2012年11月24日土曜日

チャリティーコンサートにでかけてきました


先週、さる銀行の主催するチャリティーコンサートにでかけてきました。場所は愛知県芸術劇場コンサートホールです。
 ことの起こりは、親しい友人の奥様が出演されるということでチケットをいただいた事によります。

  芸術劇場コンサートホールはいつ行ったか記憶も定かでないほどに久方ぶりでしたが、流石に私たちがいつも使わせていただいている地域のコンサートホールとは格段の差で、その広さと、豪華さには圧倒されました。ただあまりに収容人数が多いせいか、観客の出入りが円滑ではなく、また慣れないと自身どこにいるかわからないほどにグルグル動かされる感じで、何かあったら、、、、という感じがあります。

 さて今回のプログラムは生誕150年を迎えたドビュッシー(Debussy)の2曲に、ラヴェル(Ravel)をいれ、最後はプーランク(Poulenc)で締めくくると言った趣向でした。


 これらはデリック・イノウエさんの指揮による名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏によるものでしたが、ラヴェルピアノ協奏曲津田 裕也さんという新進気鋭のピアニスト、そしてプーランクグローリア金原 聡子さん(ソプラノ)のソロと、前述した友人の奥様が所属されている名古屋市民コーラスが共演していました。

 ちなみにこの名古屋市民コーラスは創立50年以上、団員240名というこの地区きっての合唱団だそうです。

  左写真は昨年の定期演奏会のもの(合唱団ホームページより)で、これもドヴォルザーク「スターバト・マーテル」と言う宗教曲を私たちも拝聴させていただきましたが実にすばらしい演奏でした。

 さて、今回は先に述べたように、フランスの作曲家の作品が特集されていましたが、ポピュラーなそして今聞いても新鮮なドビュッシー、ラヴェルを十分に楽しんだ後の大合唱つきグローリアには圧倒されました。これだけのパワーには、宗教曲であることによるものか、大げさに言えばある種の恐れさえ感じられました。それを考えれば、ソロの金原 聡子さんもよくがんばったと言った印象です。
 そしてアンコール曲の(名フィルのみ)カルメンはどの演奏会でもあるように、緊張感の終わった、そして達成感に満ちた、名フィルの何よりも輝かしい部分を垣間見た想いでした。

 この日はコンサートのはじまる前に早めのディナーをしましたが、「新米釜飯懐石」なるものに連れていってもらいました。

 久しぶりに、美味しい・楽しい一日でした。友人に感謝です!!!!


2012年11月20日火曜日

早朝の紅葉狩り


 そろそろ朝の散歩の時刻もほぼ日の出と同じになってきました。キリッとした身の引き締まる心地よい寒さと手袋が欲しいという多少矛盾する季節です。

 抜けるような青空にふと思い立って、30分そこそこの散歩の途中に見かける紅葉の撮影をすることにしました。これぞ紅葉狩りです。(「こうようがり」、「もみじがり」(能)ではありません)
 川岸に立つすこし大きな、紅葉が始まった木のてっぺんに陽がさしはじめました。

 早い時期に始まり、赤から黄色までさまざまな色を見せてくれるのが櫻です。
 どこにでもあって何気なく通り過ぎますが、よく見るとなかなか風情があります。左手にみえる黄色は欅です。

 とはいっても紅葉と言えばモミジでしょう、紅葉と書いてモミジと読ませるほどですから、、、、
 ことしはなぜか「日本中のもみじの名所がそれぞれ綺麗だ!」とマスコミで喧しいようです。

 一口に紅葉と言っても紅葉の生成過程から言って、赤色に変わるのを「紅葉(こうよう)」、黄色に変わるのを「黄葉(こうよう、おうよう)」、褐色に変わるのを「褐葉(かつよう)」があり、実際にはそれらが複合しているようです。


 本来、葉はクロロフィルによる緑色ですが、寒くなるとこれが分解され、別の色素が増加してそれぞれの色になるものとされています。すなわち、赤はアントシアン、黄はカロチノイド、褐色はタンニンによるものです。
 かてて加えて寒くなると枝から葉への水分や養分が遮断されるのも手伝って「金襴緞子・綾錦にたとえられる日本の誇る風景が出現されるのです。
 右の写真は楓(カエデ)と言いたいのですが、本来モミジもカエデも同じもので種類が違うだけです。ちなみにカエデは蛙の手(似ています)が由来とか、、、、


 しばらく歩くと斜面にヤマノイモの特徴ある葉が黄色くなっているのが見えます。子供のころ、この黄色を目印にして場所を覚えておき、冬になってから地面を掘って自然薯を採り出したものです。

 また、山の紅葉にはウルシやヌルデは欠かせません。シッカリとしたこの色(多くは赤)は綺麗なアクセントです。紅葉の撮影は裏側から撮ると綺麗な場合が多いです。


 蔦の葉も綺麗に紅葉します。それとなく探していたら、まさにお目当てどうり、見つかりました。なかなかいい感じです。

 しばらく歩いていると徐々に陽が上がりすこし暖かくなってきました。空はいっそう青くなり、近くの小学校にある銀杏の黄色がまぶしいほどでした。歩道に落ちた銀杏の葉がまさに秋を演出してくれています。

 家に帰り着いて、ふと気づくと真っ赤に色づいたブルーベリーの葉が目に飛び込んできました。長いあいだ家人が丹精してようやく根付かせたものです。
 そして傍らには紫色のサフランが朝日の木漏れ日にむかって咲いていました。

   さあ今日も一日が始まります。

 

2012年11月10日土曜日

晩秋の蓼科

 暑い暑いと言っていた夏も過ぎ去って、気がつけば今年もあと二ヶ月を残すだけになってしまいました。
 朝夕はことのほか冷え込み、高地の山々には初冠雪の便りも耳にします。

 こんなとき、思い立って蓼科に出かけました。
 蓼科には、二十歳代の半ばからこの歳になるまで、45年以上毎年、それも複数回訪れています。当初は中央道も無く、国道19号線を延々と北上する旅でしたが、今では東海環状も開通し、ずいぶん時間も短縮されました。

 朝出発して、途中休みながら諏訪インターチェンジで降り、ヴィーナスラインを登っていくと少し早めの昼食を摂る、お目当ての北欧レストラン「ガムラスタン」に到着します。


 入り口にはスゥエーデン国旗が掲げてあり、「あ!開店だ!!」と、安堵します。
 アプローチには秋ならではの「ガマズミ」の真っ赤な実が、彩を添えていました。


 ガムラスタン (Gamla stan) は、『古い街』を意味するスウェーデン・ストックホルムの旧市街の事だそうですが、 木をふんだんに使った、山小屋風の広い室内は心地よい雰囲気で、蓼科に来たときは迷うことなくここを利用します。

 ここのご主人は風貌が「みのもんた」によく似た、しかし長身の元バスケットボール選手ですが、もちろん奥さんも大変な美人です。


 この店の料理は北欧料理と言う事ですが、特に出色は前菜の盛り合わせとデザートです。


  前菜とは言いながら、幾種類もの料理が、それぞれとても記憶できませんが「これが北欧の、、、、、」との説明つきで盛られており、おいしいライ麦パンをかじりながらいただくともうこれでコースの終わりかと思ってしまうほど満足してしまいますが、、、、これからが始まりです。

 、、、、そしてメインディッシュを終えてもう「おなかいっぱい!!」となってもデザートとなれば「もうひとつのおなか」の出番です。デザートも期待にたがわず大満足でしたが、今回「食用ほおずき」なるものに初対面しました。

 食してみると似ているのは見た目だけであって、オレンジがかった黄色で、味は甘酸っぱく、フルーティーな香りがします(商品名はストロベリートマトとか)。

 効能は、ビタミンA・ビタミンC・鉄分・カロチンそして話題のイノシトールまでも豊富に含まれており、コレステロールの低下、動脈硬化予防、美肌、がん予防、そして老化を遅らせる効果まであるとのこと、、、、

 そして記念に?北欧原産ムーミン母さんのピンバッジお買い上げ、、、、帽子につけた、となりに見えるバッジはスイス旅行のときのグリンデルワルドのバッジです。

 この日は、翌日にかけて前線が通過し雨になる、との予報があり、とにかく少しでも山を歩きに行こう、と急ぎ車山に向かいました。

 途中、八ヶ岳の稜線がきれいに見えるという「女の神展望台・標高1700m」で一休み、、、、一面に秋の季節です。


 そしてさらに登って、、、、白樺湖と蓼科山です。何とか空模様は持ちそうです。蓼科山の女神様に感謝です。 


 私たちはいつも「車山肩」にある「ころぼっくる小屋」を起点にして散策しますが、この日は雨も心配なので「強清水」から「沢渡り」を巡ってくる1時間ちょっとコースを散策することにしました。


 しばらく歩くと枯れた「シシウド」の向こうに「八島湿原」が、逆三角形状に黄色く見えています。

 ちょうど2ヶ月前見た景色と比べてみると一面の緑草が枯れている様子がわかります。
 でも高原の散策は季節にかかわらず気持ちのよいもので、景色も時々の側面を見せてくれます。

9月はじめに来たときは意外と花が多くあり、とくに「トリカブト」の群生はうつくしく、驚きました。

 散策はさいわいなことに途中すこし雨がパラパラっとしただけで無事ホテルに到着しました。










 翌日、雨は夜半に終わり、起床したときははわずかに残っている程度でした。


 近くの聖光寺に出かけてみましたが、まだ薄いもやがかかっていました。


 曇天ながら紅葉した「モミジ」の葉は本当に美しく、これぞ日本の色、、、、と言ったところでしょうか。

 雨も上がったようなので、無藝荘(むげいそう)に出かけてみる事にしました。

 場所はそんなに遠くではないのですが、これまで移動の途中に見かけても面倒くささが先にたって車を止められないでいたのです。
 ところが行ってみると残念ながら休館でした。よくみると、開館は10月の終わりまでで、それも特定の曜日のみです。たしかにここ蓼科は今シーズンオフなのでしょう。(スキーシーズンまでは?)

 無藝荘(むげいそう) は、小津安二郎が昭和30年頃から蓼科の別荘として利用していた、かや葺き屋根の建物で2003年に、小津の生誕100年を記念し、建物の保全の為、数100メートルはなれた現在の場所へと移築されものだそうです。

 また、同じ場所に「高浜虚子」の句碑も立っていました。

   山々のをとこぶりみよ甲斐の秋
   やまの日は暑しといへど秋の風
   ははをよぶ娘や高原の秋すみて

昭和14年9月24日

 そして帰りがけにこれまたお定まりの「バラクラ・イングリッシュガーデン」に立ち寄りました。いまはシーズンオフのため、庭には入らずショップのみの立ち寄りです。

 ちょうどハローウインのシーズンにちなみ、入り口にフォックスフェイスとカボチャのディスプレイがありました。 シクラメンの花も一時顔を出した陽の光に輝いています。

 昼食をどこで摂るかを思案した結果、中央道を途中で降りて、栗ご飯を食べに行く事にしました。

 ここ中津川の茶房満天星(どうだん)・一休」は知る人ぞ知る有名なところで、ここの「栗おこわ膳」はとくに好評です。
 過日休日の昼時に来たときには長い行列で、泣く泣く帰った記憶がありますが、平日の1時過ぎとあれば、悠悠と席に着く事が出来ました。

 写真で見られるように、栗がいっぱい入ったおこわは、何せ私の大好物ですし、さらに泣かせるのがデザートについている栗きんとんです。このお店の栗おこわは年中食べられますが、やはり旬の栗を使ったものは格段においしく、至福のひと時でした。
 このお店は茶房といっても本来はお菓子屋さんなので、おいしそうな和菓子がたくさんあります。幸いなことに以前味わった、「栗こもち」がわずかに残っていたので、家に帰って味わう事が出来ました。



 まぶしいようなこのオレンジ色も私の大好物です。

 今回はお天気を覆してのおいしい、たのしい、本当にいい旅でした。 


 ♪ 今はもう秋~ 
         もう柿~ 



2012年11月7日水曜日

近くの美術館


 先日、秋晴れの心地よい空気に誘われて、近くの美術館に出かけてきました。
 この美術館は1995年(平成7年)に開館した、市の公立美術館です。建築は土門拳記念館、葛西臨海水族園そしてニューヨーク近代美術館新館などの作品でで知られている谷口吉生による、鉄とガラスのシンプルな形態のモダニズム建築で、展示や鑑賞や収蔵品の管理に対する配慮の行き届いた機能的な建築であると評価されています。


 知名度の低さや、アクセスの悪さなどであまり知られていませんが、私はなかなか良いところだと思っています。



 入り口にある、かつて挙母城(七州城)を左手に見て緩やかな坂を上っていくと木々の間の開けた空間に建物が目に飛び込んできますが、このシーンは私のお気に入りです。

 周囲の景色とはかけ離れたこの開放感はやはり建築家のすばらしいセンスなのでしょう。

 美術館のエントランスから歩いてきた方向を振り返ってみた景色です。

 この広場にもいくつかの野外展示作品がありますし、春には多くの八重櫻がきれいな花を見せてくれます。



 右は、もう一段上にある、美術館の前面に広がる池です。四季折々の、またその時々の景色を水面に映し出してくれます。

 そして私が家人と連れ立ってここを訪れるのは、もうひとつのお目当てで、館内レストランの「七州」です。


 このあたりではこのお店に勝るところを私は知りません。味、センス、雰囲気、そしてもちろん廉価と言う点でです。



 これは、レストランの中から見られる、鏡の衝立をいくつか組み合わせた野外作品です。 ときおり、鏡の中にお年寄りのカップルを発見して、???自分たちだと気づいて苦笑いをしたりします。




 また、芸で高名な作家髙橋節郎氏」の作品を収蔵する髙橋節郎館」が併設されていますが、、その中にある休息エリアで、ゆったりと深めの椅子にすわって見るこの落ち着いた景色が家人にはことのほかお気に入りです。きれいに等間隔に植えられた、メタセコイアの緑のなかにも野外作品があってこちらを見ているようです。


 当日は、子供たちを集めて、鉄板をトーチで焼ききったり、アークで熔接したりしていろいろなオブジェを作る催しが開かれていました。一見危なそうに見えましたが子供たちは臆することなく、モノつくりに集中し、楽しそうで私たちも思わず見とれてしまいました。


 このようにこの美術館の学芸員さんたちは、分野にこだわらず、(展示内容も古典から現代まで)いろいろ工夫して我々に楽しみを与えてくれています。

 そういえば今年の夏はドイツフランクフルト市にあるシュテーデル美術館からフェルメールの地理学者」を招待して、大賑わいでした。

 ということで、私たちは作品の鑑賞にも増して、すっかりお馴染みになった「七州」のマスターの顔を見にこれからもたびたび通う事になりそうです。