倉天心たちの協力によって得たコレクションを2回に分けて紹介しようとするもので、今回は1回目です。

 狩野芳崖の紅流百里図、NHK大河ドラマで終わったばかりの平時物語絵巻(三条殿夜討巻)、や長谷川等伯、修復後初めての公開と言う曾我蕭白の雲龍図(一部分がポスター)など久しぶりに日本の文化に圧倒されたひと時でした。


 今になって思えば、明治の初期、廃仏毀釈の真っ只中で、衣食も足りていない時代に手をこまねいていれば消滅してしまう日本の美術を、日本のみならず、世界の至宝と位置づけていかに後世に残すかに腐心したであろう岡倉天心たちや、最初は美術とはなんら関係のない帝大お抱え教授のフェノロサが日本に来て初めて美術の勉強を始めて、、、などなどいろいろ考えさせられました。

 名古屋ボストン美術館で思った以上の時間をつかい栄のデパートで昼食、、、、と思ったのですが、お中元商戦真っ只中の12時半ではどこも長蛇の列で、家人のアイデアで歩きながら探そうと、、、、見つけました!!あの守口漬けの大和屋さんの本店の横に小さく食事どころ「やまと」とあるではありませんか、いそぎ暖簾をくぐって待つ事しばらくでようやく食事にありつきました。

店内から見た大きなステンドガラス

 メニューは2種類のみで、本命の「名古屋コーチン そぼろ釜飯」はすでに売り切れで、残った「新花天心」をオーダーしました。丁寧に作られており、満足でしたが、本業だけに漬物が多くおもわずご飯のお代わりをしたのですが、後でのどが渇いて仕方がありませんでした。そのご再び買い物をし、大満足の一日でした。


2012年7月13日金曜日

お気に入りレンズと庭の花 (6)


キヤノンEF100mm F2.8 マクロ USM と ネジバナ

 しばらく古い、銀塩カメラ時代のレンズが続きましたが、一息入れて現役のマクロレンズを使ってみました。と言っても今回は庭の花ではなく、毎朝の散歩道に咲いている「ネジバナ (捩花)」を軽快に撮るために、現役のオートフォーカスを使いたかったのです。



 ネジバナはこう見えてもれっきとした野生ランで、日本、アジア、オセアニア、シベリア、東ヨーロッパに広く分布する、、、、とありました。私が見るネジバナは比較的濃いピンク色の2~3mmの小さな花を茎の周りにその名のとうり螺旋状につけ、春の草刈が終わって、陽当たりがよくなったところに三々五々静かに咲いています。


 右の写真は花のクローズアップですが、一花一花をよくみるとランの一族である事がわかります。

また別名をモジズリ(捩摺)と言うそうですが、昔覚えた百人一首のなかにあったかな、、、、ということで、ありました!!


 河原左大臣とありますが、源融(みなもとのとおる)のことです。
 こういったところに詠みこまれているのですからずいぶん昔から変わらずに咲いていたようです。
 ここで歌われているように、花言葉は「思慕、秘密の想い出」とか、、、、




CANON  EF100mm F2.8 MACRO USM

 単体で等倍撮影までが可能な100mmの中望遠マクロレンズです。APSサイズの一眼レフで使うと150mm相当になってしまうので、ズームレンズに慣れた昨今では少し使いづらいかもしれません。



 これまでお見せしたマクロレンズとは違い、1:1まで写せるのにもかかわらず、レンズは伸び縮みしません。またレンズ前玉も先端に近いところにあります。ということで巨大なレンズフードは必須ですし、気合を入れて撮るときのためにレンズには三脚座が付けてあります。解像度、色合いもよく、マクロのみならず、寺社・仏像などを撮るのにもいいレンズだと思います。

   レンズ仕様

   レンズ構成: 8群 12
   絞り羽根枚数: 8
   最小絞り: 32
   最短撮影距離: 0.31m
   最大撮影倍率: 
   最大径×長さ: φ78.6mm×118.6mm
   質量: 580g

2012年7月3日火曜日

お気に入りレンズと庭の花 (5)


オリンパス オートマクロ 50mm F2 と アジサイ

ずいぶん間が空いてしまいましたが、久しぶりに「お気に入りレンズと庭の花 (」をアップします。
先回は3月の終わりでしたので、丸々3ヶ月空いてしまったことになります。その間、春の庭花をご紹介しましたが、いまはもう梅雨真っ盛りです。アジサイも終わりの時期に入ってしいましたが、梅雨の花はなんといってもアジサイですので、わが庭に咲くいくつかを撮ってみました。


 とはいえ「アジサイ(紫陽花)」は数少ない日本が原産の花です。欧米に持ち出されて改良され、日本に逆輸入されたのがハイドランジャと言われ、球形のものです。日本のものはいわゆる「ガクアジサイ」です。(上写真)
これもガクアジサイです
 6月から7月に紫(赤紫から青紫)の花を咲かせますが、一見花といわれている部分は装飾花、花びらに見えるものは萼(がく)だそうです。ガクアジサイを例にとると密集した両性花の周囲にいくつかの装飾花をみることができます。一方、セイヨウアジサイではほとんどが装飾花とか、、、、「テマリ咲きアジサイ」も西洋アジサイです。(下写真)



 アジサイの花色はアントシアニンの一種デルフィニジンによるもので、これに補助色素とアルミニウムイオンが加わると、青色の花りますすなわち、土酸性度によって花の色が変わり、「酸性青、アルカリ性赤」といわれていますところがわが庭のアジサイはかつて青色だったものも最近ではどんどん赤くなって青色がなくなり、家人を嘆かせています。「柏葉アジサイ」も白です。(下写真)
また、開花から時間が経つにつれ、青色の花も赤味を帯びるように変化します すでに花は終わってしまいましたが、庭の片隅にアジサイの親戚である「ノリウツギ」もあります。これは故郷の友人からいただいたものです。最初は白い可憐な花が咲いていたのですが赤くなっています、、、、
ノリウツギ


六甲山ホテル旧館
さらに過日、六甲山ホテルを訪れたときいただいた「幻のシーボルトのアジサイといわれる「シチダンカ(七段花)」もありますが何故か今年は花を見ることはありませんでした。
 紫陽花の花言葉は「移り気」「高慢」「辛抱強い愛情」「元気な女性」「あなたは美しいが冷淡だ」「無情」「浮気」「自慢家」「変節」など、ずいぶんあります、これも色が多彩に変化するところからきているのでしょうか、、、、

OLYMPUS OM-SYSTEM Zuiko AUTO-MACRO 50mm F


 
 さて先回お約束のもう一本のオリンパス50mmマクロです。
 このレンズはとみに名声が高く、日本の名レンズランキングがあれば必ず10本の指の中に数えられるとされたものです。
 F2.0の大口径もさることながら、写りも色乗りもすばらしく、直近にディジタル専用の後継レンズが発表されたのも人気の高さが窺われます。
 もちろん今回もマウントアダプターを使ってEOS5Dで撮影しましたが、ディジタルでもそれなりの性能が出ていると思います。
光は右側から入射


 1986発売で、
   焦点距離:50mm
  F値:f2
  マクロ倍率 1:2
  最短撮影距離:0.24m
  画角:47
  絞羽枚数:6
  最小絞り:16
 でレンズ構成は図に見られるように79です。


 重量は320gでOMシリーズのカメラには若干重いですが、EOS5Dにはピッタリとバランスが決まります。