2015年11月18日水曜日

リムーバルUSB HDDの製作

 Windows10のアップグレードサービスが7月に始まって3ヶ月経った10月はこれを機会に、、、、と数台ある手持ちのパソコンのバックアップやら、アップグレードやらで大童でした。

 取り出したハードディスクドライブ(HDD)を数えてみたら40GBの古いものから最近の1TB(1000GB)のものまで、約30台にもなっていたのには我乍ら驚きました。バックアップを取ったり、データが増えてボリュームを増やしたりして徐々に台数が増加したのです。

 古いHDDは捨ててしまうのも勿体ないのでデータの保存用に使うこととして、これまた元にあった古いMO DRIVEのケースを利用することにしました。上写真右がケース、左が2.5インチHDDで、右写真はケースの中身です。

 ケースは少し大きく、3.5インチでもいけそうでしたが、電源が外付け5V(電流は2.3Aでベスト)のみでしたので、今回は2.5インチ専用としました。(3.5インチのものはそのうち作りましょう)

 今回のキモであるHDDとパソコンのUSBとの変換ケーブルはあらかじめ入手しておいた中華製を用いました。
 左写真の黒いケーブルがそれでデータ変換用のICなどはHDDとの接続部に入っています。
ebayで HDD Converter Cable USB 2.0 to IDE SATA hot で検索すれば出てきます。約\400でしたから日本での半値以下(もちろん送料込み)です。


 右写真はブラックボックス?の中身です。
 ハンダ付けは少々怪しい部分がありましたので修正しておきましたが、立派に作動します。









 このままでももちろん動きますが、使い勝手を考慮して少し電源周りを修正しました。

 今回製作したリムーバブルHDDの電源をパソコンから供給せずに自前でまかなうために上図中のUSBから来ている赤線(Vbus +5V)を切断し、さらにUSB補助プラグも切断します。
 USB補助プラグはメインのUSBプラグひとつでは最大500mAしか電流がとれませんので2つプラグを挿して合計1000mAまで使おうというものですが、、、、古いHDDは2.5インチといえども1A以上消費することもありますので、やはり自前の電源(5V2.3A)を使います。

 そしてこの外付け電源の+5Vは電源プラグを経由して、途中にスイッチを入れ、もともとUSB
プラグから来ていたところ(赤)に接続します。またGNDはUSB
プラグから来ている(黒)に接続します。(右写真)

 また基板から引き出している線はケースの正面にLEDインジケータを光らせるためのもので基板上にある+のマークに注意します。本来のLEDはそのまま残しています。

 左写真はケースの加工状態を示しています。

 1mmのAl板を加工してガイドにしてあります。手前から押し込んでいくと奥のソケットとうまくかみ合って接続されますが、これらはすべて現物あわせで行いました。

 右下はHDDが格納された様子です、HDDは片面がプリント基板むき出しのものがほとんどなので、そちらが上になるようにし、ガイドも内側に絶縁テープを張るなどしてトラブルを回避する工夫をしています。
 今回は特にトラブルも無く、無事に稼動状態になりました。

 右写真はフロントパネルの様子ですが赤い作動インジケータLEDが元気に点滅しています。ベーゼルはもともとついていたものに強引に手を入れた物ですが、何とか観られるように仕上がりました。

 次は3.5インチ用のものにチャレンジしてみたいと思っていますが、いつになることやら、、、、

2015年11月13日金曜日

秋の甲信1泊小旅行(第2日 Ω ra Art Museum)

 昨夜はホテル露天風呂で雨に打たれながらの風流な湯浴みを楽しみ、夕食はお定まりのビュッフェ・スタイルとて、またまた胃の腑のストレッチにチャレンジです。

 翌朝になっても蓼科山にはお目にかかれませんでしたが、雲は徐々に上がっていき何とか降られずにすみそうです。

 山の上に行くことはあきらめましたが、せめてものということでホテルの周りを散策することにしました。
 この散策路はお気に入りで、約1km弱あります。
 早々に私どもの行く手を何か小動物が駆け抜けました、よくみるとリスです、この時期来るべき冬の準備に大童なのでしょう。






 このあたりの標高は約1000mあり、白樺の幹がきれいです。
 反面、昨日堪能したような赤い色は皆無でカラマツやコナラなどの黄色一色です。


 地面はすっかりそれらの落ち葉に覆いつくされており、まるで絨毯の上を歩くようにふわふわと心地よい感触でした。


 周りは見上げるような大きな木ばかりですが、ときおりきれいな黄色い葉をつけた潅木がアクセントとなってくれました。


 かつて農業試験関連の設備があったという苔むした遺構のなかに白い小さな花が咲いていました。


 赤い小さな実に雨上がりの水滴がいくつもきらきらと輝いていました。約30分ほどだったでしょうか、高原の秋を十分に楽しむことが出来ました。

 前述したように、山は諦めるとして、、、、今日は何処に立ち寄ろうかといろいろ思案の結果、今年ノーベル賞を受賞された大村智先生がつくられたという「韮崎大村美術館」に行くこととなりました。



 「韮崎大村美術館( Ω ra Art Museum )」は大村博士が私財で創設し、韮崎市に寄贈されたものだそうで、その時期がこのノーベル賞で沸いた8年も前の2007年というのも25億の巨費とあいまって大変な驚きです。

開館当時の広報資料から











 この美術館のロゴの中に使われている見慣れない文字はギリシャ文字で電気抵抗でおなじみの Ω(おーむ)ですから後に続くraとあわせて、「おーむら」と読むのはわかりますが、 Ω のなかに小さく見える、博士の名前の智のまではわからないでしょう。でも Ω の組み合わせが大村先生の大好きな温泉に見えたのは私だけでしょうか?

 美術館の傍らには博士が自費で掘削・建設した日帰り温泉施設「白山温泉」や蕎麦処「上小路」があります。温泉は空いていましたが、蓼科で何度も浸かってきましたのでパス、蕎麦屋ではこれも昨日おいしい蕎麦を食べましたので、「ほうとう」風の饂飩を昼食に食しましたが、小一時間待ちでした。

 右写真は「白山温泉」とその前にあった願掛け地蔵です。ノーベル賞受賞が決まったとき、この地蔵さんを洗っておられた博士がTVに登場しました。

 美術館は約1800点に及ぶ多くのの絵画や陶磁器を所有していますが、分野は大きく分けて1つは上村松園、秋野不矩、片岡球子など日本の女流画家の作品が多くあること、これは博士が女子美術大学の名誉理事長であることにもよります。ついで鈴木信太郎のコレクション、そして陶磁器の分野、、、、と博士の見識と趣味の広さが垣間見えるようです。

 上の写真は四季桜でしょうか、エントランスなどお祝いのコチョウランが所狭しと並べてありましたが、美術館敷地の片隅からつつましやかに受賞をお祝いしているようでした。



 右写真は「韮崎大村美術館( Ω ra Art Museum )」で購入した鈴木信太郎の絵葉書です。



 今回の甲信1泊旅行は雨に祟られたおかげ?で「野村陽子植物細密画館」と「韮崎大村美術館( Ω ra Art Museum )」を訪れることが出来ました。すばらしい秋の景色、美術そしておいしい食事、、、、と本当に楽しい一泊旅行でした。

2015年11月10日火曜日

秋の甲信1泊小旅行 (第1日 野村陽子植物細密画館)

 かねて中学時代の友人との甲信1泊小旅行の約束が、都合で延び延びとなっていたものがようやくにして実現しました。
 
 これまで長い間晴天続きであった天候がなぜか予定日の2日間とも雨、、、、ということで高原のハイキングもならず、急遽伊那市にある「野村陽子植物細密画館(かんてんパパミュージアム)」に立ち寄ることとなりました。

 冒頭の写真はそこで求めた絵葉書、ミュージアムのパンフレットそして拾った紅葉です。



 野村陽子さんは長野県上伊那郡の生まれで、大学やテキスタイル専門学校で学んだ後、独学で植物細密画(ボタニカルアート)を始め、現在では標高千メートルの清里高原に住み四季折々に咲く野の花を中心に制作中とのことです。

 かつてまだ写真のない時代薬草を見分けるために図譜が作られましたそれが植物細密画の始まりで、なかには芸術品の域にまで達した素晴らしいものもあります。今日でもルドゥーテの描いたバラの絵は特に有名です。(右写真)

 野村陽子植物細密画館は長野県伊那市のかんてんメーカの工場敷地をベースにした「かんてんパパガーデン」内にあります。

 お昼近く幸い雨は小雨になっており、ガーデン内を散策することができました。
 上はガーデン内のショップ&レストランです。

 後で聞いたところこのガーデンは紅葉もすばらしいということで、幸いにも花なら満開といったタイミングで私たちは訪れたようです。




 予想だにしていなかったすばらしい紅葉の空間に飛び込んでしまい、ただその美しさに呆然としてしまいました。陽こそ射してはいませんでしたがその赤や黄色の華やかさは私たちの気持ちを一気に高揚させてくれたのです。

 とはいうもののそろそろお昼を、、、、ということになって蕎麦屋さんを目指しました。
 栃の木というこのお店はなんでもリニューアルしてまだ間が無いとのことで気持ちよく昼食をとることができました。





 



 メニューは「季節限定 山菜きのこ とうじ蕎麦」としました。あらかじめ火を通してある山菜や きのこ のなべの中に小分けしてある蕎麦の玉をちいさな笊にいれたものをサッとなべで暖めて食べるのです。 最後はオプションのご飯と卵で雑炊にしてすべて完食、、、、これがなかなかおいしかった。
 ちなみにとうじ蕎麦のとうじは、なべの中に投ずる、からきているとか。



 一杯になったお腹のためにしばらく野村陽子植物細密画館を探しながら散策です。

 この「かんてんぱぱガーデン」はもともと工場敷地であったものを憩いの場にしたとのことで、開発に当たっては元来あった木々をできるだけ生かすように配慮されているとかで、あちこちに大きな木々が茂り、豊かな気持ちにしてくれます。

 紅葉について調べてみたら面白い記述に出会いました。
 多くの紅葉植物とそれに寄生すアブラムシ類との関係が調べられ、紅葉色が鮮やかであるほアブラムシ寄生が少ないことが発見されたというのです。
 紅葉の原因となるアントシアニンやカロテノイドは直接害虫への耐性を高めるわけではないけれども、「十分なアントシアニンやカロテノイドを合成できる自分は耐性が強くて健康なのだから寄生しても成功できないぞ」と呼びかけているとみなせるという説です。

 上写真はおそらくコシアブラでしょうか、葉は白く紅葉?していますが、アントシアンやカロテノイドはないのでしょうか?

 右写真はドウダンツツジ(灯台躑躅、満天星)です。
 これほどまでに美しく紅葉したドウダンツツジを観るのは初めてですが、何か花のような黄色いものが葉の間に見えました。

 帰宅して調べてみたところこれはドウダンツツジの実のようです。
 花は白く、垂れ下がって咲くのですが実は上を向いています。この後さらに時が過ぎるとこの黄色い実は茶色になって五弁にはじけて種子を飛ばすのです、上を向くことで少しでも遠くへ飛ばそうというのでしょうか、、、、


 野村陽子植物細密画館がみえてきました。
 少し高いところにあります、息を弾ませながら登っていきました。
 
 ここは入館料は無料です。入口の傘も紅葉しているような、、、、(下)


 彼女は原画を売らないそうで、こちらの部屋にはプリント・コピーしたものが飾ってありました。


 もうひとつの部屋はすべて原画が展示してありました。
 係りの人にことわったら部屋の外から、人物と一緒ならいいですとのことで、パチリ!

 植物細密画(ボタニカルアート)のお約束としては
1 実物大に描く
2 背景を描かない
3 人工物(植木鉢、花瓶等)を描かない
4 植物の持つ特性を変えない
ということですが、これらの作品はもちろんこれに則っており、精緻さを伴った実物大の植物画は意外と大きくかつ迫力があり圧倒されました。


 冒頭写真のはがきを何点かとボタニカルアート・レッスン書なるものを求めたのちミュージアムを後にしました。

 幸い雨は傘が必要ないまでになっていました。
 一本の木でこのように多様な世界がかもし出されるとは今まで知りません、時を忘れて見とれていました。

 ヒメリンゴとガマズミの実です、どちらも雨にぬれて赤く光っていました。










 ということで、おいしい昼食、すばらしいボタニカルアートそして思いがけなかった紅葉のガーデンを後にしてホテルに向かいました。
                      この続きはまた明日、、、、