もう10年以上は昔のことになりますが、トランジスタ技術誌から「おじさん工房」のAPB-3のキットが発売されました。キットと言っても左写真のように部品実装済みの基板で、ケースに入れるのはDIYでした。
このAPB-3というのはFPGAを使った万能測定器で、APB-1からのユーザである私にとって、スペクトラム・アナライザをはじめ多くの測定機に変身するこのマシンは大変重宝したもので、今でもわが実験室では現役です。
このスペアナ機能は分解能や低ノイズレベルについては申し分ないのですが、使用できる上限周波数が40MHzまでですのでそれ以上はお手上げです。その後上限周波数を1GHzにまで拡張するアダプターキットが発表されましたが、入手できずにいます。
話変わって今、私が手掛けているのは、70MHz付近の高周波回路です。狭帯域でよいのでDouble Balanced Mixer (DBM)を使って実験してみました。
右図にあるADE-1は Mini-Cirquit社の廉価版DBMで、私はこれをよく使います。
RF端子にSignal Generetor(SG)から70.03MHz、Lo端子に40MHZのXtal Oscillaterからの出力をそれぞれ加えれば、IF端子に①70.03-40=30.03MHz②70.03+40=110.03MHzの2波が出力されます。
ここでAPB-3は前述のように上限40MHzですので、①の30.03MHzのみ測定できることになります。したがって40MHZのXtal Oscillaterを使っての測定は上限80MHzまでです。広範囲に考えればもっと複雑な話になりますが、ここでは特定の周波数のみ測定できればよいので、詳細は略します。
上写真はDBM(Lo入力部にー3dBmのアッテネータつき)、右写真は今回作成した、40MHZのXtal Oscillaterで小さなアルミケースに入れてあり、電源を接続すればほぼ10dBm以上の発振出力が得られ、便利に使いまわせます。ただし波形は方形波のようです。(下写真参照)
右写真は、実験の様子です。ブルーのパイロット・ランプが点灯しているのがAPB-3で、スペアナモードで測定しています。
右上からの黒い同軸ケーブルは、SGからのもので、73.03MHz -99.9dBm のシグナルが来ており、RF に接続してあり、また小さなアルミケースは40MHZのXtal Oscillaterで中央部DBMの Lo に接続してあります。
出力 IF はAPB-3の入力端子(50Ω)に入っています。
右下に見えているシグナルの測定結果は、73.03233MHz、-102.4dBmで、周波数のズレはAPB-3の誤差によるものです。また-100dBmのシグナルはきれいに検知されており、その損失はわずかです。
限られた性能の測定器もアイデア次第でうまく使いこなせることがわかりました。APB-3もまだまだ当分頑張ってくれることでしょう。
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