8月に入って茹だるような暑さがつづき、とてもブログを物する気分ではありませんでしたが、かといってブランクの月を作ることは「継続は力」のモットーに反します。
たまたま家人が非常持ち出し袋の中身をチェックし始めた際に、何か汚らしいポケットラジオを発見しました。
もともとこんなではありませんでしたが、手で触ることもはばかられるほどに変色しています。
この段階で原因が推測できました、おそらく乾電池の液漏れでしょう。(左写真)
開けて電池を取り出してみると右写真のようになっていました、、、、ああ、またやってしまった。
「昔はいざ知らず、最近の乾電池は液漏れはしない」と思われていますが、これはあくまでも「未使用時の液漏れ」であって「電池の使用中や使用後」においては電気を発生する際の化学変化で生じるガスは必至であり、その放出に伴う液漏れはどんな電池でも起こりうると考えておくべきでした。
非常時用にと用意しておいたラジオは Sony の ICR-P10 と称する、AMバンド専用の、単三電池2本で動作するきわめてシンプルなものですが、今ではカタログ落ちしています。
右はラジオの内部写真ですが、中央に見える小さな8ピンDIPのIC( CXA1600P )の周りにいくつかの部品を付加した構成になっています。
CXA1600P というICはこのブログでも取り上げた Sanyo の LA1600 に名前がよく似ていますが詳細不明です。
ネットより得た CXA1600P のブロック図が左です。
このICは出力が100mWではありますが低周波出力部を内蔵しており小型のスピーカーを駆動することができますし、IF(中間周波数)で使用するBPF(バンド・パス・フィルター)を内蔵しています。
このためIF(中間周波数)は通常の455kHzではなく、約55kHzとかなり低くなっています。(このため選択度も向上しています)
したがって LOCAL OSC は次式に従うよう記述してありました。
さて、漏れ出した電解液によるプリント基板の銅箔面の腐食の様子を右写真に示します。
電解液には水酸化カリウムが使ってあることが多く、水溶液は非常に強いアルカリ性で危険です(特に目には注意)。
電池端子とこのプリント基板の銅箔面の腐食部を水でよく洗い流し、使い古しの歯ブラシでよくこすり、清掃します。さらに銅箔面はカッターナイフで保護塗料を落とし、消滅した回路をジャンパー線で再現し、ハンダ付け部分もやり直しをしました。
左写真は作業中の様子です。
ということでラジオは息を吹き返しメデタシメデタシとなりました。
反省事項としては、
・ 乾電池はどのようなものでも必ず液漏れをおこすと肝に銘じておくこと。
・ 長期保管の機器(ラジオやリモコンなど)は電池を取り出して別々に保管する。
・ 使用中の機器も一定期間ごとに中をチェックする(月に一回程度が望ましい、時計なども注意)。
今回の非常持ち出し袋事件の副産物として保存食チョコレートの発見があり、食べてみましたが結構いけました。もっとも賞味期限は 2012.05.22 とありましたが、、、、
2 件のコメント:
こんにちは。
乾電池は使用、未使用に限らず液漏れを起しますので長期間使用しないのであれば機器から外してビニールパッケージに入れておいた方が良いと思います。
メーカーの暴露試験は実際の使用とかけ離れてますので話半分以下に聞いておいた方が良いです。
10年液漏れ保証というのもありますが、本当の結果が出るのは大分先ですね。
おっしゃるとおりだと思います。乾電池は基本的に液漏れするものだ!!と頭に記憶させてあるつもりですが、ついついメンテを疎かにしてしまいます。
コメントを投稿