2017年4月25日火曜日

通常の LCD を I2C 化する

 プログラミングの容易さと情報の多さから ARDUINO を使うことが私にとって日常的になってきました。もう少し高度なことは Raspberry Pi を徐々に使いこなしていこうと思っています。

 AVRとしては ATMECA328P を基本的に使いますが、時として入出力端子が不足する場合があります。こんなとき入力ピン増設には 74HC165 、出力ピン増設には 74HC595 をそれぞれ使ってきました。

 またこのところI2C((Inter-Integrated Circuit))によるデータ通信をおこなう周辺デバイスが増えてきています。これはフィリップス社が提唱した2本の通信線をつかった周辺デバイスとのシリアル通信の方式です。

 そこで ARDUINO(ATMECA328P) でI2Cを使うトレーニングをかねて通常のLCD(液晶キャラクター・)ディスプレイをI2Cで動作させてみることにしました。普通6+2(電源)本必要な接続線を2+2(電源)本として節約によって生じた4本の入出力端子をさらに有効に使えるようにしようと言うものです。
 このことはLCDと ARDUINO(ATMECA328P) との脱着を容易にし、デバックにつかい易くすることができます。

 最も簡単にI2Cを試すにはご本家フィリップス社が開発した専用IC・PCF8574(I2C バス 対応、リモート 8 ビット I/O エクスパンダ)をつかうのがよいようです、で過日例によってebayからこれを調達しておきました。

 上写真の右側が件のICで、ジャンクボックスから出てきたような代物でしたが、後ほどすべて完動品であることを確認しました、写真中に見られる白丸は私がつけた1番ピンのマーキングです。
 中央部下にきれいなマーキング・プリントが見られるICが一個だけ混ざっていました、今となっては懐かしいなー。
 
 一方左側は PCF8574 IO Expansion Board
 といい、いろいろ応用できるように小さな基板の上に PCF8574T と部品を載せたものです。



 と言うことで早速右図のような回路を組み、お定まりの「 Hello world 」を走らせて見ました、下に実験中の写真を掲げます。


 写真左下に ATMECA328P 右下に PCF8574 があり、LCDにお目当ての文字がディスプレイされています。

 と言えば簡単なのですが、恥ずかしながらここに至るまでいくつかの苦労がありましたので備忘のため顛末を残しておきます。

 まずは接続する PCF8574 のアドレスをきめる A0、A1、A2 端子ですが、このところサービスの行き届いたICをつかっているのでプルアップの処理を忘れていました。

 テスト中に不安定になった原因がこれでした。

 下右表に示すように PCF8574 や PCF8574T の場合デフォルトで 0X27 だとおもっていたのですが、正しくは4.7kΩ程度で各端子を5V(Vcc)に予め接続しておく必要があったのです。

 ほかに PCF8574 が接続してなければA0、A1、A2 端子をすべてGNDにおとせば抵抗3本が節約できます、もちろんこの場合のアドレスは 0X20 となります。

 このときのトラブルシュートで有効だったのが、I2CScanner というスケッチです。 ARDUINO にI2Cデバイスを接続してスケッチを走らせればシリアル・モニタにそのアドレスを表示してくれます。

 次の必要なのは ARDUINO ライブラリです。
  ARDUINO Forum でいろいろ探した結果、NewliquidCrystal_1.3.4 と言うものを見つけました。


 このファイルにある LIquidCrystal_I2C.h  が探していたライブラリで他にも従来の LIquidCrystal.h なども同梱されており有効です。

 何よりありがたいのはスケッチの冒頭に宣言さえしておけば、I2C・LCDも従来のLCDも具体的操作は同じ記述が許されていることでしょう。 

 左にスケッチのサンプルを示します。
 最初の
 #include <Wire.h>
  #include <LiquidCrystal_I2C.h>

 はライブラリ宣言で次いで PCF8574 とLCDの接続を記述しますが、これは
 LiquidCrystal_I2C lcd(oX27,2,1,0,4,5,6,7);と記述します。カッコ内はADDS,EN,R/W,RS,DB4、DB5,DB6,DB7 の順で上記回路図をそのまま表現しています。

 これらは結果から見るときわめて簡単ですが、実際にいろいろやってみるとたいへんでした。でもこれでまた ARDUINO の世界が広がります。

2017年4月10日月曜日

2017 櫻 満開

 あれこれ気を持たせた今年の櫻も満開となりました。

 曇り空とはいえ幸い雨も降らず、豊川にある「諏訪の櫻トンネル」と「佐奈川堤の櫻」の花見見物としゃれ込みました。

 今にもこぼれ落ちそうでいて、地面には一片の花びらも無い櫻を見るのは何年ぶりのことでしょうか。

 「諏訪の櫻トンネル」というのは当初は単に「櫻トンネル」と呼ばれていたのを、全国あちこちにある「櫻トンネル」と区別するためにこのあたりの地区名である「諏訪」にちなんで名づけたとのことです。
 櫻そのものはソメイヨシノで諏訪との関係は無いようです。

 右写真が「諏訪の櫻トンネル」です、まだ午前中で祭り提灯、幔幕、出店などあって人出のみ無いのは何かチグハグでモノ寂しい感じさえしてきます。

 「諏訪の櫻トンネル」の桜は、豊川海軍工廠が開設された1941年に植樹されたものだそうで、私たちとほぼ同年だと気がつきました。
 でも、多くの古木の間に櫻の若木が植えられているのに気づきました。

 ソメイヨシノはクローンで種子による繁殖はありません、50年といわれる寿命を見据えて次世代を慮るとは流石豊川市、、、、

 豊川海軍工廠というのは、愛知県豊川市にあった日本の海軍工廠で1939に開廠、機銃、弾丸の製造を行っており、当時は東洋随一の規模であったそうです。
  写真は旧豊川海軍工廠(現在は陸上自衛隊豊川駐屯地)を囲む何百メートルもある永~い椿の生垣と桜並木です。


 次いで私たちは佐奈川堤の櫻」を観るために移動しました。

 佐奈川は豊川市の中心部を通るため多くの市民に親しまれよく整備されており、この季節の櫻と菜の花のコラボレーションは人気です。

 右写真は佐奈川堤の櫻」のトンネルです。











 堤防の上から河川敷にある遊歩道に下りてみました。

 菜の花の海に櫻が浮かんでいるようにきれいです。

 河川敷にはいろいろな花が咲いていますが、赤い花はよく目立ちます。
 これは帰化植物のナガミヒナゲシで、その繁殖力の旺盛さで、植物生態に与える影響が懸念されています。








 これは我家の庭にもあるスノー・フレークですが、こうしてみるとなかなかかわいい花です。


 そしてこれはアイリスです、「黄色いアイリス」は昨日見たテレビ映画・名探偵ポアロの題名、、、、













 また、左写真はスイセンです。今の時期はもう遅いようで河川敷のあちらこちらに種々のスイセンの株が見られましたが、ほとんどが花の終わった後でした。

 そんななか、ナノハナに次いで多く見られたのがダイコンの花(ムラサキハナナ)です。









 名前にダイコンとありますが、食用のダイコンとは別物です。
 こうして群生しているのを観るとまたきれいです。






 

 上写真は別名コゴメバナとも呼ばれるユキヤナギと櫻のコラボレーションです。まさに春来るといった風情でしょうか。



 今日は何年か振りに満開の桜をじっくりと堪能することができました。


 兼好法師の「花は盛りに、、、、」は満開の櫻を熟知している人の言で、やはり盛りもすばらしい、、、、もっとも彼はソメイヨシノを知らないけれど。

2017年4月7日金曜日

arduino ベースのAVR 高圧リセッターの製作

 AVRに高圧(といっても12V)でパラレルに書き込める書き込み器として古くからあるSTK500(厳密には書き込み器ではなく開発ボード)がありますが、このSTK500の書き込み器部分だけを取り出したSTK500クローンがあります。
 私の過去のブログ「いまさらSTK500 compatible HVライター
」を参照ください。

 ところが最近になって、使用頻度も少ないせいか、調子が悪く、さらに+15VとRS232を使うとなると勝手がいまひとつです。そこで改造すべく検討をしていましたが、ネットで面白いものを見つけました。
 Mighty Ohmさんの「 HV RESCUE SHIELD 2 」というものです。オリジナルは8年ほど前になるようですが、いまだにフォーラムで議論されている人気のアイテムのようです。

 この HV RESCUE SHIELD 2 というのはフューズ・トラブルで動かなくなったAVRのフューズを出荷状態に戻すためのものです。

 ハードは arduino ベースなので非常に簡単ですし、スケッチも公開されていましたので、気ままに作ってしまいました。FT232RL USBシリアル変換モジュールをつかい電源もここからとることにしました、回路図を示します(クリックで拡大します)。

 フォーラムの議題は「 Another alternative Software (extended) 」というもので HVRescue_Shield_More_100.ino.zip というスケッチが添付されていましたので、arduino IDE をつかってhex ファイルを生成し、ATmega328 に書き込みました、フューズは E2 D9 FFで内部8MHz発振で使っています。

 また回路図には電源部とUSBシリアル変換モジュール関連が省略してありますが、2、3ピンのシリアルピンがデータ・ピンと共用してあるのは面白いと思いました。

メイン基板を左に示します、40mmX55mmのスルー・ホール基板上に組み上げました。5V-12V昇圧にはMC34063(SOP-8サイズ)を前回のブログ「百均の5V-12V昇圧IC」の回路と同様に組み上げました。

 パラレル書き込み器の難点のひとつに供用AVRとの接続線が多いことがあげられます。
 接続は右図のようになりますが、本体の出力コネクタに AVR Dragon
 と接続を同様にした20ピンを使用し、さらにそれに接続する3種類(28ピン、20ピン、8ピン)のAVRソケット・アダプタを用意しました。


 冒頭の写真に見られるように、本体を「無印良品」で見つけた小型石鹸ケースに格納しました。このケースが製作意欲をかきたてたのですからできばえには満足です。

 左写真はAVRソケット・アダプタ、 HV RESCUE SHIELD 2 本体、USBシリアル変換モジュールを連結してのテストの様子です。

 右写真はその際の arduino シリアル・モニターです。
 リセットボタンを押すと
   *** AVR HV Rescue More v1.0 とタイトルがでて「デバイスを挿してRUNボタンを押せ、、、」と言ってきます。
 この段階では試供AVRには電圧がかかっていませんので安心してAVRの抜き差しができます。

 RUNボタンを押すと赤色LEDが点灯し、試供AVRの情報と多くのメニューが示されますがフューズ設定が 1. 出荷時 2. 内部8MHz 3. 任意 とあるのは使いやすいと思いました。

 リセット・ボタンを押せばどの段階でも赤色LEDが消え(試供AVRへの電圧が遮断)ます。

 
 今回のものはタイトルにしたように「AVR 高圧リセッター」ですのでとにかくフューズを出荷値にすることが最優先で、あとはICPS書き込み器などでゆっくりと料理すればいいと思います。

 また詳細なスケッチがありますので我々レベルでもいろいろとカスタマイズが可能で、別の楽しみもあります。

回路図の修正

イ401号さんのご指摘により、回路図の誤りが判明しましたので、回路図中「赤字で47k」とある抵抗を正しい場所に修正しました。 ありがとうございました。

2017年4月5日水曜日

百均の5V-12V昇圧IC

 ひさしぶりの電子工作ネタです。
 必要あって5V電源から12Vを得る回路を検討しました。というのはAVRチップの高圧書き込みに使おうと思っていましたので、電力はわずかでよく選択肢もいろいろあります。

 そんななか手軽に、部品点数も少なく、いろいろ応用ができる、、、、と言うことで少し古いですがMC34063を選択しました。(セカンドソースで新日本無線からNJM2360がでています)
 その多彩さは入力電圧が3Vから40Vと広く、出力電圧は可変、電流制限回路も設定でき、出力は2%精度の比較電圧(1.25V)を持っており、負出力も可能です。

 早速トライしようとしましたがICが手元にありません。そこで以前ネットで見かけた記事を思い出しました。
 左写真の百均で売られている「USBチャージャー(車のシガレット・コンセントに差し込んでUSB・5Vを使うもの)の中身が件のICだと言うのです。



 急ぎ入手し、間髪をいれずバラバラに分解したのが右上写真です、そういえば幼い時から何でも分解するのが好きだったなあ、、、、

 さらに部品レベルにまで分解すると左写真のようになり、お宝満載です。

 お目当てのIC(MC34063)は言うに及ばず、インダクタ(測定したら90uHありました)、ショットキー・バリア・ダイオード、赤色LED、遅延フューズなどこれだけでも個別に購ったら¥108ではとても調達できません。

 部品が手に入ったので実験開始です。
 MC34063のマニュアルを参考にしてざっと回路図をおこしました。


 部品の定数は手持ちの関係から必ずしも正しいとは限りません、いい加減です。



 左写真はブレッドボード上で実験している様子です。

 出力電圧は約12Vで1kΩの負荷を抱かせてありますので約12mAながれていることになります。
 このときの5V供給電流は約50mAでしたのでざっとみても50%以上の効率があるということでしょう。

 ちなみに発振周波数を測定したところ約75kHzでした。
 出力電圧の調整は5ピンにぶらさがっている22kΩの増減によりますが、もちろん出力は内部基準電圧によって安定化されていますのでかなり安定しています。

 このICの使い勝手のよさに気をよくして少しストックを持っておこうとあちこち調べた結果、ebayでなんとこのICが10個¥100(送料込み)で売られていました。

 ということで約3週間後に届いたIC10個が右写真です。写真左下は参考に挙げたSOP-8サイズの34063で、右下は今回入手品のレーザー刻印です。










 急ぎブレッド・ボード上でテストをしましたがすべて正常品?でした、、、、でも国内の送料は誰が負担するのでしょうか?

 結果として5V-12V昇圧ICにMC34063を選定したのは正解でした。
 ただこれらのスイッチングICは発生するノイズが難点なので使途によっては注意が必要でしょう。