2021年5月30日日曜日

梅雨の晴れ間の庭花

 

 今年は記録破りの5月中旬の梅雨入りとか言われていましたが、下旬に入って雨も一段落、梅雨の晴れ間となっています。

 庭のサツキもいよいよ出番、、、、それも当然、名前の由来は5月(皐月)に咲く花からきています。この花は万葉の昔から「岩つつじ」として歌集に登場していたとか、、、

 ツツジが4月ごろ開花してから葉が出るのに対し、サツキは葉が生えそろったいまの5月に開花します、濃い緑に花がほど良く映えています。







 一方こちらはジャスミンの花盛りです。古く親しい友人からもらったもので、ゴーヤーなどの緑のカーテンに代えて育てていたものがようやく様になってきたのです。









 このブログをアップするに際して、少し調べてみました。このジャスミンはスタージャスミンと言われるもので、中国、台湾に分布するキョウチクトウ科テイカカズラ属の常緑性つる性低木だそうです。

 通常のジャスミンがモクセイ科ソケイ属で、原産はインド・ヒマラヤ・カシミールとされていますので似たような名前ではあるものの別種です。

 しかしながらその香りのよさと、楚々とした花の美しさで近頃もてはやされているとか、、、、

 そしてもう1種類狭い庭に我が物顔で咲き誇っているのは、南東ヨーロッパから中央アジアに分布する、セリ科オルレア属のオルラヤ・ホワイトレースです。












 我が家の庭がよほど気に入ったのか、年々増加していますが、白いレースのような繊細な花は、この時期同時に咲くバラなど多くの色合いの花とよく調和するようです。

 これから本格的な梅雨になれば、似合う花はアジサイでしょう。

 左写真は庭の片隅に咲いているヤマアジサイです。
 ヤマアジサイ(山紫陽花)は通称ガクアジサイとも呼ばれる原種に近いアジサイで、華やかさや豪華さでは園芸品種の大ぶりなアジサイには譲るものの、より自然な魅力があり、その可憐な花姿や小ぶりな樹形から根強い人気があるようで、花の色の変化も見逃せません。




 右写真はガクアジサイの仲間、墨田の花火です。
 もともと横浜のとある民家の庭で育てられていたものを園芸種にしたもののようで、花は白から次第にほのかな青色になっていきます。
 名前の「墨田の花火」は花火のように星形の花が飛び出すような様子を隅田川の花火大会にたとえたものだそうです。

 我が家にはこのほかに何種類かのアジサイがあるのですが、寂しいことに今年はなぜか花をつけていません。

 コロナに梅雨と、何となく重苦しい日々をこれらの花々に慰められているような気がしています。

2021年5月25日火曜日

いまさらのGPS受信機

 
GPSGlobal Positioning Systemまたは Global Positioning Satellite)とは、アメリカ合衆国によって運用される衛星測位システムのことです。

 他の国にはそれぞれ呼び名があるようで、たとえば日本の「みちびき」は準天頂衛星システムQZSS Quasi-Zenith Satellite System)と呼ばれ、現在4機が稼働中です。
 またロシア、欧州、中国、インドなども保有しており、今100機以上のGPS衛星が天空を駆け回っているようです。
 
 この衛星はその名前が意味するとうり、測位に用いられ、今では当たり前になったカーナビやスマートホンの地図情報に用いられています、それも無料で。
 一方本来の目的である、軍事用途では、ミサイルの誘導などに使われているのも自明のことです。

 今回、このGPSからの電波を受信し、衛星の情報を得るための受信機を入手しました。
 もちろん最新版ではなく何世代も前のものですが、私が受信したい正確な時間情報を得るには十分なものです、しかもその値段たるや、アンテナ付きで、わずか数百円にまで下がった、ときたら試してみる価値はあります。

 冒頭の写真がその、u-blox社のNEO-6Mですが、このボードには上写真の左上にみられるデータ保持用の電源であるスーパー・キャパシタが機能しなくなっているという
共通の問題がありますのであらかじめ取り外しておきました。

 右写真は早速コンピュータとRS232で接続して様子を見ているところです。
 ボード上のLEDが1秒間隔で点滅を始め、作動開始しましたので一安心です。




 この受信機は約24x36mmで左写真中の10円玉と比較しても小さなものであることがわかります。

 データ・バックアップ用の電源はCR2032というLiボタン電池を使いましたが、一次電池ですので、逆流防止用のダイオードは必須です。
 スペックではデータ・バックアップ用の電圧は1.4VまでOKとありますのでダイオードの電圧降下は問題ないでしょう。

 上画面は、u-center という専用のソフトを用いてパソコンで衛星からの情報を表示させたものです。 まだ電源を入れたばかりなので、大空にある衛星のうち緑色で示された4個のみの情報を入手しています。時間経過とともに、緑の衛星が増えていくのを見ているのも楽しいものです。
 右下の時計はUTC(Coordinated Universal Time) 協定世界時で示されており、日本標準時 (JST) は協定世界時より9時間進めた時間です。

前述したように、今回の本当の目的は、周波数カウンタに使用する正確な10MHzを得ることなのです。それもppb(10のマイナス9乗)が必要です。

 GPS衛星には主にルビジウム原子時計が搭載されており、その周波数の正確さは10のマイナス11乗ですので、これを受信して10MHzの周波数基準を作ろうというわけです。(そのうちブログでご紹介したいと思っています)



 NEO-6Mでは出力パルスの初期設定値は1Hzとなっていますが、u-centerViewメニューからConfiguration Viewを開き、左側に並んでいるメニューからTP5(Timepulse5)を選択して右のような入力ボックスを出します。

 そして、それぞれに数字を入力(右の例では10kHz)してConfiguration Viewの下にあるSendボタンを押せば目的の周波数パルスを出力することが出来ます。















 ただこの設定はメモリに記憶させておかないと、電源を切った時に消えてしまいます。
 記憶させるには、Configuration Viewの左側に並んでいるメニューからCFG(Configuration)を左上のように開き、必要事項を入力してから、これも同様にConfiguration Viewの下にあるSendボタンを押す必要があります。


 このようにして得たそれぞれの出力パルスをオシロスコープで観察してみたのが上写真です。
 左はデフォルトの1Hzのパルスで、カウンタの測定値も併せ挙げておきましたが周波数基準が正確ではないので、438という数字が出ています。数値そのものはほとんど動きません。

 中央は10kHzです、50%のディユーティを指定してあります。波形がなまっているのは、プローブのせいでしょう。右は10MHzですが安定度にかけます。

 今回旧型のGPS受信機u-blox社のNEO-6Mをきわめて廉価で入手しましたが、期待以上の使いやすさでしたので、これをベースに10MHzの周波数基準を作ろうと考えています。

2021年5月14日金曜日

超安価な12V3.7A電源

 5月も半ばになって、コロナ禁足というわけではありませんが、ようやく冬用タイヤの交換に出かけました。
 その間の待ち時間に、近くにあったゲームソフト屋さんをのぞいてみました。

 もともとゲームには興味はありませんが、ゲーム機はコンピュータそのものですし、家電を含めたハードの中古品がそこそこ展示されているからです。

 そんな中、気になるものを見つけました。
 NintendoのWii用のACアダプターです。(左写真)それもなんと¥198(税込み)です!!

 デザインは抜群ですし、オモチャ用ですので、安全性や耐久性は場合によっては安物の部品単体より品質は上かもしれません、なにせ部品メーカもMITSUMIなのですから、、、

 とりあえず家に連れ帰って、さっそく開梱してラベルを確認してみました。
 入力はAC100V、出力は12V3.7Aとあり、実験に使うには十分でしょう。

 入手したからにはまずは分解です。ところが左写真の左側に示したようにネジの頭が特殊な形をしており、対応できる工具は手元にありません。




 ならば、、、とダイヤモンドカッターで右側のように切れ込みを入れ、マイナスドライバーで外すことが出来ました。

 内部は想像していたように、スイッチング電源そのものでした。(下写真)右写真は基板裏面です。

 造りはさすがにMITSUMI製だけあって見事なものです。





 容量は、12V ✕ 3.7A = 45Wということですが、うまく設計されているのでしょう、思ったよりスリムにできています。







 次いで出力特性を見てみました。
 右は自作の電子負荷をつないで出力電圧の変化を調べているところです。

 結果、無負荷出力電圧 12.11V
    1.0A負荷   12.04V
    1.5A負荷    11.99V
    2.0A負荷   11.95V となり、まずまずの結果でした。

 電流は3.7Aまで流せるはずですが、実用的には2.0Aまではっきりしていればよいと思います。

 さらに2.0A負荷時のノイズをオシロスコープで観てみました。ごくありふれた、典型的なスイッチング電源のノイズでした。

 これらのことを念頭においてうまく使えば、造りの良いACコードも1.7mもあって、今回の買い物は超お買い得と言えましょう。

2021年5月12日水曜日

Agilent E3640A 修理

 今回は Agilent E3640A という直流電源の修理です。このロングセラー・シリーズのなかでは最も容量の小さな 0~8Ⅴ(max3A)と ~2Ⅴ(max1.5A)の2レンジのモデルで、私が日常的に使う電子工作には十分すぎる性能です。

 定電圧動作は当然のこと、定電流電源としても使え、その出力は電圧・電流をディスプレイでモニターできます。
 さらに気に入っているのは、この電源はトランス降圧式で、スイッチング式ではなく、ノイズを気にすることなく安心して使える点です。

 このような高性能機器を思いがけなく廉価で入手できたのですが、やはり問題がありました。
 電源としての機能は問題ないようなのですが、電圧・電流を設定するノブを回しても応答が定まらず、安定した操作が出来ません。

 これは厄介なことに、、、と思いましたが、気を取り直してネットで調べた結果、この機種ではよくある現象で、ロータリー・エンコーダの故障らしいということがわかりました。

 それでは、、、ということでロータリー・エンコーダを直にしらべるために分解の開始です。
 Agilent/HP の装置はこれまでも手掛けたことがありますので、お約束に従ってどんどん先に進めます。

 右上は外側ケースから取り出した本体の内部を上から見た写真です。中央下に見えるのは、主役の大きな電源トランスで、頼もしい限りです。


 基板上の部品は整然と配置されさすがに泣く子も黙るAgilentです。

 どんどん分解を続け、ロータリー・エンコーダのシャフトが見えてきました。













 上写真のロータリー・エンコーダのシャフトを固定しているナットを右写真のようにして外します。
 左写真はお目当ての
ロータリー・エンコーダです。その下にAgilentの前身であるHPのマークが燦然と??輝いています。
 でも何か変な感じがします、このロータリー・エンコーダは、いつも私が電子工作に使っているものと瓜二つなのです。








 カシめてある爪を緩めて内部を観た写真が右です。
 予想されたような、機械接点式のロータリー・エンコーダに間違いありません。安価ではありますが、信頼性、耐久性に乏しいのも当然のことと言えましょう。
 Agilentたるものもう少しましなロータリー・エンコーダが使ってあると思ったのに、、、

 このまま接点を清掃してもよいのですが、思い切って手元の瓜二つのロータリー・エンコーダを使ってみようと思い立って、故障品?を外したのが左写真で、ALPSの刻印があります。









 右写真の左は今回の故障品?で、右は手持ちのロータリー・エンコーダです。(リード線はチェックのための仮付)
 寸法も構造も瓜二つですが、秋月で入手した手持ちのものはALPHAの刻印があり、台湾製のようです。


 そしてプリント基板にもぴったりとフィットしましたので、多少の不安はありましたが、そのままはんだ付けして再度組み立てをして完成としました。




 右写真は最終チェックです。
 左側の5.00Ⅴ設定はもちろん右側の0.01V設定に対しても出力されています。

 ロータリー・エンコーダのフィーリングと反応も良好で、秋月の安価なロータリー・エンコーダ(¥200)が純正品相当の性能を取り敢えずではありますが、出したというのは驚きです。

 ただこんなによく使うセッティング部品に、なぜこのようなチープな部品を採用したのか疑問ですが壊れたら交換すればいいというのは、ユーザーにとってありがたくないことでしょう、正規に交換してもらえばン万円も請求されるでしょうから、、、、