電子工作の趣味などで使い残したり、とりあえず保管などと言う理由でジャンク箱(ジャンク・ボックス)に放り込んでおき、いつの間にか忘れ去られた部品たちが長年の間にずいぶんたまっているようです。
ということで一度くらい光を当ててやりたいとおもってこのシリーズ「私のジャンク箱から」を立ち上げることとしましたが、何が出てくるのか、いつまで続くのか、、、、
ネットからの引用です |
記念すべき?トップバッターはHP(ヒューレット・パッカード)の HP 410(真空管電圧計 VTVM)の付属品であるACプローブです。右写真は HP 410C ですが、これ以前の古いモデルでも使用されています。
残念ながら私は本体は所持していませんが、なぜかこのACプローブだけがジャンク箱の中で長年眠っていたのです。かすかな記憶をたどると、ん十年昔に秋葉原で見つけて連れ帰ったようです。
ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)は1939年に創立された米国の計測器メーカーでした。
その後、計測器部門は1999年にアジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)、2013年にキーサイト・テクノロジー(Keysight Technologies)と名前を変え現在に至っているようです。
この会社の、特にHP時代の計測器はそのつくりがすばらしく、古いものでも比較的回路図やマニュアルが入手しやすいので、今でもアマチュアにとって人気が高いです。
写真はプローブを分解したところです。
ACプローブの話に戻りますが、正式名はHPの 11036A AC Probe Operating Note によれば「 MODEL 11036A AC Probe 」とありました。
半導体全盛の現在ではありますが、300Vで700MHzまで使える(単なるインジケーターとしてだけなら4GHzまで)プローブは他にないようで、その意味でも人気が高いのです。
そしてこの特殊な形状をした真空管にあわせてプローブの中にソケットがうまく組み込まれています。
11036A AC Probe Operating Note にあった組立図を挙げておきます。
上図規格表によればヒーターに6.3Vをかければ作動するはずですのでフォーンジャックを用意し、とりあえずチェックしました。結果、電流は300mA流れ規格どうりです、生きていました。
プローブの内部は右図、真空管電圧計の入力部は左図と、それぞれなっており、簡単に使えそうですので、実験用の回路図を起こしてみました。
実験ではヒーターにDC6Vを供給しました、というのはこの回路では測定に際して逆バイアスをかける必要があり、電源を一種類だけにしたかったからです。
回路図上の2kΩヘリポットがそれで、入力ゼロのときの出力がゼロになるように調節します。
出力はDVM( KEITHLEY 2010 multimeter )を使って読み取りました。高周波ソースとしてはSSGを使い、10MHzで50Ωの負荷に加えた電圧をプローブで読み取る形となります。
写真はブレッドボード上での実験の様子です。
右は結果をExcelでグラフにプロットしたものです。
入力は10MHzで、最大2V(私のSSGの最大値)までで、検波された直流出力は回路図どうりマイナス出力です。
綺麗な直線関係にありますが、グラフの原点付近の低電圧入力領域で非直線部分があります。(グラフ中に拡大図あり)
なおVHF帯と高電圧領域のレスポンスについては今回実験はしていません。
AC高電圧は家庭用100V・60Hzからトランスなどで容易に得られ校正できるものとおもいます。
左はネットから引用した HP 410C のパネル拡大写真でブルーの円で示した、0.5Vレンジの0.1Vメモリはゼロ点に大きく近づいているのがわかります。
従って、電圧表示部を自作する際には、入力値を直接パネルに書き込んでメモリを作成する必要があるようです。
ここまで来てこのプローブさえあれば簡単に300V・700MHzのAC/RF電圧計が自作できるような気がしました。
ネットで探してみると、世の中には同じことを考えた先人がおられたようで、「 The Poor Man's HP 410C VTVM 」というタイトルに回路図つきで掲載されていました。
これは右写真のように Heathkit の IM-18 というこれも有名な真空管電圧計のキットを改造したもので、うまく決めています。
オリジナルの HP 410 は外見デザインがほとんど変わらないままに、初期にはメーター・アンプに直結プッシュプル2段の真空管アンプを使用していたようですが、そのうち比較的簡単なトランジスタ式チョッパー・アンプが採用され、最終的にはデュアル・チャンネルFETとオペアンプ( LM308AH )で構成されており、技術の進歩を垣間見るようでこれも面白い発見でした。
何はともあれ、ジャンク箱にあったHPの「 MODEL 11036A AC Probe 」は稼動品でしたし、その周辺もしっかり調査できました。
入力は10MHzで、最大2V(私のSSGの最大値)までで、検波された直流出力は回路図どうりマイナス出力です。
綺麗な直線関係にありますが、グラフの原点付近の低電圧入力領域で非直線部分があります。(グラフ中に拡大図あり)
なおVHF帯と高電圧領域のレスポンスについては今回実験はしていません。
AC高電圧は家庭用100V・60Hzからトランスなどで容易に得られ校正できるものとおもいます。
左はネットから引用した HP 410C のパネル拡大写真でブルーの円で示した、0.5Vレンジの0.1Vメモリはゼロ点に大きく近づいているのがわかります。
従って、電圧表示部を自作する際には、入力値を直接パネルに書き込んでメモリを作成する必要があるようです。
ここまで来てこのプローブさえあれば簡単に300V・700MHzのAC/RF電圧計が自作できるような気がしました。
ネットで探してみると、世の中には同じことを考えた先人がおられたようで、「 The Poor Man's HP 410C VTVM 」というタイトルに回路図つきで掲載されていました。
これは右写真のように Heathkit の IM-18 というこれも有名な真空管電圧計のキットを改造したもので、うまく決めています。
オリジナルの HP 410 は外見デザインがほとんど変わらないままに、初期にはメーター・アンプに直結プッシュプル2段の真空管アンプを使用していたようですが、そのうち比較的簡単なトランジスタ式チョッパー・アンプが採用され、最終的にはデュアル・チャンネルFETとオペアンプ( LM308AH )で構成されており、技術の進歩を垣間見るようでこれも面白い発見でした。
何はともあれ、ジャンク箱にあったHPの「 MODEL 11036A AC Probe 」は稼動品でしたし、その周辺もしっかり調査できました。
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