2013年8月6日火曜日

日光クラシックホテルと東照宮 (1/2)

 まえまえから一度泊まって見たいと思っていた、日光のクラシックホテルに出かけました。

 遠くまで出かけて1だけでは、、、、とも考えましたが、いろいろ都合もあり、まだ参拝していない日光東照宮にもお参りをかねて出かけました。新幹線を乗り継ぎ、JR日光線の日光駅(写真)に着いたのはお昼過ぎで、意外と早く来たものだ、と感心しました。
 ホテルのチェックインには少しはやいので、荷物を預けて、乗り合いバスで華厳の滝に出かけました。

 いろは坂を登り、約50分で到着です。山の中腹は雲で視界がかなり悪く、心配していましたが、山の上は幸い好天でした。
 バス停を降りて、しばらく歩くと遠目にではありますが、華厳の滝と初ご対面、、、、(右写真)

 やはり間近に観たいと言うことで、有料エレベータで100m降りて、滝の見物場所まで行きました。
 麓から谷間を登ってくる雲ですこし靄って見えますが、さすがに美しい眺めです。
 滝の落差は97mで、直近に見たイグアスの滝とはスケールにおいて比べるべくもありませんが、滝が落ちる岩壁、そばにある白糸、周りの濃い緑そして滝から落ちた水が流れ下る渓流の様、とどれをとっても美しいと感じられます、日本人のこころ??

 しばらく自然との対話を楽しんだ後、この滝の水源である、中禅寺湖に歩を運びましたが、途中エレベータへの通路に右写真の鎮魂レリーフがありました。
 そういえば明治の末期、この地が自殺の名所であった事を思い出しました。木を削って「巖頭之感」なる遺書を残した一高生の話も、、、、

 再びエレベータで上にあがると、北方に男体山を仰ぎ見る事が出来ました。
 さすがにこの季節の平日では人出も少なくこのあたりに多い、湯葉を売るお土産屋さんも閑散としています。
 しばらく行くと、道路を跨ぐ大鳥居の左前方に中禅寺湖が見えてきました。
 日本一標高の高い(約1300m)湖と言う事で、一時期各国大使館の別荘が多くあったとか、、、、


 しばらく散策して下りのいろは坂を降り(いろは坂が上りと下りの両方あることを知りませんでした)チェックインのためホテルに帰って来ました。


 写真の左側が本館、右側が私たちが宿泊した別館ですが、別館と言っても昭和10年の落成です。

 このホテルは明治6年ごろ外国人専用のカッテージ・イン(民宿)としてスタートしたとのこと。このあたりの様子は、明治11年にここに逗留した英国の旅行家イザベラ・バードさんの紀行記に残されているそうです。








 上のスケッチは当時のカッテージ・インを描いたものです。

 右写真はホテルのアプローチにある大灯篭の横から正面玄関を見たものです。このホテルのシンボルマークの「ササリンドウの紋」が見えています。

 フロントの横を奥にはいるとロビーに至ります。
 長い歴史のこのホテルで、どれだけの人たちがくつろいだのでしょうか、ローマ字で知られるヘボン博士、前述のイザベラ・バードさんなど、そして「翼よあれがパリの灯だ!」のリンドバーク氏も1931年にここを訪れています。

 右写真はそのときの記念写真宿帳へのサインです。


 上写真は2階へ上がる階段ですが、緋色のカーペットとあいまって重厚さをかもし出しています。
 
 右写真は客室への廊下です。まさにクラシックホテルの面目躍如と言ったところでしょうか。

 フロントの鴨居あたりに不思議なゾウの彫り物がありました。あとで気づいたのですが、東照宮にも同じもの、いや本物がありました。

 夕食の前に、少し周辺を散歩しようと、外にでました。中庭から見た本館は右写真ですが建物にアクセントの色が入っており、正面からとは違った雰囲気が出ています。



 庭の隅の木陰に石仏が静かに座っていました。


 こちらは私たちが宿泊した別館です。かつて昭和天皇もご利用になったとか、、、、





 近くを流れている川への散歩道を見つけましたが、入り口に妙なものが、、、、もしかしてこれはクマよけの鈴!!!ということは、、、、



 そろそろ暗くなり始めた、人の気配のない道をおっかなびっくりで川へと向かいます。


  川岸に降り立つと、川下に神橋(しんきょう)が見えます。
 この橋の詳細は明日、、、、






 ふと川の上流を見ると川面をすべるように霧がながれてきました。まさに幻想的な瞬間です。 日中の暑さで十分に大気中に蓄えられた水蒸気が、夕方の大気温度の低下とあいまって、奥山からの冷たい川の流れによって冷却されて霧が発生したのです。
 そろそろ夕食の時間です、来た道を引き返しました。

 メインダイニングは二階にあります。(見えている階段は3階へのもの)そしてこのダイニングはかつてはロビーとして使用されていた場所で、この赤いランプ付きの階段は当時のままのようです。

 ダイニングの暖炉の上には迦陵頻伽(かりょうびんが)の彫刻が置かれ、私たちを迎えてくれているようです。
 迦陵頻伽というのは上半身が人で、下半身がの仏教における想像上の生物です。極楽浄土に住むとされその声は非常に美しく、仏の声を形容するのに用いられるとか、、、、

 そして天井には極彩色の絵が、またすべての柱には彫刻が施されこれも極彩色です。

 いよいよ食事が始まります。
 銀色に輝くカトラリーや食器にはそれぞれにササリンドウの紋が刻印され、雰囲気満点です。

 お客さんもそれほど多くなく、好きに来て、好きなものを味わい、また帰っていくといったあたり前のかたちですが、海外旅行ではバイキング料理が多かったので、このようにゆったりした食事はまた格別です。

 このホテルの名物?は「日光虹鱒のソテー 金谷風」と「若鶏と蟹入りベシャメルコロッケ トマトソース」(通称 大正コロケット)だそうですが、これはたまたま私たちがステーキには目もくれずオーダーしたのが大当たり!!!


 これらのメニューはかつてフランス料理もよくわからない時代に、外国人客をもてなそうとして先人が努力したものが伝統として引き継がれているのだとか、、、、

 そして最後の写真はこれ。
 水のサーバーです。材質は銅だそうですが、使っているうちにメッキの銀が磨り減ってくるので、そのたびに再メッキして何代にもわたって使い続けている、、、、と言った話をしながらおいしくいただきました。

 そろそろワインの酔いもまわってきました、ではまた明日、、、、

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