梅雨といえばアジサイというほどにあちこちで種々のアジサイが多く観られるようになりました。狭いわが家の庭にも何種類かのアジサイが花開いています。
アジサイの原種は日本に自生するガクアジサイで、日本、欧米などで品種改良され、萼(がく)が大きく発達し全体を覆ったものがいわゆる「手まり咲き」とよばれます。
上写真はガクアジサイ(額紫陽花)の萼の部分を接写したもので、全体像としては右写真のようになります。
これは「隅田川の花火」と呼ばれているものです、ちなみに花は中央の緑色の小さなポツポツと見える部分です。
この季節、山々には下写真のような花が多くみられますが、これもアジサイの仲間で、ノリウツギです。
この花は友人が山から採取してきたものをいただいて、わが家の庭に移植したものです。自然のままのシンプルな姿もまた美しいです。
この名の由来はかつて和紙を漉くときにこの木の樹液を使ったことによるものです。
野生のアジサイといえばわが家にはもう一種類あります。
左写真はヤマアジサイの一種、シチダンカ(七段花)です。この花は数年前、神戸の六甲山ホテルでいただいてきた二本のうちの生き残った一本ですが、 幕末の頃にオランダから来日したドイツ人医師シーボルトがまとめた「日本植物誌」にスケッチで記録されていたのがシチダンカです。
その後、日本国内で130年間にわたって、これに該当する植物が見つからず、“幻の名花”とされていましたが、昭和34年に偶然にも六甲山のケーブル沿いで発見され、専門家の同定でシチダンカであることが判明したものです。
この花の名前の由来は、開花から落花まで、いく段にもわたって花の色が変化するところにあるとか、、、、
右写真は、オランダのライデン大学植物博物館から東京大学総合研究博物館に寄贈されたアジサイ標本より、、、、
シーボルトはアジサイそのものをオタクサHydrangea Otakusa Siebold & Zucc.としていますが、この名は妻とした「滝」の愛称(オタキサン)であることはよく知られています。
こんな花もありますが、やはりガクアジサイ、、、、
アジサイといえば右写真にある、梅雨やカタツムリとあわせて画題などによく用いられる「手まり咲き」が一方でポピュラーです。
アジサイの花の色は、花言葉の「移り気」「浮気」「変節」にあるように種々変化するのがいいのですが、わが家ではきれいなブルーが再現されず、なぜか赤色系になってしまいます。
アジサイの花の色はアントシアニン系の色素によるもので、よく土壌が酸性なら「青」アルカリ性なら「赤」といわれていますが、それほど単純なものではなく、土壌の酸性度によって吸収されるアルミニウムイオンによるらしく、色のコントロールは難しそうです。
左写真は、「アナベル」とよばれる西洋アジサイで北米産です。この花は白から始まり、徐々に淡い緑色になります。
花は終わってもその形を残すので、ドライフラワーにもなるようです。
そして下写真はおなじく北米産の「カシワバアジサイ」です。
同じ北米産だけあって萼花はよく似ています。
名前の由来は葉の形がカシワ(柏)の葉に似ているところからきていますが、花の形が他のアジサイが球形であるのに対して、円錐状であるのが花の大きさとあいまって、際立った特徴です。
庭にはこのほかにも、いわゆる「普通の」アジサイが2株ほどあるのですが、剪定時期が悪かったせいか今年は花芽もつかず、葉っぱのみ青々と元気に繁っています。
これらのアジサイたちが咲くと、季節はもう夏なのです、、、、
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