ゴミの山にならないように少し整理をしていたら30年くらい前に作った測定器がでてきました。
これは抵抗値を測定するためのホイートストンブリッジ (Wheatstone bridge) です。
要は右に示した結線図において a・X=b・r (向かい合った抵抗の積が等しい)の場合において検流計を流れる電流はゼロになるというものです。
実用上は直流より交流のほうが扱いやすいので、この回路をアレンジして、抵抗値を測れるようにしたものが、冒頭の写真です。
ついで測定すべき抵抗を測定試料端子(冒頭の写真では赤色の陸軍ターミナルに公称2.2kΩ・5%の抵抗がセットされています。)にセットし、倍率抵抗群と可変抵抗を変化させながら出力(オシロスコープの波形またはスピーカまたはイヤホンの音)が最小になる点を探します。
電源に交流を使うと電源に高調波やノイズが含まれていたり、素子の非線形性の影響で高調波成分ができたりして、基本波でブリッジがバランスしても高調波などが残留してしまい、ヌル点が見つけにくくなる欠点がありますが、ほどほどの正確度と、試料に抵抗のみを対象にしているので、これでよしとします。
タイトルに「交流?ブリッジ」と?がついているのはこのあたりのことで厳密にはコンデンサなどを考慮してマクスウェルブリッジ(Maxwell bridge)とするのが正道です。
さらに、使い勝手を良くするためにアイデアが入っています。
1.基準抵抗を1kΩとし、倍率抵抗群を10,100,1k、10k、100k、1000kΩと切り替え可能にし、可変抵抗を1kΩの10回転ボリューム(ヘリポットの商品名で有名)でダイヤル直読にすることでディジタル式に数値を読み取ることができます。
2.上記回路図には表現してありませんが、null測定端子にトランスを入れて信号を昇圧するとともに、入力信号と出力信号のグランドを共通にしています。
右上写真は中を見たものです。右の茶色の円筒状のものが1kΩの10回転ボリューム(ヘリポット)、左側にトランスが見えます。赤と黒のミノムシクリップは1kHzの信号入力端子です。
左写真はnull測定端子からのシグナルをオシロスコープで観察しながら電圧が最小になるように調節しているところです。シグナルが小さくなると先に述べたように交流ブリッジの弱点であるノイズが多くなって、1kHzの正弦波が太く見えています。
最大の読みが10000でこれが1kΩですから0.2176kΩを指しています。
また倍率抵抗群は10kΩにしてありますので、試料の抵抗値は 0.2176 X 10
= 2.176kΩということになります。
一方、現在の文明の利器、ディジタル・ボルト・メータ(DMM)の抵抗測定レンジで測定してみました。
あっという間もなく2.187114kΩと表示されます。4線式ではなく簡易な2線式でリード線込みなので結果はそこそこですが、これが正しいとしたときも、私の古い測定器は1%以下の誤差で結果を出してくれました。
こんなことを、古い作品ごとにやっていたらとても整理などは、、、、
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