2014年8月24日日曜日

北欧へ (13) ヘルシンキ

 いよいよ最後の国、(といっても最初に北欧へ入ったのはデンマークへの乗り継ぎではありますが、フィンランドのヘルシンキですが)フィンランドへ出発です。
 ストックホルムとヘルシンキの間にはタリンクシリヤラインの巨大フェリーが就航しています。(途中オーランドに寄航)
 私たちが乗船する船は「 シリヤ・シンフォニー号 」で全長203m、58,000tもある巨大船です。客室は995室あり、船客定員も2,852人を収容できますが、船種はやはりフェリーでスウェーデン籍です。

 フェリーである証拠に、上写真では船首に車両誘導用の橋が見えます。この船を回り込むように仰ぎ見ながらこれから乗船です、大きいなあー。

 船の入口ではマスコットのムーミンがお出迎えです。ちなみにシリヤラインのシンボルはアシカのマークで、船の煙突にもかかれていました。

 例によって船は17時定刻に音もなく出航です。屋上デッキに立って景色を見ていても動いていることに気がつかないほどです。

 ふと壁にある時計を見て驚きました、時針が二本あるようです。目をこすって再度見ましたが、まちがいありません。さらに見ると進んでいる針にはフィンランドの国旗が、もうひとつにはスウェーデンのそれが小さくデザインされています。

 わかりました!このフェリーはその2カ国専用なので、1時間の時差をそのまま表示しているのです、、、、

 今回の夕食もやはりビュッフェスタイルでしたが、何せ船客が多いのでビュッフェスタンドも広く、多種類もの料理がおいてありました。


 中でも好評だったのは、ワイン、ビールが飲み放題だったことです。(サーバーは左から、赤ワイン、白ワインそしてビールです)

 左写真は船の中央スペースで、140mほどあろうかというプロムナードです。
 ここ7階部分はショップ、レストランで左手前には白いピアノがあり、先方左ではバンドがなにか演奏していますし、そして背高人が二人散歩しています。

 8階以上は客室になっていて、いわゆる海側ではない部屋の窓がたくさん見えています。


 天井までは10m以上の高さがありそうでずいぶん広い感じがします。プロムナードの人も徐々に増えてきました。
 ホールのステージではショーが始まっていましたが、この色彩感覚と理解できない言葉では早々に引き上げるしかありませんでした。

 遠くにディーゼルエンジンの音を夢心地に聞きながらの静かな航海でした。


 朝食に出かけたのですが、昨晩に比べてずいぶん空いていました。入口では厳密にチェックしていましたので、もしかして朝食も無条件でのサービスではなかったみたいです。おかげさまで静かな時間をたっぷりと過ごせました。

 ヘルシンキの港に近づくと沿岸要塞跡がいくつも見えてきました。


 船の前方に港が見えてきました。
 何艘もの大きな船も見えています。

ヘルシンキに到着後、私たちは大聖堂、シベリウス公園、テンペリアウキオ教会などに立ち寄り、最後にエスプラナーデ通りで散策をした後、帰国の途に着きます。


 左はヘルシンキの地図ですが、① が港です。



 




 陸側を見ると教会の尖塔が見えます、この形はおそらくドイツ教会でしょう。






 港を後にしてヘルシンキ大聖堂に向かいます。
 途中で古い灯船が係留してあるのを目にしました。




 フィンランドは一世紀以上にわたりロシア帝国の支配を受けていますが、この大聖堂は1917年にフィンランドが独立するまでは「聖ニコラウス教会」と呼ばれていました。

 大聖堂前の大広場に建つ銅像はロシア皇帝アレクサンダー2世の像ですが、かつての支配者だった皇帝の像が現存するのは彼がこの地で善政を施したことによるものとされています。


 近くを走っているのは観光用の、トロッコ車両を引いた市外電車です。
 なぜかバスの色も皆同じように塗ってありましたので、突然ロシア人と思われるご婦人が間違えて乗り込んでこられたのも理解できました。この広場には同じような色のバスが何台も駐車していたのです。


 左はオリンピックスタジアムです。
 1952年(昭和27年)、日本にとって16年ぶ第二次世界大戦後初)の夏季オリンピックの参加となった場所です。

 このときはレスリング(フリースタイル・バンタム級)の石井庄八選手が唯一金メダルを獲得してます。小さく5輪マークが見えています。




 ついで私たちはシベリウス公園に行きました。

 シベリウスはフィンランドの英雄的作曲家で、1900に発表された交響詩「フィンランディアは、愛国的な感情を呼び覚ますとされ、当時支配を受けていたロシア当局の弾圧を受けたほどです。
 左上写真は金属製のパイプオルガンを思わせるモニュメント、右上写真の右下には彼の頭部像があります。
 テンペリアウキオ教会は1969年にデザイン・コンペで選ばれた作品です。

 氷河で削られた固い岩石を約10m掘り下げ、天井は直径24mの銅製フレームのガラスドームで囲まれた円柱状の半地下教会で、「岩の教会」とも呼ばれています



 右写真は後方の入口付近から内部を見たもので、左前方が祭壇です。

 当初の計画が変更され、むき出しになった岩の壁はこの空間をより音響的に優れたものとし、今ではコンサートがしばしば開かれているとか、、、、




 ということで、あとはエスプラナーデ通りでの散策です。
 ヘルシンキ中心部にあるエスプラナーデ通りは、フィンランドを代表するマリメッコなどデザインショップや、ストックマンなどの老舗大型デパートなどが連なる一大ショッピングスポットなのです

 まずはマリメッコへ直行です。(右は入口、左上は内部)
 最近日本でも良く見られるようですが、そのデザイン、色使いはマリメッコならではです。

 通りにはヘラジカもいました。


 ヘルシンキの老舗デパート、ストックマンです。一階のショウウインドウに50%offの張り紙が見えています、サマーバーゲン、どこも同じです、、、、

 左写真はストックマンの近くの広場にあった群像です。なにか労働を象徴しているようですが、よくわかりません。

 その足下でゆっくり休息している人がいます。


 その後集合時間となって一路空港へ。

 途中で見かけた道路建設の様子ですが、足場から何からすべてが材木で組んであり、まるでマッチ細工のようです。確かに北欧は森林と湖の国々です。


 、、、、無事日本に帰ってほっとしている間にずいぶん時間が経ってしまいました。
 ブログも簡単に済ますつもりが、ついつい13回も続いてしまいました、もっともいつものことですが。

 今回の北欧4ヶ国の旅はこれまで以上に楽しむことができましたし、帰国してからのブログ作成でさらに楽しみました。
 左写真は連れて帰ったムーミンとトロールそしてストックホルム市庁舎のブックエンドです。

 こうしていられるのも日々の健康管理のおかげです、感謝、、、、そして最後までブログにお付き合いいただいた方々にも感謝です。

(完)

2014年8月19日火曜日

北欧へ (12) ストックホルム (2) (ガムラスタン)

googleより
 いよいよガムラスタンです。ガムラスタンという名前は私たちが度々訪れる蓼科でよく利用するスウェーデン料理レストランの名前でもあるのです。
 従って今回の旅行での楽しみの一つでもありました。

 ガムラスタン (Gamla stan) は「古い町」を意味するスウェーデン語で、ストックホルム王宮のある周囲約1.5kmのスターズホルメン島を指します。(左図)
 また、このストックホルム旧市街の古い街並みは、宮崎駿のアニメ映画「魔女の宅急便」における参考になったことでも知られています。

 私たちは先ず上図 ① の場所に行き、対岸の景色を楽しみました。
 右のパノラマ写真の左側に白く見えるあたりがガムラスタンで、大聖堂やドイツ教会の尖塔らしきものが見られます。

 ストックホルム王宮です。
 ここも衛兵が立哨しています。昨日のドロットニングホルム宮殿では昔の陸軍の制服のようでしたが、こちらでは近代的な海軍のそれのようです。その時々で入れ替わっているのでしょう。

 ここは内部の見学はなく、中庭を抜けて外側から建物を見るだけでしたが、ここも内部は撮影禁止だそうで、、、、ま、いいか。

 右はエントランスホールで、宮殿内へは階段を上がって、金色の入口から入ります。

 中庭に面した一階部分にあった石像です。
 それぞれ立派なもののようですが、無造作においてありました。
 こちらの大砲は現役の礼砲用なのでしょうか、砲口もキャップが被せてあるだけのように見えます。
 これまで見てきたものはどれもコンクリートや鉛で塞いでありました。立哨の衛兵も見えています。

 ストックホルム開拓とほぼ同時期の13世紀に立てられたという、ストックホルム最古の教会であるストックホルム大聖堂です。戴冠式はここで執り行われます。(冒頭の図参照)

 いかにも時代を表現しているという石畳の路をガムラスタン中央部にあるストールトルゲット広場に向かいます。
 街並みを撮影しようとしたら素敵なご婦人がそれとなくポーズを取ってくれました。

 ストールトルゲット広場は宮殿から指呼の間にあります。古い建物はまるでお伽話の世界ですが、この広場は16世紀はじめにデンマーク王クリスチャン世が100名余のスウェーデン独立派の貴族などをだまし討ちにした歴史があります。
 
 平和な今では当時の?衣装で楽しそうに闊歩する若者も見られました。

 広場にあった水のみ場(井戸?)でかつては馬なども繋いだということです。


 大広場に面する一番大きな建物は、かつて証券取引所だったスウェーデン・アカデミー Svenska Akademien 1786年設立)です。

 ここの1階部分にノーベル賞100周年を記念して2001年にノーベル博物館が開設されています。

 右写真は近くにあるドイツ教会です。時計塔はまさに正午を指しています。

 今日のランチは肉団子でした。ガムラスタンの名物ということでしたが、、、、肉団子でした。

 食後、冒頭の図 ② 地域の古い街を散策しましたが、土曜日のせいか多くの人々で混雑していました。




 路はせまいですが、このあたりはほとんど歩行者天国になっています。

 両側に立ち並ぶ建物や店はいづれも歴史ありそうなものばかりです。



 冒頭の図 ③ の場所へも足を伸ばしてみました。(左)

 さすがにここまで来ると車、バス、電車が目に飛び込んできて、現実の世界に引き戻されたような気がしました。

 再び、今度は人通りの少ない道に入ってみました。



 古い街だけになかなか味のあるアイアンをいくつか見かけました。



 これらのセンスや技術は石造りの建物や路と同様に日本では見られないすばらしいものだと感じました。


 集合場所のストールトルゲット広場に戻ってきたとき、ウエディングドレス姿のカップルが人目もはばからず抱き合っているのに出会いました。

 コマーシャルの撮影かとも思いましたが、正装の友人と思しき人たちも見受けられたので、おそらくこの近くの寺院で挙式なのでしょう。

 ということで、ガムラスタンの観光を終え、フィンランドのヘルシンキ行きの船に乗船するため出発しました。

 たまたまそのときバスの中から珍しいものを見かけました。


 「親子自転車」です。お父さんの自転車の後ろにかわいい自転車のトレーラーがくっついています。

 そして小さい彼も一生懸命ペダルを漕いでいました。その後に続く、お兄さんと一団で楽しい週末のサイクリングなのでしょうか、、、、
 さすが北欧は自転車の国、そしてアイアンの国、、、、