2016年5月11日水曜日

ラジオの製作(4) LA1600 によるAMラジオ

 孫たちの成長に伴って帰省もなかなか都合がつかず、寂しい連休になったせいでしょうか、ラジオを無性に作ってみたくなりました。

 先回は LMF501T という3端子ICを使ったストレートラジオでしたが(ラジオの製作(3) LMF501T による現代の鉱石ラジオ)、今回は LA1600 というICをつかったスーパーヘテロダイン方式のAMラジオで、このブログでは第4作目ということになります。

 このICは三洋電機製で、世に出てから30年以上経ちますが我々アマチュアにとっては使い易いIC(SIP シングル・インライン・パッケージ)で、きわめて安価、かつ取り付けるべき部品も少なくて高性能が期待できる優れものです。

 私もずいぶん前からストックを持っていましたが、近年になってディスコン( discontinued の略で製造中止)の報がもれ聞こえてきて、LA1600 おまえもか、、、、と感慨にふけったものでしたが、市場にはまだたくさんあるようですし(現時点でイーエレ¥90)セカンドソースも名乗りをあげたようですので、今になっては杞憂でした。

 写真は LA1600 ですがいろいろ実験するにはピンが弱いので左側にあるように穴あき基板を使って0.6mmの錫メッキ線で補強しました。こうしておけばブレッドボード上での取り扱いが楽になります。

 今回は LA1600 のデーター・シート(三洋半導体ニューズ No.N2056C)にある「測定回路 (1) : AM-MW 」をそのまま使いました。

 まず挨拶代わりに左図のようにブレッドボード上で手持ちのポリ・バリコンとジャンクボックスからひろいあげた局部発振コイル( OSC coil )を使って配線し、発振の様子をオシロスコープで観察しました。
 比較的容易に発振してくれますのでこの回路はネットでも見られるように応用が利くかも、、、、

 ポリ・バリコンはトラッキング・レス仕様で、測定の結果アンテナ側で146pF、局部発振側で60pFでした。これに10pFのトリマーが各々についていました。また局部発振コイルの同調側インダクタンスは329uHでした。

 結果、発振周波数範囲は1000~2000kHzの範囲以上でとりあえずこの組み合わせで行くことにしました。

 右写真はポリ・バリコン、中間周波トランス( IFT )そして局部発振コイル( OSC coil )です。

 今回製作したラジオの回路図を低周波出力回路もあわせ示します。



 低周波出力回路には以前使用した HT82V739 をつかいましたが、低電源電圧で使用するには部品点数も少なく、使い良いICです。
 右写真は上の回路図をブレッドボード上に再現し、調整しているところです。(ただし低周波出力部は別ボード上)

 この時点で中間周波トランス( IFT )と局部発振コイル( OSC coil )には接続すべき端子が決まっていることに気づきました。


 左図はそれぞれ裏側(端子のある側)から見た端子番号ですが、実際に組み立てる際にはこの番号と上の回路図の番号と合致させる必要がありました。

 ということで、いつものように秋月の両面スルー・ホール基板の切れ端に低周波出力部(写真右側)も含めてコンパクトに組み上げました。

 スルー・ホールのピッチが2.54mmなので2つのICなどはいいのですが、中間周波トランス( IFT )、局部発振コイル( OSC coil )および写真右上のスピーカー用ジャックはドリルで基板を加工して取り付ける必要がありました。
  
 ラジオは日常的に使うものなのでケーシングが大切です。
 今回はアクリル板を加工して上下から挟み込むデザインを採用しました。(手抜き?)
 上写真はアクリル板を加工する際に使用した図面?で方眼紙に現物合わせで印がつけてあります。白く囲ったところが右上の基板が入るところで赤色の丸は中間周波トランス( IFT )と局部発振コイル( OSC coil )のコア調整穴です。ポリ・バリコンは緑の部分につきます。

 この図面の上に寸法どうり切り取ったアクリル板を載せプラス印にあわせドリルで穴を開ければOKです。

 この二枚の写真は完成したラジオを前後から見たものです。大きなダイヤルツマミは間に合わせですが妙に馴染んでいるようにも見えます。

 バーアンテナはこれもジャンクボックスから発見してきたものの巻き線を約600uHになるように巻き戻し使用しました。また取り付けは金属類からなるべく離す必要がありますので上部アクリル板の端にタイバンドで固定したらうまくいきました。

 このラジオはスーパーヘテロダイン方式なので単一調整が不可欠です。調整法はネットの記事を参照してください、こうしたラジオは規格に合ったバリコン、コイル、トランスなどを使えば容易なのでしょうが寄せ集めの部品では結構大変で私は苦手です。
 でも結果は満足できるもので、 LA1600 の優秀さを確認できましたので、今後さらに短波帯やエア・バンドの受信機にも挑戦してみたいとおもいます。

 最後になりましたが、今回のプロジェクトに際し、「トランジスタ技術2014 8月号」の記事が大変参考になったことを申し添えます。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

LA1600使用のラジオ作ってみました。大変参考になりました。
感度が悪いのを暫く考えてました。親子バリコンが入手しやすいので親子バリコンで
作ったのですが、感度に関して不満足でした。原因はどうやらバリコンの回転指度に対する
アンテナ側と局発がわのカーブがだめそうというのが結論でした。
中国製バリコンではトラkッキングエラー大、アルプス、ミツミならトラッキングエラー少なく感度が良くなりそうです。余り大した測定器ないのですが、回転指度と容量を測ってみると
かなり相違がありそうです。MWに関してはバリコンを国産品、アンテナコイルをリッツ線で巻くと良い結果でした。