2014年10月8日水曜日

高原に秋の訪れをもとめて

 高原といっても比較的近い恵那山の西側に位置する標高約900mの根の上高原です。

 先月、少し早いのですが秋の訪れを求めて出かけてきました。今年は気温が下がるのが比較的早かったのですが、秋分の日以前ではさすがに秋の気配はまだまだでした。




 せっかくの機会ということで麓で友人をピックアップして、例の「あかまんま」で他の友人とも落ち合ってゆっくりと昼食を楽しむこととしました。

 あいにく天候は今にも降り出しそうな気配でしたが、友人宅の庭に咲き乱れるコスモスの花は辺りを明るくして出迎えてくれました。

 くねくねと曲がりくねった山道を約30分、高原に到着、早速雨の前に、、、、ということで散策に出かけました。





 薄暗い木立の中を歩いていくと木漏れ日の比較的多そうな木々の間に「ゴマナ」が白い可憐な花をたくさんつけていました。

 葉が胡麻に似ており若菜が食べられることからつけられた名前ですが、キク科のシオンの仲間です。



 近くで遠慮がちに咲いているのは「アキノキリンソウ」でしょう。

 もともとは日当たりの良い山野などに自生するものですので半日陰では少しかわいそうな気がします。



 紅葉にもすこしはやくあちこち目を走らせてようやく見つかるといった風情でした。



 しばらく歩くと前方が明るくなってきました。

 木の柵と足元の渡り板が整備されています、そうですこの先は知る人ぞ知る根の上湖の周辺にある「湿原」なのです。


 湿原はすでに茶色に変わりつつありましたが、その中にいくかの花々が咲いているのを見つけました。


 白色の小さな筒状花が多数集まって、散房状に咲いているのは「ヒヨドリバナ」ですが、すでに盛りを過ぎています。

 右写真は花はすでに枯れていますがミカワバイケイソウ」の実です。








 左写真の「ミカワシオガマ」は東海地方の高酸度・低栄養の湿原だけに生育し、絶滅危惧種に指定されている植物で、地球の寒い時代に生き残り、そして今でも温暖化に適応できるよう、変化しつつある途中だとか、、、、以前の私のブログを参照ください。「矢並湿原(ラムサール条約湿地)散策

 このような珍しい花がなぜかこの高原の湿原に群生しているというのも何か不思議な感じがしました。

 右写真は「ウメバチソウ」です。茎の上部に咲く直径2cm前後白い5弁の花の形が梅鉢紋に似ていることから名付けられたそうです




 「シラタマホシクサ」とまではいきませんが、湿地に小さな白い花が一面に点在する様はなかなか綺麗です。

 もう季節は終わったはずですが、「サワギキョウ」の花が一輪私たちを待っていてくれたようです。

 右写真は根の上湖と湿原の境界あたりですが、ここにもミカワシオガマの花が見られました。



 同様に、こちらには「ヤマドリゼンマイ」の紅葉が見られます。 春に芽吹くいわゆるゼンマイと同様に食用にできますが、味は少し落ちるとのこと、、、、

 右の白い繊細な花は「アケボノソウ」です。白い花びらを明け方の空に、花びらにある斑点を夜明けの星に見立てて名づけられたということです。


 ピンク色を残してほぼドライフラワー状になっているのは「ノリウツギ」です。あちこちに見られましたが、これほど色濃く残っていたのはこれだけでした。



 右写真は「サワシロギク」です。花は最初は白色ですが次第に赤色を帯びてきて、それぞれの色が混在するとさらに趣を増します。


 ふと目をあげたところに「ヤマボウシ」の実がありました。こうしてポツンと生っているのをみるとやはり秋を感じます。


 そして秋の定番は「ワレモコウ」(右)ですが、さらに定番中の定番は「ススキ」でしょう。(右下)





 さすがにここまでくるとはかなく、寂しくなってきますが、、、、

 雨もそろそろ降ってきましたので、急ぎ「あかまんま」に帰り、あとは食事をしながらの楽しい団欒で時の経つのを忘れてしまいます。

 しばしの後、帰路につきましたが友人を家まで送っていって再度コスモスに会い、花束にしてつれて帰ったのはいうまでもありません。

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