2020年5月10日日曜日

AR-3000 本当に蘇生しました

 前回のブログAR-3000 蘇生しましたで生き返ったハズのこの受信機を傍らにおいて楽しんでいましたが、不具合が見つかり、完全に修理できたわけではなかったことに気づきました。

 それはメモリ機能が働かなかったのです。
 電源コードを接続した状態で、本体の電源スイッチのみをオフにしたときは正常でしたが、電源コードを取り外して完全にオフ状態にしたあとは、無情にも写真のような初期状態に戻ってしまいます。

 メモリ機能のみがおかしいので、サービスマニュアル(AR-3000A の英語版しかありませんでした)を参考にいろいろ考察してみました。
 このシステムのCPUとメモリは正面パネルの裏側にあります。

 メモリ・バックアップの働きを右図にまとめました。(あくまでも私の解釈で、結果には責任を負いかねます)

 バックアップ時には+5Vは供給されず、Li電池からの3.2Vが逆流防止用のダイオードを経て256kのスタティック・メモリに供給されます。

 このメモリを制御する/CSピンは、アドレスデコーダ 74HC42 の/Y9につながれています。このロジックICの電源も、バックアップ時には3.2Vが供給されていると考えると、ABCD=1001でないかぎり、/Y9はHレベルで、/CSピンにも3.2Vが供給されているはずです。


 それでは、ということでメモリの端子電圧を測ってみました。Vddは3.0Vありますが/CSピンはほとんど0Vでした。

 左のタイミングチャートはバックアップ時のVddと/CSの電圧を示したものですが、これによれば/CSの電圧もVddとほぼ同じく3.0Vある必要があります。ということで何かがおかしい、、、、

 同様なメモリはいくつか手元にありますので、交換を考えましたが、先の図中にで示した10kΩの抵抗で/CS端子をVdd電圧まで強制的にプルアップすることを思いつきました。
 この程度の手当てでは特に回路に影響はないと経験上わかっていましたので、力業にでたわけです。






 上写真がその結果です。狭いところへの見えぬ目での作業とて、いささか乱雑ではありますが、回路てきにはOK!!!

、、、、で、今度こそ本当に蘇生しました。

 やはりメモリ機能が有るのとないのでは使い勝手に雲泥の差があります。手軽に広帯域をワッチできるこの受信機はサブ・レシーバとして愛用していくことになるでしょう。


 今回の、私の独断と偏見の結果は、たまたまラッキーに恵まれたものかもしれません。他の受信機を見たわけでもありませんので、この結果には責任は負いかねますので、念のため。

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