親しい友人のところから、TEAC製のCDプレーヤーがやってきました。「動かなくなったから適当に処分してくれ」とのことです。
型番はCD-P1800といい20年近く前のエントリー機だと推測しましたが、ググッてみても名機たちとちがいなんの情報もありません。
私の経験からすると、おそらく光ピックアップ・ヘッドの駆動部に何らかの故障があるのでしょう。
カバーをあけてなかをのぞいてみました。 大きな筐体のわりには、中はガランドウです。中央にメカニズム、左側にディスクリートで組んだ回路部分(とはいっても裏側に肝心な、いくつかのPCM関連のLSIは装着されていました)です。そして右下に電源トランスがあります。
注意深くヘッド駆動部をポリアセタールの歯車を介して動かしてみましたが、、、、お、固着しています。
この現象は、長期間経過したときに潤滑用のグリースが酸化・固化してしまったものでしょう。あまり使いたくは無かったのですが、浸透性潤滑材を少量、ガイドにしみ込ませながら、何回も何回も辛抱強くすこしずつ動かしていくと、ようやく固着から開放されました。あとは出来るだけ浸透性潤滑材をふき取り、写真のようにモリブデングリースを再度、ヘッド駆動部のガイドに塗布すれば終わりですが、、、、
このプレーヤーのカバーをあけたとき、中が意外と綺麗だったことと、仕事?をしながら聴くセカンドシステムのCDプレーヤーを物色しているところでしたので、この際リペアしてみる事にしました。
リペアと一言で言ってもいろいろ手があります。全体の清掃、駆動系の手入れ(ゴムベルトを使っていないようで助かりました、でなければ交換)、コンデンサーの交換(リ・キャップ replace capasitors )、システムクロック(16.9344MHz)の低ジッタ化、制震材の貼り付け・塗布などなどこの道は際限がありません。
いろいろ考えて、最終的にコンデンサーの交換(リ・キャップ replace capasitors )をすることにしました。もちろんピックアップ・レンズ(右上写真の左に見えています)はていねいにクリーナーで清掃してやります。(ちなみにこういった用途にはオリンパスのEEクリーナーの右に出るものは無いでしょう)
左写真の右下が交換前、左上が交換後です。基本的には同じ容量のもので交換しますが、耐圧が大きくなっていたりして、多少サイズが大きくなっています。
リペアの他の項目は、もともと本機がエントリーレベルである事、イージーリスニングが目的である事、自分の耳のf特性の劣化など考えてやめておきました。
ということでいそいそと試聴にかかります。最初はリ・キャップの作法どうり、音が安定するまでに時間がかかりますが、徐々に音の繊細さに加え、つややかさが感じられるようになってきました。さらに聞き込めばもっと良くなる、、、、でしょう。
少し遅いですが、「チェット・ベイカー(Chet Baker)のMy Funny Valentein 」 、ロシアの隕石から思い立って「1812年」、そして辻井伸行のデビユーアルバム、、、、とソースをとっかえひっかえ楽しんでいます。
このプレーヤーをくれた友人に感謝!です。
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