左写真に並んでいるのはネットで見つけた往年のQメーター( Q meter )の名機たちです。
私たちがラジオなどを作る際のLC共振回路(下図参照)の性能は使用するコイルやコンデンサーで大きく変わります。
左写真の上が可変容量コンデンサー( Variable Condenser 略してバリコンまたは VC )、下がベークライト・ボビンにエナメル線を巻いた自作コイルです。
通常は、コイルの性能がLC共振回路に対する影響が大きいのですが、次の表に見られるように「Q」という数値で整理されています。
この図は直列共振回路において共振周波数におけるコイルのQの違いでレスポンスが変化する様子を示したものです。
コイルの性能が高いほど(Qが大きいほど)選択性が高くなります。ですから私たちが電子工作でコイルを巻いて自作するときにQ値を測ることが必要かつ重要になるのです。
Qというのは「Quality(品質)」の頭文字をとった数値で単位はありません。
Qそのものの定義などは難しいものがありますが、Qの値を測定することが何とか出来そうでしたので、構想から実験を経て何とか使えそうなものが製作できました。
左図において0.5Ωの抵抗、コイルLそしてバリコンVCは直列共振回路を構成しています。
今左側に、ある周波数の高周波電圧1Vをかけたとすると、0.5Ωの抵抗には49.5Ωの抵抗との分圧比で10mVが与えられることになります。(緑ポイント)
ついでVCを操作してこの直列共振回路を供給された周波数に同調させると図の赤ポイントには、より大きな電圧が生じます。
いま仮にその電圧が750mVであったとすると Q=750/10=75 となるのです。
ただし、通常VCのQは大きい(2000以上)ので無視して、LのQは75とします。
右の写真はU.S.のヒースキット社( Heathkit )のQメーター(QM-1)です。
1950年代の後半に発売されたとおもわれる超ロングセラー品で今でこそ稀にebeyで見かけるだけになってしまいましたが、一般市販部品を使用してのユニークな回路構成は我々多くのアマチュアをして「自作でクローンをつくろう!」という気にさせたものでした。関連技術情報は今でもネットで多く見られ、Qメーターを自作するには重要です。
装置を正面から見て、メーターの左側は高周波供給ユニットで 150kHZ~18MHZ を4バンドに分けて供試コイルに供給しています。
そして右側は直列共振回路同調用のVC容量調整ダイヤルと高周波電圧測定ユニット(真空管電圧計)があり、測定電圧を中央のメーターで読み取るようになっています。
上図はそのイメージを表現したものですが、ヒースキットのQM-1は中央ブロックにある高周波電圧の抵抗分圧部分が、コンデンサーによる容量分圧になっているのが異なります。
ただし、通常VCのQは大きい(2000以上)ので無視して、LのQは75とします。
右の写真はU.S.のヒースキット社( Heathkit )のQメーター(QM-1)です。
1950年代の後半に発売されたとおもわれる超ロングセラー品で今でこそ稀にebeyで見かけるだけになってしまいましたが、一般市販部品を使用してのユニークな回路構成は我々多くのアマチュアをして「自作でクローンをつくろう!」という気にさせたものでした。関連技術情報は今でもネットで多く見られ、Qメーターを自作するには重要です。
装置を正面から見て、メーターの左側は高周波供給ユニットで 150kHZ~18MHZ を4バンドに分けて供試コイルに供給しています。
そして右側は直列共振回路同調用のVC容量調整ダイヤルと高周波電圧測定ユニット(真空管電圧計)があり、測定電圧を中央のメーターで読み取るようになっています。
上図はそのイメージを表現したものですが、ヒースキットのQM-1は中央ブロックにある高周波電圧の抵抗分圧部分が、コンデンサーによる容量分圧になっているのが異なります。
すなわち右図の左が Boonton や YHP などの測定器メーカーが古くから採用していた抵抗分圧、中央が前述の容量分圧そして右が今回採用したトランス方式で、最近の新しいQメーターでは多く使われているようです。
ただ、どの回路も直列共振回路へ微小な高周波電圧を低インピーダンスで注入しようとしているのがわかります。
高周波供給ニットについて言えば、コイルのQを測定する場合、左表のようにコイルのインダクタンス値によって測定周波数を特定する必要があります。
このように広範囲にわたって、安定した高周波出力源を改めて自作するとなると大変な労力が必要で、ディスクリートで組んだり、いま旬のDDSやオッシレータICを使った例などなどありますが、ここは一気に手抜きして、シグナルジェネレーターの力を借りることにしました。
任意の周波数と出力電圧を安定して、かつ高精度(アマチュアにとって)で得られるのですから使わない手はないでしょう。
さらには、今回Qの測定には-3dB法を採用したいとおもっているので、ディジタルで簡単に周波数と出力レベルを変化させることの出来る、このシンセサイズド・シグナル・ジェネレーター(SSG)は最適だとおもいます。
ただ、どの回路も直列共振回路へ微小な高周波電圧を低インピーダンスで注入しようとしているのがわかります。
高周波供給ニットについて言えば、コイルのQを測定する場合、左表のようにコイルのインダクタンス値によって測定周波数を特定する必要があります。
このように広範囲にわたって、安定した高周波出力源を改めて自作するとなると大変な労力が必要で、ディスクリートで組んだり、いま旬のDDSやオッシレータICを使った例などなどありますが、ここは一気に手抜きして、シグナルジェネレーターの力を借りることにしました。
任意の周波数と出力電圧を安定して、かつ高精度(アマチュアにとって)で得られるのですから使わない手はないでしょう。
さらには、今回Qの測定には-3dB法を採用したいとおもっているので、ディジタルで簡単に周波数と出力レベルを変化させることの出来る、このシンセサイズド・シグナル・ジェネレーター(SSG)は最適だとおもいます。
-3dB法によるQの測定は次のとうりです
まず同調点(左図のf0)を求めます。次いで供給周波数を上側にズラシ出力が3dB下がった周波数をfHi とし、同様にf0 から供給周波数を下側にズラシ出力が3dB下がった周波数をfLO とします。
Qは
Q=(fHi +fLO ) / 2 * (fHi -fLO ) として求められます。
全体構想としては、
① アマチュアのQメーターとして性能を欲張らない。
② Q値も絶対値の追及はほどほどにし相対的にチェックできればよし。
③ 出来るだけコンパクトにしたい。
④ 高周波源はシンセサイズド・シグナル・ジェネレーター(SSG)を使う。
⑤ 読み取りは100uAのメーターを使う。
⑥ 高周波電圧測定ユニットについては自作する。
ということで以下は次回、、、、
関連ブログ
Qメーターの製作 2/3 (部品選定、予備実験、回路決定)
まず同調点(左図のf0)を求めます。次いで供給周波数を上側にズラシ出力が3dB下がった周波数をfHi とし、同様にf0 から供給周波数を下側にズラシ出力が3dB下がった周波数をfLO とします。
Qは
Q=(fHi +fLO ) / 2 * (fHi -fLO ) として求められます。
全体構想としては、
① アマチュアのQメーターとして性能を欲張らない。
② Q値も絶対値の追及はほどほどにし相対的にチェックできればよし。
③ 出来るだけコンパクトにしたい。
④ 高周波源はシンセサイズド・シグナル・ジェネレーター(SSG)を使う。
⑤ 読み取りは100uAのメーターを使う。
⑥ 高周波電圧測定ユニットについては自作する。
ということで以下は次回、、、、
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