2013年7月2日火曜日

櫛のお直し

 この写真は昨年秋、私のブログに登場した、「妻籠・桃介橋へドライブのなかに出てくる「お六櫛です。
 その部分を抜粋、、、、

 ・・・・ここではもちろん「ツゲ(柘)」の櫛もあるのですが、「みねばり」の木で作られた、同じ中山道の薮原宿の特産「お六櫛」が、「昔お六という頭痛もちの娘さんが、みねばりの木で櫛を作り髪をとかしたら病が治った」というこでお勧めでした。
 この「みねばり」の木(オノオレカンバ)が土間においてありましたが、持ち上げてみて、その重かった事、、、、
 確かに硬い木であることがわかりました、なにせ比重が0.9~0.94で日本一重い木「斧折れ樺」ですから、、、、それでいて静電気がおきず櫛に最適とか、、、、なんとか、「はい、お櫛一本お買い上げ!!!」・・・・

 ということで以来、家人がお気に入りで日々愛用していましたが、先日この櫛をとり落としてしまったのです。そうしたらきれいに?真っ二つに折れてしまったのです。いわく「なんとかならない????」

 あらためて仔細に観察してみましたが、確かにきれいに割れています。オノを折るほどに硬い木であるがゆえに衝撃破壊に弱かったという事なのでしょう。櫛はたたいてみると金属音に近い音がしますし、落としたところが洗面ゾーンのタイルの上、、、、と聞いて再度納得しました。

 それでは、、、、と、日ごろの居候的存在を否定し、より存在感を高めるために一念発起です。

 基本的には接着剤をつかいますが、それだけではおそらく長持ちしないでしょうから、レインフォースを入れる必要があります。
 それも接合面に穴を開けてダボのように入れるか、背割りにしてそこに外から挿入するかが思案のしどころです。
 結果、背割り方式は確実ですが、出来上がりで「修理しました」の跡が生々しすぎるので、やはり仕上がり重視で行く事にしました。

 ワザとしてはこちらのほうが難しく、お互いの接合面にセンターのあった穴をあけるのは疲れます。左写真はドリルで(材料が硬いので)穴をあけているところです。

 右写真はドリル穴に補強材として使った鉄の棒をいれて調子を見ているところです。
 ドリル穴は鉄の棒よりほんの少し大きめに開けるのがノウハウです、、、、

 そして突合せ面は左のようになります。

 あとは接着剤で接合するだけですが、やはり材料が硬いので、木材用のボンドではなく、2液性のエポキシを使うことにしました。

 それもおよそ10分くらいで硬化が始まる短時間硬化型がこの場合ベター、百均で入手。瞬間接着材は衝撃破壊に弱いのでやはりエポキシです。

 あとは接合面をきっちりさせる養生(これがまた大変なのです)をした後、完全硬化のほんの少し前に付着した接着剤を落としてきれいに磨けば接合場所もほとんどわかりません、われながら、、、、

「はい、できあがり!!!」

 家人いわく「きれいにできたわね、ツバででもくっつけたの???」

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