2012年9月8日土曜日

スイス旅行_12 第8日 ツェルマット ~ シャモニー                          ~ モンブラン ~ ジュネーヴ


 さて今日は今回の旅行の実質的な最終日です。ここツェルマットから国境を越えてフランスに入り、シャモニー( Chamonix 1035m)で昼食、そしてモンブラン Mont-Blanc 4811m)を見るためにエギーユ・デュ・ミディ( Aiguille du Midi 3842展望台にロープウエイで昇ります。
 そして下山後バスで再びスイスに戻りジュネーヴで宿泊、翌日は朝食後そのまま空港に向かい、フランクフルト経由でセントレアに帰ります。

 朝、目が覚めたらほとんど満月に近い月がでていました。朝陽に染まったマッターホルンとツーショットです。私たちのホテルからはマッターホルンが少ししか見えません。でも「・・・が見える部屋」なので偽りではありませんでした。



 このツェルマットを出発するために駅まで歩きます。

 幸いに今日もいい天気です。この町は排気ガスを出す自動車の乗り入れが禁止されていますので、バスが待っている次のテッシュ Tasch)までシャトル電車を使うのです。
 写真は駅の近くに客まちをしているタクシーの列です。すべて電気自動車、、、、というか「バッテリーカー」です。
 ここを走っているのは用途は何であれ、皆このような形の直方体デザインの車か馬車しかありません。

 ふと見上げるとここからもマッターホルンが見えました。
 青空と赤い花のコントラストがきれいです。(右)

 町を出てしばらく走るとロータリーにマッターホルンのモニュメントをみつけました。(左)
 さすが土地柄です。先方に見えているのは大きな山崩れの後です。
 近くで見るとさほどではありませんが、昨日の午後スネガ展望台から見たときにその規模の大きさに驚きました。

 (右写真)この電気機関車の模型もロータリーのモニュメントです。おそらく登山鉄道ができたときの初期モデルなのでしょう、三相交流用のパンタグラフや歯が刻まれたラックレールにその特徴がよく表現されています。
 こんなオモチャのモデルが売られていたらほしかったのに、、、、

 バスの車窓から見えた、深い深い谷にかかる橋です。景色もすばらしいですが、橋のデザインもなかなかです。このような建築構造物をあちこちで見かけましたが、周りの景色によく溶け込んでおり、やはりオトナです、、、、

 途中で休憩のために立ち寄った、いわば「道の駅」のようなスポットの屋外テーブル席で、絞りたてのフルーツジュースを飲みながら見た景色です。水面が静かで、朝陽に照らされた景色が湖に映っています。
 でも右のほうに風車があります、ということは、いつもは風が強い場所なのか、、、、ラッキー!!
 スイスは水力発電が主体ですが、あの原発事故(チェルノブイリ、フクシマ)以来原発を押さえて風力発電に?いや正解はフランスからの買電です。(フランスは原発王国)

 でも地形をよく調べているらしく、風の利のあるらしいところには注意すると風車があちこちに建設されているのが見られます。



 これも車窓からの、ローマ時代の円形競技場の遺跡です。はるか遠く豆粒のようでしたが、うまく写真表現できました、、、、このような場所に?と思ったのですが、スイスがイタリアに接していることを思えば納得です。




 スイスの国境を越えてしばらくすると前方に、華道に使う剣山のような山(シャモニー針峰群)が見えてきました。



 そして氷河も、、、、名前はわかりませんでしたが、何本もの氷河がモンブランの方向から流れ落ちてきており(もちろん目には見えない速さで、、、、)この写真のように、その先端を見せていました。(左写真)


 いよいよシャモニーに到着です。ここシャモニーは我々世代なら誰もが知っている、オードリーヘプバーンの映画、シャレードで、彼女がバカンスを過している設定になっていたところです

 見上げるとモンブランをはじめとする山々が見えています。右の三角形に見えるのがエギーユ・デュ・グーテ Aiguille du Gouter 3817mついでその左がドーム・デュ・グーテ Dome du Gouter 4304m、これはよくモンブランと間違えられるので偽モンブランとも言われるとか、、、、(このことはモンブランが見えているときが少ないということか、、)

 そしてその左にモンブランMont Blanc 4807mが見えるはずですが、雲の中のようです。次いで左がモン・モーデュイ Mont Maudit 4465m一番左がこれから行く展望台のあるエギーユ・デュ・ミディ Aiguille Du Midi 3842mです。

 ちなみに山の名前に付けられている呼称は、エギーユ Aiguille は「尖峰」、モン Mont は「」を指します。例として 「モンブラン」はMont Blanc で「山」「白」すなわち「白い山」となります。

 街中を歩くとヨーロッパ特有の看板越しに雪をいただいた山が見られます。ドーム・デュ・グーテとその左下に見えるボッソン氷河 Glacier des Bossons)です。(左上)
 町並みの家々も風情があります。やはり著名なリゾート地だけあって多くの人が各国から訪れてにぎわっています。中央の白くとがって見える山はこれから行く展望台のあるエギーユ・デュ・ミディです。(上)

 モンブランに初登頂したというシャモニ村の猟師ジャック・パルマ (J.Balmat)医者で登山家の ミシェル・パカール (M.Paccard)の銅像がそれぞれ別々のところにあります。一人で凛としているのが200年後に建てられたパカールの像でスポンサーの名士ソシュール (H.B.Saussure)のそばでモンブランを指差し、ルートを説明しているのがパルマです。別々にいる理由は、、、、(この話はふれると長くなりますのでまたの機会に)
 谷あいにあるこのまちにはアルヴ川が流れていますが、多量の雪解け水が白く濁り、音を立てています。白く濁っているのは氷河の中に含まれていた氷河に削られた岩の粉でしょう。 家々や橋は花で飾られ、国旗などできれいに飾られています。



 町の中心部から歩いて15分程のところにあるロープウエイの駅です。ベンチに座っている人と比べるとかなり大きな建物であることがわかります。(右)

 下は駅の中にあった案内用のディスプレイです。左下が出発駅のシャモニー(正式にはシャモニーモンブラン)で標高1035mとあり、この日は晴天で気温が29℃である事を示しています。
頂上に上がるには途中で一度乗り換えます。
 ① 1本目のロープウェイ75乗りで、一気に プラン・ド・レギィ駅(2317m )へ。 ②ここから、すこしだけ小さいゴンドラ(65人乗り)に乗り換えて頂上駅3778m)へ。
 ここは、真夏でも上はマイナス10と脅されていましたが表示板では0℃となっています。③ そこからトンネル内のエレヴェータにのって展望台(3842m)に上がります。
 私たちが乗るゴンドラが下りてきました。なんとなく興奮します、、、、(右)
 登っていくゴンドラからシャモニーを見たところ、みるみる町が小さくなっていきます。(左上)
 (右写真)中継駅、プラン・ド・レギィ駅(2317m )からこれから行くエギーユ・デュ・ミディ(左上の山)をみんなで眺めているところ。「こんなところを登るんだ!!」

 (左上)よりいっそう町は小さくなっていきます。周りの空気もひんやりと、、、、







 山頂に近くなるとだんだんと真っ白な雪景色も見えてきました。尾根伝いにいくつもの登山グループが一列になって頂上を目指しています。



 

やがて頂上の展望台駅(3778m)に着き、トンネル内のエレヴェータにのって展望台(3842m)に上がります。ありました!!これがうわさに聞いた標高表示板です。「3842m」と書いてあります。



 さすがここは富士山より高い「3842m」です。多少の雲はありますが、見晴らしもよく、はるばる来たものだ、、、、との感慨がよぎります。ふと気がつくと「寒い」、風が吹くといっそう寒さが感ぜられます。

 


 案内板を見ながらモンブランの位置を確認しているところです。中央左の山はモン・モーデュイで、モンブランはその右上にほんのすこし頭を出すはずなのですが、この日は稜線をたどるのがやっとで、頂上はついに確認できませんでした。



と、とつぜん前方のモンブランの稜線にリング状のスポットライトが当たりました。このほんのすこし左上が頂上なんです。まさに天の啓示?、、、、

 頂上テラスから見下ろしたシャモニー・テラスです。ほんにコウノトリの巣のような、、、、はるか下にシャモニーの町が見えます。




 右は、エギーユ・デュ・ミディのてっぺんにあるロケット?いや、テレビ用の送信アンテナとのことです。東京スカイツリー(634m)も真っ青です、こちらは3800m以上もあるのですよ!!!


 下山して、またバスに乗り、夕刻ジュネーヴに着きました。

 これが1955年に作られた有名な花時計イギリス公園内にあります。
 直径5mの花時計には、6500本以上の草花が使われており季節によって組み合わせを変えるとか、、、、花時計の秒針は長さ2,mで、世界一だとか(それほど大きくは見えませんが、、、、でも大きいか、、、、)文字盤の文字の配置が面白いです。

 ここには、私は仕事を含め何回も来た事がありましたが、いつもと雰囲気がまったく違います。そうでした、「建国記念日」(8/1)があったのです。それで今日は休日になっており、多くの人々がどっとくりだしているというわけで、明日からは静かなレマン湖畔に戻るのだそうです。
 このホテル群の前も即席の遊園地などが出来ていますが、いつもは静かなところです。


 レマン湖から流れ出るローヌ川を跨「モンブラン橋」全長250m)で、その欄干には、ずらりと並んだ州旗がはためいていましたこれはホテル街側から対岸を見たもので、遠方に即席の遊園地の観覧車が見えます。

 この「モンブラン橋」の上で信号待ちをしている「プリウス」のタクシーを見つけました。日本でもあまり多くはないのですが、頑張っているのを見てうれしくなりました。

 夕食を終えて外へ出ると、静かに雨が降っていました。スイスに来て雨は初日の午前中と最終日の夜半のみで、きわめて幸運でした。夕方には止まっていたレマン湖の大噴水もいつの間にか動き出していました。

 今回はすこし長くなってしまいました。次回はエピローグに近い最終回です。

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