2013年2月17日日曜日

古いCDプレーヤーのリペア


 親しい友人のところから、TEAC製のCDプレーヤーがやってきました。「動かなくなったから適当に処分してくれ」とのことです。

 型番はCD-P1800といい20年近く前のエントリー機だと推測しましたが、ググッてみても名機たちとちがいなんの情報もありません。

 早速通電してみました。CDのローディングは出来るのですが、演奏のシークエンスになると多少作動しようとする意欲は感じられるのですが、、、、確かに動きません。
 私の経験からすると、おそらく光ピックアップ・ヘッドの駆動部に何らかの故障があるのでしょう。

 カバーをあけてなかをのぞいてみました。 大きな筐体のわりには、中はガランドウです。中央にメカニズム、左側にディスクリートで組んだ回路部分(とはいっても裏側に肝心な、いくつかのPCM関連のLSIは装着されていました)です。そして右下に電源トランスがあります。

 注意深くヘッド駆動部をポリアセタールの歯車を介して動かしてみましたが、、、、お、固着しています。

 この現象は、長期間経過したときに潤滑用のグリースが酸化・固化してしまったものでしょう。あまり使いたくは無かったのですが、浸透性潤滑材を少量、ガイドにしみ込ませながら、何回も何回も辛抱強くすこしずつ動かしていくと、ようやく固着から開放されました。あとは出来るだけ浸透性潤滑材をふき取り、写真のようにモリブデングリースを再度、ヘッド駆動部のガイドに塗布すれば終わりですが、、、、
 このプレーヤーのカバーをあけたとき、中が意外と綺麗だったことと、仕事?をしながら聴くセカンドシステムのCDプレーヤーを物色しているところでしたので、この際リペアしてみる事にしました。
 リペアと一言で言ってもいろいろ手があります。全体の清掃、駆動系の手入れ(ゴムベルトを使っていないようで助かりました、でなければ交換)、コンデンサーの交換(リ・キャップ replace capasitors )、システムクロック(16.9344MHz)の低ジッタ化、制震材の貼り付け・塗布などなどこの道は際限がありません。

 いろいろ考えて、最終的にコンデンサーの交換(リ・キャップ replace capasitors )をすることにしました。もちろんピックアップ・レンズ(右上写真の左に見えています)はていねいにクリーナーで清掃してやります。(ちなみにこういった用途にはオリンパスのEEクリーナーの右に出るものは無いでしょう)

 左上写真の、黒い円筒状のものがコンデンサーですが、よくみるといまどきの表面実装部品ではありませんので比較的簡単?に交換できそうです。でも全てチェックしたら三十数本ありました。

 右写真は交換すべきコンデンサーです。オーディオ用の「ニチコンMUSE」で全てそろえてみました。



 左写真の右下が交換前、左上が交換後です。基本的には同じ容量のもので交換しますが、耐圧が大きくなっていたりして、多少サイズが大きくなっています。

 リペアの他の項目は、もともと本機がエントリーレベルである事、イージーリスニングが目的である事、自分の耳のf特性の劣化など考えてやめておきました。

 ということでいそいそと試聴にかかります。最初はリ・キャップの作法どうり、音が安定するまでに時間がかかりますが、徐々に音の繊細さに加え、つややかさが感じられるようになってきました。さらに聞き込めばもっと良くなる、、、、でしょう。

 少し遅いですが、「チェット・ベイカー(Chet Baker)のMy Funny Valentein 」 、ロシアの隕石から思い立って「1812年」、そして辻井伸行のデビユーアルバム、、、、とソースをとっかえひっかえ楽しんでいます。

 このプレーヤーをくれた友人に感謝!です。



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