2017年6月6日火曜日

3年ぶりによみがえったシーボルト

 そろそろ梅雨の季節になってきましたが、この時節我家でシーボルトといえば写真にあるアジサイのことです。

 以前、拙ブログでも触れたことがありますが、この花はシチダンカ(七段花)というヤマアジサイ山紫陽花)の一品種で、名前の由来は、萼片が七段に重なるというところからきているようです。
 このシチダンカはシーボルトが「日本植物誌(フローラ・ヤポニカ)」で紹介して以来、日本人のだれもがその実物を見たことがなく、”幻のアジサイ”とよばれて長い間さがしつづけられていました。
 ところが、たまたま六甲ケーブル西側で昭和34年(1959)に発見されました。
 それはシーボルトが紹介して以来約130年ぶりであり、その間、この花は誰の目にもとまらず、「幻の花」であったわけです。

 左は長崎にあるシーボルト館のシーボルト像とアジサイの写真ですが、この花ではありません。

 我家のシチダンカ(七段花)はかれこれ10年以上前に神戸の六甲山ホテルに宿泊した際の記念に大切に持ち帰ったものなのです。

 それ以来我家で大切に育てられていたのですが、3年前に隣人が雑草の繁殖に我慢ができなかったのでしょう、除草剤を散布してしまったのですからたまりません、瞬時に葉は見る影もなく茶色になり、枯れ落ちてしまいました。

 翌春の芽吹きもほとんど無く、かといって枯れ果てるでもない状態でしたが家人の丹精は続けられ、3年経った今ようやくにして回復し花が咲いたのです。













 この花の色ははじめは淡い青色(左写真)ですが、落花までの間に薄紅、濃紫、藍色など多様に変化し楽しませてくれますし、昨今流行のグラマラスなセイヨウアジサイにくらべて、野趣に富み味わい深いものを感じます。



 アジサイは土壌のPH(酸性度)によって花の色が変わり、一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われていますが種類が多くなった今、それぞれの遺伝的な要素なども影響し、それほど単純ではないようです。
 というわけで我家のシーボルトは3年ぶりによみがえりました。


 今回のような無思慮な除草剤の使用は厳に慎むべきことは当然ですし、世の中にこの除草剤のようなものが多くあることにも注意すべきでしょう。

 でもお気に入りの花が復活したことは本当によかったと思います、この間のたゆみない家人の丹精に感謝です。

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